映画『時空救援人』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

自分も裏切る

 

 

時空救援人

 

ファンタジーやSFジャンルは愛奇芸コンテンツにも多い。ハリウッドと同じで派手で欲張りなSFアクションが最も売れる法則は中国でも同じです。そんな訳でSFアクション系をざっとチェックしてる訳だが本作は割とアクションよりSF寄りな内容。科学者の卵たる理工学系の学生たちが趣味でタイムマシンを開発して未来へ行くと未来の自分から女性型ロボットを託される。そして現代に帰ってみると大学の研究室で共同研究をしてた相棒が手柄を独り占め。そんな非道な裏切りをした仲間の心の闇を除去すべく彼は過去へと飛びトラウマの元凶となる事件を未然に防ごうとするが、そんな彼の行動自体がとある謀略の為に利用されていた。なかなかややこしい展開で色々と詰め込まれてる訳だが、やはりロボットであるヒロインも含めて人工知能の自我意識って所が最近の中国SFコンテンツではネッグになる事が多い。この作品のヒロインは云わば心ならずともスパイ的なポジションを義務付けられた『ドラえもん鉄人兵団』のリルルみたいな存在な訳だが、そこに宿る人間的感情をもっと描き込めていたらショッキングな裏切りも深くなりそうです。

 

ただ本作自体が描くテーマ性としては「罪を憎んで人を憎まず」な教訓を感じます、つまりは主人公の相棒にしても主人公自身にしても若い頃は純粋で最初から絶対悪的な人間はいない。ただ不遇な時の流れの中で人は変貌してしまう。そんな事実を突き付けられると自分自身すら絶対的に信用できなくなる。だがそれこそが本来あるべき態度なのです。それこそ戦後の卑しいジャップ大衆の振る舞いは経済転落と共に劣化の度合いを増し何かしらの事件に対して属人的に徹底的に叩いて安心するという浅ましい態度がデフォになってしまった。むしろ本来は「人の振り見て我が振り直せ」で自分は同じ事件を起こさない為に何ができるかを考え行動するからこそメディアという知の共有には価値があるのです。それを不安を紛らわすリンチに使うような精神病者だらけの現状ならばメディア利権はその存在自体が有害です。それこそ民放のみならず公共放送たるNHKも公共棄損利権にしかなってないので国家権力が公共的なのであれば国内の電波は全て使用禁止にすべき。ただそれ以前に大衆の民度こそが問題なのであり、この手の誰もが悪たりえる事実を示すコンテンツから目を背ける態度を改めねば。むしろ目を背ける奴は悪党と断定して良い。