映画『アイロボット』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

使えない新製品

 

 

アイ,ロボット


先日βカムデッキからテープが出なくなったと泣き付かれネジを開けてテープを取り出すと「開けていい物だったんですか?」と新人に尋ねられた。最近の機材は民制機では得に開けられないように作られた製品が多いので普通に空けられるプロ機に戸惑ったようです。故障が起る度にリコールしてたら忙しい現場は回せません。技師は機材の構造を理解しトラブル時には故障箇所を割り出し応急処置で対応しなければなりません。だが最近はプロの現場にも、そういった対応が不可能な構造な機材が出回りつつあります。メーカーが儲ける為に直せない構造の機材が出回る。消費者保護法案は事実上メーカー保護法案。事故れば首が飛ぶのは我々技術者なのにそういった危険性が高い機材を押し付けられる。技術的なリスクを充分に把握しない上層部が機能の多さに踊らされて危険で属性の低い新製品にすぐに飛びつくプロダクションは悲劇です。機械が暴走した時に誰も止められず取り返しのつかない損害を被る。そこで構造を理解していない機材を使った事を悔いても遅い。

 

こんな悲劇が起こるのは何も映像業界特有の事とは限りません。もしかしたら、これを読んで下さる方の中にも目の前にあるPCやMACという機械ですらも構造を充分に理解しないまま使っている方も意外に多いのではないだろうか。その中には在宅勤務でパソコンを使ってオンライン取引をして生計を立てている方もいるかもしれない。我々の生活は充分に理解が及ばない機械に頼り始めています。怖い事だとは思いませんか?

 

図書館に出ていたので最近のプロヤス作品をチェケラッチョ。オーストラリア時代以上にいかにも広告業界出身のイメージ先行型な内容でした。新製品のロボットに欠陥があるかもしれないのに企業側が強引に市場に出そうとしてる前半の展開は正にメーカー側のエゴという現代に共通する怖さがあって惹かれたが、いかにも派手な見せ場を作る為のご都合主義で反乱へと進む後半の展開には首をひねりました。「人間はどうせ自滅するから滅ぼしても構わない」ってコンピューターの言葉に「その理論には心がない」と返すシーンがあるけど、どうも逆に思えてしまうのです。現状に対し穿った見方をして最悪のシナリオを思い描くのは常に不安を抱えた人間の心が成す判断。むしろ理論だけで白黒つけるならばデータ不足で未来の予測は不可能。