映画『一礼して、キス』の感想 | アキラの映画感想日記

アキラの映画感想日記

映画を通した社会批判

一礼して、キス

 

 

少女マンガ的劣情

 

弓道部の後輩の壁ドンにキュンキュンしてしまう女子のラブストーリー。私も幼い頃にアーチェリーが趣味だった事もあり命中の精度と精神統一が比例する競技である実感は持っているだけに、この競技で心境の変化が分り易く伝わりました。片想いや嫉妬や焦りがそのまま成績の低下に繋がる競技。禅を組むように煩悩や雑念を振り払い大切な人に見守られる安心感があって初めて良い成績が出せる競技。ただ肝心の恋愛ドラマの内容はほとんどイチャラブ系って感じで、せっかく弓道って形で感情が分り易いのにそれに見合った深みはありませんでした。この後輩は海外赴任した両親から叔父夫婦に預けられて育ったせいで懐疑的になり愛情の示し方が歪んでしまってるようだが、ただ単に所有欲が強過ぎる俺様系にも見えます。それだけに恋の障害が自業自得の自家中毒にも見えてしまう少女マンガならではの話の拙さが丸出し。やたらと主人公がイケメン大学生にもモテたり彼氏が校内ヒエラルキートップクラスの女子に告られてあっさりふったりと優越感に浸りたい願望が露骨なまでに出てしまうってのも少女マンガの特徴。少女ってのは成長した女性以上に業が深いのです。