映画『Tel Aviv on Fire』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

テルアビブ・オン・ファイア

 

 

反ユダヤ主義

かつてジョージミラーやピーターウェアというオーストラリアの巨匠たちやリチャードドナーと組んで有名アクションスターになったメルギブソンは田舎者の正義感が強いのでユダヤ人警官を罵った事でハリウッド映画界から干されたのは有名な話。『陰謀のセオリー』のようなガチのユダヤ陰謀論者の側面も確かにあります。ただそうでなくとも『アルナの子供たち』のような数多くのパレスチナのドキュメント映画でインティファーダの現場を見ると誰でも義憤から反ユダヤ主義になりたくなります。ナチス以上に卑劣な虐殺を繰り返すシオニスト。この暴力に対し抵抗するのは当然です。ただ遺伝子的にユダヤ人に最も近いのはアラブ系と云われる通り実は似た者同士でありユダヤもパレスチナも若い世代は報復の連鎖から抜けたがっているノンポリも少なくありません。

 

この作品の主人公も老害世代の確執ってマジウザいわと思っている典型的なノンポリ。ヘブライ語が喋れるという特技を生かして撮影所でヘブライ語訳の校正というバイトをしていたが大ヒットTVドラマの主演を張っていたフランス人女優が彼を気に入った事から大ヒットドラマの脚本を任される事になる。その悪役は毎日エルサレムから撮影所に通う際に通る検問所のイスラエル人将校がモデルになっていて彼にアドバイスを貰う事でドラマの展開は思いもよらない結末に向かい始める。なかなか笑えるイスラエル産コメディ映画。想像力に乏しい日本の報道では全く意識されていないが現地民にも世代間意識の違いや職業倫理の隔たりや郷土意識の強弱やらがあって一枚岩ではありません。マスメディアの人気社会派メロドラマで変な事をすれば様々な方面から糾弾と称賛の声が上がり炎上するのは何処の国も同じ。

 

『ウィンターオンファイア』みたいな露骨な反露プロパガンダ映画を模したタイトルって所がまた笑えます。そりゃアルジャジーラやDDみたいな真っ当な報道でポロシェンコの虐殺を見ていた普通の世界市民からすればウクライナ制圧に対する鬼畜米や親米クズジャップのような情弱の反応は土人蛮族のようで笑えます。ヘイトポルノでマスタベするゴミクズセブンの老害どもを尻目に若者は好きに生きれば良い。どちらにせよ今の老害には含蓄も古の知恵もない。そんな無価値な連中のマスタベに付き合ってられるか。そんな大胆さを感じられる展開に大いに楽しませて頂きました。クソ老害のヘイトポルノは今となっては百害あって一利なしです。