映画『クリエイター』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

ザ・クリエイター/創造者

 

 

新アジアという幻想

米国側のスパイが現地民に影響され米国の侵略を止めるってパターンは『アバター』等の有名コンテンツでも王道な訳だがギャレス作品は背景の設定が現在の社会時事に対して露骨。出世作である『モンスターズ』でもトランプが喚いていたメキシコ国境の壁が完成した未来を舞台にしているし『ゴジラ』でもビギニ環礁での核実験に言及しています。この作品の世界観は更に露骨でアングロサクソンの横暴に対し現在グローバルサウスと呼ばれる世界の側は新アジア連邦を組織していてAIやロボットを虐殺しようとする鬼畜米に抗っているという構図。元々ギャレス作品はアジア系に深い関心があるようだが、そのスタンスは割と日本のクソパヨに近い気がします。つまり米国的価値観の次元でアジアとの共生を望んでいる。だがそもそも世界が連邦を作って鬼畜米に歯向かうって構造自体が(個人的には実現して欲しいが)米国特有の浅ましい価値観に基づいたパラノイアなのです。

 

プーチン氏の演説を聞けば分かる通り世界は個々の文化に立脚し多様性の中で生きる事を求めています。パヤオの名作『天空の城ラピュタ』でも云われた通り「どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられない」という真理に立脚しほとんどの国は存続しているのです。そんな世界中の大多数の国々が今も続く卑劣なアングロサクソンによる侵略収奪搾取に反感があるのは間違いない。だが統一された価値観で抵抗するという方向に進めば鬼畜米同様に腐れ切ったファシズムを繰り返すだけです。それを賢明な東側諸国は理解してるだけに一見ありそうでリアリズムのない設定なのです。

 

この主人公は味方の爆破攻撃に巻き込まれて行方不明の妻を探すという個人的な動機で米国側の任務からはみ出す訳だが最終兵器とされる少女ロボットに促されて新アジアを襲う"ノマド"なる鬼畜米の巨大殺戮兵器の破壊に乗り出す。やはり腐れ切った上層部が失態をAIに押し付けた事で西側のAI狩りが始まったという説に納得感があったのだろう。おめでたい親米クソジャップは目を背けているが米国の庶民レベルでも米連邦中央の自由民主主義という価値観が世界中の真善美に反する薄汚い悪党の詭弁だと気付いています。だから米国娯楽第一線ですらも祖国に懐疑的な作品を出すのです。まあ個人的には親米クソジャップや鬼畜米なんて皆殺しにするべきだとは思いますが改心してくれるならばそれに越した事はありません。