映画『ピングドラム2』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

RE:cycle of

the PENGUINDRUM 2

僕は君を愛してる

 

 

走れ、運命に追いつかれない速度で

「子供ブロイラーで粉々に砕かれて透明な存在になる」いやはや前編の方も一見コミカルに見えるが辛い世界観だった訳だが後編の方は更に心の叫びが露骨になったって所だろうか。とにかく家族はとことん血が繋がってなくてテロリストに利用されるカルト宗教2世みたいな存在で大規模なテロ事件で大切な人を失っているという背景が明かされ、そんな運命を変えるべく必死に抗うが運命を変える呪文を唱えた者は焼死するという悲惨過ぎな無理ゲー設定。非人間的な価値観が蔓延した今の西側世界のようなクズの巣窟じゃ子供の自殺率が跳ね上がるのは当たり前。大人たちが性根の腐った無能な負け犬だから負けを認めない事の皺寄せが最も弱い者を迫害するのです。それが今の日本。未だに自由民主主義なんてカルト宗教が蔓延してる地獄じゃ生き辛くて当然です。そんな無理ゲー化した世界でも大切な相手の為の自己犠牲を躊躇わない健気な若者の姿。大人たちはこんな世界観の作品が共感を呼ぶような社会を作ってしまった事を何よりも恥じるべきです。

 

この社会は変わらないんじゃない。むしろ自由民主主義や改革の名の下に破壊され続けている。やたらと老害の我田引水で自己責任論が撒き散らされ"自助自立"なんて命令するが、だったら立つ為に必要な地面を引き剝がすのを止めろ。パトリオティズムやナショナリズムや共同体や義侠心を壊すな。それより壊すなら自由民主主義という薄汚れた価値観と鬼畜米利権に腐った財界を壊せ。クズ老害どもの収奪には我慢も限界だ。テロを起こしてでも自由主義者という世界の敵を叩き殺さねば、この地獄から子供たちを救う事はできない。この作品はラブストーリーとしてはあまりにご都合主義的ではあったが崩れてゆく図書館で走り出すクライマックスは象徴的でなかなか良かった。このまま老害どもが地面を引っぺがし続けるなら、それよりも速く走って運命の外側へと飛び出すしかない。マスメディアや公教育は若者を奴隷化し収奪する為の呪文で無理ゲー化した運命に子供たちを巻き込もうとする。そこでニヒリズムに腐ってしまっては敵の思う壺です。クズだらけの現代日本に絶望したならば、その運命の外側に飛び出せば良い。その運命の外側には自分が自分でいられない世界があるが出口のない牢獄よりはよっぽどマシです。どちらにせよ、もはや今の日本に守るに値する価値など残されていないのだから。