映画『特殊身分』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

スペシャルID 特殊身分

 

 

頭悪過ぎる駆け引き

 

潜入捜査モノといえばアンドリューラウやダンテラムやイートンシン等の近年香港のヒットメイカーたちも扱う流行のジャンルな訳だが、この作品はどうだろう。やはり潜入捜査モノの面白さは警察側とマフィア側の狡猾な駆け引きによるトリッキーな仕掛け合いの面白さにある。そのついでに派手なアクションでサスペンスフルな見せ場を作る訳だが、あまり派手にし過ぎると脚本の駆け引きに意味がなくなる。その逆で駆け引きだけでサスペンスフルに見せるリアリズム系の作品はアクションが比較的地味になる。この作品は残念ながらその両方の悪い所取りって感じ。極めて大味な駆け引きに地味なアクション。ドニーが寝技絞め技ばかりで、むしろヒロインのジンティエンの方が大股開きのカーチェイスで派手に活躍していた。それにしても正体がバレて何が起こるのかと思いきや主人公の母親が殴られるだけってコントかよ。わざわざ証言VTRを見せたなら普通は同時に爆弾仕掛けておいて瞬時に爆殺するでしょう。でなければバレてる事を本人に知らせずに泳がせて利用するか。そもそも考えもなく警察突入させてたら簡単に犬である事はバレちゃうだろうに。そんな突っ込み所だらけの大味で地味な内容だったがヒロインのツンデレ大陸警察っぷりは可愛かった。