映画『聖闘士星矢』実写版の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

聖闘士星矢 The Beginning

 

 

タイパ悪い修行回

「修行回なんて奴は一流のヒットマンガだけに許された特権なんだよ」と"銀魂"でジャンプの内輪事情を銀さんがゲロってたけど、その特権使いまくって爆死したって感じ。さすがにBeginningなんて付いてても、せめて主要メンバー4人が集まる所まで話が進むかと思っていたが探し始める所までしか進まず尺の半分以上は修行回という超退屈な内容。一応、懐かしのジャンプコンテンツ原作だから見てみたが映像自体は『モータルコンバット』とかの格ゲー原作ハリウッド映画とかによくあるタイプで特に目新しい所がない上に内容まで退屈とは思わなかった。このコンテンツに関して大して詳しい訳じゃないが幼少期にジャンプを読んだ記憶にある所まで話が進むには、このペースだとあと2,3本は続編が必要そうです。

 

この作品ではラスボス的にフェニックスが登場してる訳だが、このキャラって主人公たちがピンチになる度にお助けキャラ的に登場するものだから幼少時代にマンガを読んだ時には彼が登場する回を楽しみにしていたものです。それぞれのキャラ毎にコスモの属性があってフェニックスに関しては怒りって設定でアウトロー的なポジションから主人公を支える感じが何ともカッコ良くて共感させられたものです。むしろペガサスよりフェニックスの方が記憶に残るマンガでした。それだけに一応オールドファンへのサービスでフェニックスの登場シーンだけは作ったって所だろうか。だがさすがに今作は若い世代のファンを獲得するどころかタイパ計算に鈍感な我々オッサン世代ですら早送りしたくなります。どんなに長くても今の映画で修行シーンなんて5分が我慢の限度でしょ。スポコン的な根性論は流行らない時代です。これじゃオールドファンも逃げる。

 

それにわざわざハリウッド映画人使って英語で撮らせる意味って何だろう?ギリシア語で撮るならまだ分からなくはないが現代英語の醸し出すチンピラ感で余計に安っぽく見えてしまいます。それなりにカーチェイスやSF要素も取り込んでしっかりしたCGで見せ場を作ろうとはしているものの、とにかく修行部分のダレが酷過ぎる。もし劇場で見るのならトイレ休憩にしてOKです。そのまま座席にいても睡魔に襲われるだけですから。タイパを求める現代人向けコンテンツに中途半端に努力や孤独な苦悩を織り込んではいけません。もはやヒットコンテンツに修行回の特権なし。その手の要素は含蓄ある真っ当な層向けの内容ある映画でちゃんとやってますから。