『海を見る』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

アキラの映画感想日記

映画を通した社会批判

2007-07-03の投稿

海を見る

 

 

椅子でオナニー

 

うぉっと見終わったとばかり思ってたがエンドロールの後にもうひとつ短編が。例の淫らな森に関するバイセクシャルのエピソード。こっちは歌劇風味で濡れ場が多い割には大して色っぽくはなかった。やっぱり本編の方が好き。女の衝動に関する語り口はシンプルな分『まぼろし』(これと同じ不在に関するオゾン作品)よりも鋭い。地方の別荘で都会で働く夫の帰りを待ちながら幼い娘の面倒を見る人妻。そこへ庭にテントを張らせてくれと頼み込む女キャンパー。暇を持て余してた妻は少しづつ彼女に関心を持ち始める。こそこそとプライバシー侵害のオバタリアン根性。

 

都会じゃカプセルホテルとか映画館とかでもゲイ同士が乱交する場ってのが結構あったりするけど、森の中ってのは逆にちょっとばかし新鮮かも。その場限りの関係。そこに人妻が紛れ込んで男たちにプッシー舐めさせる。彼女にしてみれば椅子で擦るのと同じで単なる性のはけ口。ひとりの時間が長くなると他人相手でも麻痺。露骨に欲望だけが剥き出しになっちゃったりもするもんだ。そして、そんな衝動にかられているのは自分だけとは限らない。その自由さがなかなか怖い。