2019-12-31の投稿
シスターズ(2004)
見たら315´∀`♪
タイの呪い系ホラー映画を二本連続で拝見。地方巡業に来た売れないロックバンドの面々がモーテルの一室で屋根裏の生首を見た事で呪われて幽霊に追い掛け回されるとういう定番展開。幽霊の造形は明らかに中田秀夫の『リング』でTVから出て来るアレを真似ていて幽霊の声は完全に清水崇の『呪怨』で後ろから聞こえて来るアレを真似ていてJホラーの劣化コピーって感じ。そんな訳でホラー映画としての見せ方は割と下手糞な訳だが、それが逆に味になっています。そもそもカンボジアやタイは独特の土着的な死生観が生きている風土だけに幽霊話のプライオリティが単に怖がらせるだけとは思えないのです。この作品はツァイミンリャンの『hole』やウォンカーウァイの『花様年華』を思わせる歌謡曲に乗せたクレジットバックでのったりと始まって自然と話を怖い方に誘導するという古典的な作りになっています。それだけに『アートオブデビル』と違って商業的な巻き餌をするでもなく自然と話に観客を撒き込む感じに好感が持てます。ただ怖がらせ方は圧倒的に今作の方が下手だけど。クリーチャーが怖くなさ過ぎるし。それでも風土感が滲む味わい深さからすれば今作の方が高い満足を与えてくれます。きっとホラー映画としての怖さだけを求める人には今作は完全なる駄作として映るかもしれないが、タイの泥臭い風土感を求めてタイ映画を見る人には今作の方が満足度は高いのかもしれない。どちらにせよホラーとしては下手でも突発的な見せ方より伏線でちゃんと組まれてるって意味で映画として面白かったのは今作の方でした。