『紅き大魚の伝説』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

2020-12-03の投稿

紅き大魚の伝説

 

 

風になって

 

昨年、中国では今更ながらにパヤオの『千と千尋の神隠し』が公開され大ヒットを飛ばしたらしいが、モロにそれを事前に海賊版とかで見て模倣したかのような表現が多い中国アニメ。アニメコンテンツは中国でも売れ筋なようで昨年大陸で最もヒットした作品はSF大作『さまよえる地球』を超えてアニメ作品が首位になったようだ。この作品は海の底の世界から魚の姿でやって来た少女が自分を助けるために命を投げ出した人間の少年の魂を救うために七転八倒するファンタジー。この少女を隣人の少年が好意を寄せて色々と助けてくれる訳だが、どうも恋愛感情とは違うようで彼女が救おうとする少年との間に三角関係らしきものはなく、むしろ互いを気遣い合う関係。個人的感情よりもコミュニティの助け合いを重視した世界観が興味深い。それこそ長老的な立場の祖父からして自然の摂理に身を任せている感じで恩義と助け合いで人々がつながり私利私欲を感じさせない世界観。自分の命すらも他者の為に使う事に躊躇いがない。

 

ヴィジュアル的にはあからさまにパヤオ映画にあったような八百万の神々が集まる温泉宿と類似点が多い訳だが、そもそもこの手の集落は最近じゃ『ムーラン』とかでも描かれて昔から多くの武侠映画で見られる建築物の作りになっています。むしろパヤオ映画の方が中国文化から取り入れた部分が多いようにも思えます。とにかく、この主人公である少女のキャラもパヤオ作品に似た善良さがあって魚になってしまった少年の魂を救うために自分の命を使って取引をして成り行きで村八分にされるようなトラブルまで巻き起こしてしまう。この利他性は親米売国奴やグローバリストに喰い潰された現代の日本では希薄になってしまった美徳。先祖代々が子々孫々の為に築き上げた社会システムさえも戦後のスポイルドチルドレンが喰い潰してしまった。クソガキ老害共はテメーのケツすら拭けないで「自己責任」と寝言を吐く前に子供たちが立つために必要な祖国を売り払うのを止めろ。