『証人』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

2014-11-06の投稿

ビースト・ストーカー/証人

 

 

凶暴なエゴ

 

一応少しは裁判劇の要素はあるものの証人の話ではなく検事の話。唯一の証拠である血液サンプルを破棄しなければ娘を殺すと脅される。まるで同時期の韓国映画『セブンデイズ』を連想させられる。ただその構成はイニャリトゥの『21グラム』と同じで、ひとつの交通事故で3つの人生が狂わされるという構造。刑事と検事と殺し屋。それぞれの人生は時を経て誘拐事件で再び交わる。それぞれに失った痛みを抱えたまま残酷な決断を迫られる。善悪の垣根を越えそれぞれの身内への深い愛が凶暴なエゴとなってぶつかり合う。アクションの激しさとしては他のダンテラム作品と比べて控えめだが、娘を救い出す為に手段を択ばない獣っぷりなど極限の駆け引きが人間の業を曝け出させるって意味じゃダンテラムらしく壮絶。