2004-08-31の投稿
ニュー・シネマ・パラダイス
二つのお話
先日、完全版を見る機会がありました。
中学の時に見たきりだったのですが、
予想外に内容を良く覚えていました。
映写技師との話、エレナとの恋、あのラストシーン。
記憶によると劇場版もあまりバランスは良くなかった。
エレナのエピソードが孤立して
見えてしまっている点は完全版も変わらなかった。
トルナトーレは映画の構成はいつも惜しい所で繋がらなくて、
重要なエピソードさえ蛇足っぽく見えてしまう。
『マレーナ』や『海の上のピアニスト』でもこのムラは気になる。
イタリア映画っぽくない上手さに引き込まれはするが
いつも満足に至らないのは、お話として、どうしても
シークエンスの繋がりの乱暴さが気になってしまうからだ。
ジョセッペ爺さんは、良くも悪くもイタリアのスピルバーグ。
旨い話同士が上手くかみ合わなくて、オチが弱く見える。
その分作品として見た場合には損をしていますが、
一つ一つのお話はとても深く面白い。
この映画は、地方映画館の郷愁と純愛の
二つのお話を聞くつもりで見れば楽しめます。
