沈黙の大陸
3G普及
毎度おなじみセガールでござーるも今や中華コンテンツ。ただ今回のセガールの扱いは『エグゼクティヴディシジョン』並に酷い。なんてったって冒頭でマイクタイソンにボコされるだけの当て馬状態。両者とも悪役の手下で武闘派テロリストと武闘派密輸業者という設定。両者とも信念があって、あまりに汚過ぎる悪役とは途中で手を切る訳だが。そんな訳で話の中心はアフリカに事業拡大する中国企業の奮闘に絞られる。まるで滝田洋二郎の『僕らはみんな生きている』の中国版って感じ。ただ大きく違うのは日本企業は金儲けに腐った社畜を描いてるのに対して今作で描かれる主人公は技術バカで優れた中国のツールで世界中の情報網を繋ぐ事に命を掛ける公共性があります。まあ中国の旗を掲げるシーンはご都合主義的でプロパガンダ的意図を感じる訳だが。
ここ最近騒がれた5Gというのは中継局が極めて小さく情報インフラ不足のアフリカの情報網発展に一役買って今日先進国以上に第三世界を発展させた訳だが、ここで描かれるのはまだ巨大アンテナを必要とした3Gの時代。大統領暗殺のデマを流しクーデターを起こす事を目的としたテロリストと組んで中国の最新技術を破壊しようとする汚い欧米企業と対峙する。ここにはかつての大日本帝国にあったようなアジア主義の精神が生きています。それこそリーマンショックで北アフリカの貧困国が食い詰めてクーデターで混乱に陥った時は"アラブの春"なる民主化が起きたと欧米はデマを流したが最近アメリカの影響力が薄れ親米売国奴政権を民衆が倒す革命の連鎖がギニア、ブルキナファソ、スーダンと続いて本当の民主化が起きている事実を欧米メディアは伝えません。なぜなら欧米の搾取こそが虐殺と貧困を生む世界の敵である事実がバレてしまうからです。そんな汚い欧米企業を叩きのめす本作は実に痛快でした。