『ロイヤル・アフェア』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

2015-07-28の投稿

ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮

 

 

 

利口な医者がうつけ者の王を利用して元老院を解体し民主化を試みるという北欧近代史の重大事件を王妃の不倫というスキャンダルの面を中心に描いたデンマーク映画。個人的には医者以上にこの王は嫌いになれなかった。あくまでも官僚どもが私利私欲の為に圧政を強いているのであって、この王は善良な心を持ちながらも官僚と対峙する勇気を持てずにいるだけ。そこに医者が現れて勇気と知恵を貸してくれたという訳であり頭が弱いのは確かだが完全に傀儡という訳ではない。

 

この映画の魅力は医者と王妃との不倫のハラハラ感であると同時に医者と王の友情ドラマにも似た絆の物語でもある。この医者と王はまるで父と子のようにすら見えるのだ。狡猾な策士だが愛国心は誰にも負けない医者と頭が弱く無邪気だが善良な王。知恵と権力という互いに足りない面を補い合いながら民主化の変革をもたらした2人。語り部がヒロインである王妃な訳だが、これは王妃との三角関係のドラマである以前に医者と王の信頼関係のドラマなのだ。