『モスクワは涙を信じない』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

2005年02-15の投稿

モスクワは涙を信じない

 

 

勤勉な女性


友人に唆されて、身分を偽り著名人と交際する女。まんまと騙され彼女と恋に落ちるテレビ関係者の男。孕まされるが、嘘がバレて無責任にも捨てられる。やがて勤勉な彼女は娘を育てながらも工場長にまで出世するが、プライベートでは空しい日々を送っていた。そんなオールドミスの彼女にある日突然理想の男が現れる。ところが彼女を捨てたテレビ関係者の男が出世を知り再び現れ、娘をダシに彼との仲を裂こうとする。


マーティンスコセッシの『アリスの恋』みたいなお話。それにしても、ミハルコフ等同様、この頃のロシア映画の発色は面白い。演出的にカンジンスキーやシャガールを意識しているのか、それともただ単に技術的に現像所の水や光の浸透加減で微妙に色がこけるのか。カメラワークの面から見ると技術的不備を感じさせられるが、この作品の絵的センスはルノアールの絵画を思わせる。勤勉な主人公が共感できるキャラだけに好きなタイプのドラマだが、このタイトルは内容と相反しています。タイトルから想像するよりはずっと温かいドラマです。