お笑い芸人の漫才を観ていた時、ネタで
左の芸人)サッカー部のキャプテンとマネージャーが付き合ったが、別れた。腹違いの兄妹だとわかったから。
右の芸人)それ、韓国ドラマやないかい!韓国ドラマ特有の複雑な家庭環境や
というのがあった。
確かに、韓国ドラマってドロドロなの多い気がする。でも、ドラマってこういったパターンがあるなって思った。
今日観た映画は、アマゾンオリジナルの『赤と白とロイヤルブルー』。
あらすじはこんな感じ。
ゲイ映画。主人公は、アメリカ大統領の息子とイギリス王子。お互い良く思っていなかったが、話しをしてみると誤解が解けて仲良くなる。その後どうして恋に発展するのかは詳しく描かれていなかったが、恋人同士になるのは早かった。しかし、イギリス王子は自分の置かれている立場や気持ちの整理がつかないことで恋人との連絡を一方的に絶ってしまう。お互い苦しむが、大統領の息子が王子に会いにお城へ突撃する。そしてお互いの気持ちを確かめ合い関係が修復するが大変な事件が降りかかる・・・。
映画という時間が限られているからか、展開が早い。ドラマだと、お互い惹かれ合って付き合うまでに時間がかかることが多い。『We Best Love 永遠の1位』という台湾ドラマでは、なんと6話でやっと付き合うことになる。
しかし良くあるのが、この一方的に連絡を絶ってお互い苦しむパターン。今回もそう来たか。はいはいって思った。
『We Best Love 永遠の1位』も、せっかく恋人になったのに相手が一方的に連絡を絶ち絶望するシーンがあった。
この一方的に連絡を絶つパターンって、劇的だから映画やドラマのストーリーとして多く取り入れがちなのだと思うが、今回は安易な選択じゃないかなと思った。
王子が連絡を絶ったが、大統領の息子が直接会いに行ったらすんなり受け入れて仲直りするあたりが残念だった。『We Best Love 永遠の1位』の場合、主人公は恋人が思いもよらない理由で連絡を絶っていたことを後で知り、ドラマは面白く展開していった。
だから、今回はどういう流れで回収するのかと、期待をしてしまったので多少ガッカリした。
王子が王子と言う重圧に潰されそうになっているシーンがある。何世紀も受け継がれている国王の制度。いずれ、王子も結婚し、男の子を授かり引き継いでいくことを求められている。これって、日本にも当てはまる話しでこういう立場の人達にとって日本は、アメリカやイギリスよりもはるかに生きにくい国だなと思う。
『Love, サイモン 17歳の告白』という映画では、高校生でゲイの主人公が、学校の掲示板サイトにアウティング(ゲイだとばらされた)される。紆余曲折あって、移動遊園地の観覧車に相手の男性と2人で乗って他の学生達に対して公にして見せつけた。
今回の映画も、城に集まった国民の前に2人で立つことで公にした。
なんでゲイってことで、いちいち公にしないといけないのかと、生きづらさを感じてしまう。
床屋や飲み屋なんかで、世間話しをする時の何気ない会話に、
- 今日はお休みなんですか?
- どんなお仕事してるんですか?
- お子さんはいらっしゃいますか?
- ご結婚はされてますか?
という話しになる。
親しくもないし、次回はもう会わないかもしれない人に、『ゲイです』って説明するのも面倒だ。しかし、結婚していないというと、恋人はいるのかとかって掘り下げてくる。
学生時代や若い頃は、想定問答を作って、無難にやり過ごして来たが、今でもこんな質問されるから答えに困ることがありうんざりする。
『昨日何食べた』や、
『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』は、
ほのぼのしてて、好き。
お互い好き同志の恋人の日常で起こるできごとがテーマになっていて観ていて楽しい。
だって、大体ゲイを題材にした映画やドラマって、重くて辛い心境の果てに2人は付き合うことになりました的なものが多い。観ていてスッキリしないんだよ。
かといってBLマンガはまたちょっと違う。BLマンガだと、世間の視線っていうものが無いからか、すぐ付き合うし、ストーリーに起伏が無い。大どんでん返しは期待できないし、下手すれば絡みシーンばっかりってのもある。
だから今は読まなくなった。
アマゾンプライムには専用チャンネルがたくさんある。
J SPORTS、dアニメストア、時代劇専門チャンネル、日本映画NET、韓流チャンネル、シネマコレクション・・・。
サッカーやバスケ、ゴルフ、フィットネス、釣り、寄席専門チャンネルもある。
こういう専門チャンネルにBLとかゲイ映画・ドラマ専門のチャンネルができたらいいなと思う。
話しは戻るが、ヘンリー王子役のニコラス・ガリツィンがイケメンだった。もっと見ていたかった。
主人公アレックスが母にゲイであるとカミングアウトしたところ、何の迷う素振りも無く全面的にその場で受け入れるシーンがあった。
映画という時間の制約で端折ったのかなって思うぐらいあっさりしていた。台湾ドラマだったらこのシーンだけで30分ぐらい長引かせられると思う。
『昨日何食べた』でも、母親は口では理解を示すも「親だからお前がゲイでも殺人者でも受け入れる」と悪びれることなく息子に言う。本心では理解できない世代なんだと落胆する息子に共感した。
『Love, サイモン 17歳の告白』も考えてみたらあっさり受け入れてたな。
『Love, サイモン 17歳の告白』では、さほど仲の良くない男友達に主人公がゲイだとバレてしまい、女友達との仲を取り持つよう脅迫され、仲良くなれたその男友達がその女友達に告白するも断られる。で、腹いせにアウティングされてしまう。そのおかげで学校中で白い目で見られ辛い日々を過ごすこととなる。
今回の『赤と白とロイヤルブルー』では、大統領の息子の元カレである記者が嫉妬して王子との仲をスクープとして公表した。そのおかげで国を巻き込む大騒動となる。
ゲイだということだけで、一人の嫉妬心で人生が狂ってしまうような危うさがあることが怖い。映画の中でも主人公が言っていた。「恥ずかしいから隠しているのではない。自分のタイミングで話したいだけ。」って。
うん、わかる。それなーって感じ。
まあ、こういうのは男女の仲でもありうるからね。『あの女は、だれとでも付き合う尻軽女』なんて会社や学校で噂になったら生きていくのが大変。
映画にはパターンがある。
パニック映画:地球が破滅するまでカウントダウン。敵の弱点である特性を見つけ一点突破で大逆転。
恋愛ドラマ:三角関係や意思のすれ違いで悪化した関係がいかに解消してハッピーエンド。
韓国ドラマ:政府や法律から見放された主人公がいかにして立ち上がるか。
みたいな
となると、ゲイ映画は、『ゲイの主人公が、世間体や社会通念に揉まれ苦難の末、幸せを勝ち取る恋愛ドラマ。』
といったところか。ストーリーの流れはこんな感じだな。
- 主人公がゲイと認識し悩む。「俺あいつのこと好きかも」
- 相手の優しさに触れ恋をしてしまう「あいつ無しでは生きていけない」
- 告白するがなんと断られる「お前も俺の事、好きだろ!?なんでだ!」断ったのは相手の人生を考えての優しさからだった!とか
- なんだかんだあって二人は付き合うことになる
- そんな中、アウティングされたり、彼氏が突然いなくなり連絡が取れなくなるなど波乱が起きる
- でもその問題を乗り超えハッピーエンド
自分がゲイだと認識して悩んだり、世間体を気にして作った偽りの自分で生活する辛さ、恋人の気性の荒さや気持ちのすれ違いに悩み、傷ついてしまう。良くあるゲイ映画のこんなシーンはゲイなら普段から体験している思い出したくないこと。そんなもの改めて見せられても、たまったもんじゃない。
お願いだから、辛い苦難は控えめにして、ほのぼの系映画の作成をお願いしたい。(売れないかぁ。)