「先輩、俺、先輩のことが好きです。」
クリスマスの日、”俺”は後輩に突然、告白された。
ほんとうに何の前触れもなく、突然。
それは、いつものように、仕事を終え、帰ろうとした矢先のことだった。
なにやら。そわそわとした様子の真優に「どうかしたのか?」と聞いた瞬間は、まさかこうなるとは思っていなかった。
「先輩のことが好きです。」
聞き間違いなのかと一瞬思った。
なにか、他の言葉を言おうとしたのだろうか、それとも言い間違いをしたのだろうか。とか、一瞬の中で思考を張り巡らせた。
しかし・・・。
目の前の真優の表情はいたって真剣な眼差しをして、どこか頬が赤く染まっていて、さっきの言葉が聞き間違いでも、良い間違いでもない、本当にいった言葉であるのだと分かってしまう。
(・・・・・・・・・・・・・・・。どうしようか・・・。)
真優のことが嫌いというわけではない。
いや、どちらかと言えば、俺は人間的に真優という人間は好きだ。
よく気が利き、こちらの言った事をしっかりと理解し、話をしていても楽しい。
人間的には好き一択だ。
ただ・・・・・・。
こんなカップルが蠢く日に「好き」っていうのは、そういう人間的に、という意味ではない
おそらく、いや、間違いなく、恋愛感情ありきの好きなのだろう。
真優の表情もそれを物語っている。
「真優、その・・・。あー・・・・。」
なにかを返さなければいけないような空気だった・・・。
真優の表情はその後に続く明確な”答え”を待っているようなそんな予感がした。
さらにそわそわとしている真優。
しかし、そんな真優を見れば見るほどこれから自分が伝える言葉が重くなっていくようで・・・。その続きをなかなか口に出すことができない・・・。
(傷つけてしまうだろうか・・・。)
ついついそんなことを考えてしまう。
真優の言う”好き”、その意味はおおよそ、俺が今考えている通りのことだと思う。
だけど・・・。
今から俺が返すのは、その気持ちを否定することになるやも、蔑ろにしてしまうかもしれない。
それがこの雰囲気から察することができて、なんだか、とても嫌だった。
「・・・・・・・・・・・。あの、先輩・・・・・・?」
そんな俺の気持ちを察知してなのか、さっきまでのそわそわから一転して悲しそうな眼差しでこちらの返答を伺ってくる真優・・・。
答えが分かってしまったのだろうか、みるみるうちに泣きそうに・・・
(・・・・・・・・・・・・。)
しばしの沈黙
どうして、俺という人間はさっさと言葉にすることができないのだろう。
あと少しで涙がその目からこぼれそうな真優の顔を視界に映しながら、自分が嫌になる。
だけど、こんな顔をさせてしまった以上、何も言わないで終わるということができないのだ。
「ごめん」
ただ一言。
その文字数で言えば、3文字の言葉を引っ張り出すのが精一杯だった・・・。
瞬間・・・・。
「やっぱりそうですよね・・・。男同士なんてキモいですよね・・・。」
今まで我慢していたのであろう。
泣き崩れてしまう真優
(・・・・・・・・・・・。やっぱり、そっちの意味だったんだな・・・。)
やっぱり、やっぱりそうだったんだ。
真優の言葉、そしてこの泣き様から見ても、間違いなくそうなのだろう。
真優は俺のことを恋愛的に好きだった・・・。
”男同士なのに”
「うっうっ・・・。」
未だに泣き続ける真優
しかし、俺が原因で泣いていることもあって、どう声を掛けていいのか分からない。
幸いなことにここには真優と俺しかいない。
だから、俺が彼を泣かせたことも、彼が泣いていることも他の人が知ることはないだろう。
(う~ん、どうすればいいんだ・・・。)
この状況をどう解決するのがいいのだろうか、
俺にはわからなかった・・・。
普通の恋愛でさえ、経験が乏しい俺にとって、こんな風に泣いている相手への対処法が即座に思いつくわけもなく・・・。
ただただ時間が無為に過ぎていく。
しかし、時間がいかに経とうとも、時間が解決してはくれないというのも事実。
真優の嗚咽の声が耳に入るたびに、俺の中に罪悪感や申し訳なさというものが一杯になっていく。
(こんなにも、真優は俺のことを好きでいてくれたんだな・・・。それなのに・・・。俺は・・・。)
なんだか自分がひどく悪い事をしているように思えてくる。
真優はこんなにも、泣き続けるくらいに好きでいるというのに、俺はそんな真優の想いをたかたが。”男同士”だから、普通の恋愛ではない常識とは違うからという、ただ、それだけの理由で、拒んでしまった・・・。
こんなにも俺のことを好きになってくれた人なんていただろうか・・・、
考えれば考えるほどそんな相手はいなかったように思えてくる。
というか、俺自身そこまで人に対してそれほどまで恋愛感情を抱いたことがなかった・・・。
だからこそ
こんなにも泣いている真優を見ていると、罪悪感とは違う別の何かが芽生えそうで・・・。
「真優・・・。」
それは衝動的だった
そんな真優の悲しげな表情を見続けているとつい無意識に・・・。
ギュッ・・・・・・。
「先輩・・・?なんで・・・?んっ」
抱き締めて唇を重ねてしまった・・・。
なんで、そんなことをしてしまったのか自分でも不思議だ。
普通に女性が好きなはずなのに、なぜだか真優が悲しそうにしていたら、何かをしなければいけない気になって・・・。
「んっ///先輩///」
さっきまで悲しそうな顔をしていたっていうのに、その唇を奪った途端、急に嬉しそうな顔をしてくる真優・・・。
(可愛いな・・・。)
男にこんなことを思ってしまうのはおかしなはずなのに、そんな顔を見せられてしまうと、どうにも歯止めが利かない。
「んっ///んん///せぇん///ぱぁ///ん///」
女にだってしたことのないほどに激しいキスをしてしまう俺
(どうしっちまったんだよ・・・。俺・・・。)
自分でもどうかしていると分かってはいても、止まることができない。
遂には舌をその唇に突き立てて、受け入れてもらおうとする始末。
「💛ン///せんぱぁ///激しい///」
真優は多分無意識で言っている言葉なのだろう。
そんな甘えるような声で煽るような・・・。
(あ~だめだ・・・。///)
ほんの少しだけ、開いた隙間を狙い撃つように舌を差し入れて、真優の咥内を犯すように舐め回す俺・・・。
真優は恥ずかしそうに顔を紅潮させながら、そんなキスを受け入れる・・・。
いったい、俺はどうしてしまったのだろう・・・。
そんな気持ちが頻繁に頭を過るも、止められない。
「んん///ぇんぱぁ///」
息も絶え絶えになりながらも甘えるような声を上げてくる真優の口内を縦横無尽に俺の舌は這いまわっていく。
(ふ~ふ~、こいつの中、なかなかいいなぁ///)
舐め回していく内に感じる真優の舌の感覚や頬の柔らかさに。ついつい夢中になってしまう俺、
「ぇんぱぁい///あ。んん///」
ビクンビクンと真優の身体が小刻みに痙攣する。
(あ・・・・。こいつ、もしかして・・・。)
そう考えるが先か、くたぁともたれかかってくる真優。
その唇から舌と唇を離してみると、なんとも気持ちが良さそうに恍惚とした表情をしているではないか。
(イッたのか・・・。キスだけで・・・。)
その瞬間、俺の心を妙な充足感というか満足感が襲った。
男をイかしたことなんて今の今までなかったのだが、どういう訳なのだろうか・・・。
(すごく、気持ちがいい・・・。)
「ぁはぁはぁ・・・。///せぇんぱぁ///」
そして、そんな俺の高揚感と同じように未だに小刻みに痙攣しながらも嬉しそうに顔を赤らめている真優・・・。
よっぽどの快楽を得たのだろうか、未だにその言葉は途切れ途切れで、そんな風に俺がしてしまったのかと思うと、余計に嬉しくなってしまう・・・。
そして、そんな真優の恍惚とした表情に充てられてしまったのだろうか・・・。
(あ・・・。やばい・・・。)
その表情、息も絶え絶えになっている息遣いを見れば見るほど、自身のうちにある興奮がたまっていっているのか、むくむくとズボンと下着の中で蠢いている自身のペニス・・・。
そして・・・。
(あ・・・・・。立った・・・。)
下着の中で怒張するペニスのせいで股間が明らかに山状になってしまった・・・。
「あ・・・・・。/////せんぱぁ///それ・・・・・///」
そして、そんな俺に真優が気付かないわけもないようで・・・。
俺の勃起したそれを見入るように、それでいて、嬉しそうに見てくる真優・・・。
(男同士なのに・・・。こんなこんな・・・。)
俺と真優の間に不自然な間が生まれる・・・。
真優は俺の股間にくぎ付けになり、俺はそんな真優に釘付けになってしまう・・・。
本来であれば、男同士でキスをして、勃起して、そんなのおかしいはずなのに、どうしてか、それがおかしなことではないように感じられて・・・。
「・・・。んぱぁ///せんぱぁ///」
そんな中、今なお途切れ途切れにしか言葉を紡ぐことのできていない真優は、俺にその身体を摺り寄せてきて・・・。
「・・・・・。ォテルにぃ///い///きましょ///」
悩ましい声を上げ、誘惑をしてくる真優・・・。
「あ、ああ・・・。」