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神野美伽という歌手の“基礎知識”

~舟木一夫とのJCをより楽しむために~

 

―後半に第25回・26回「オードリー」―


奈良県 長谷寺の牡丹

 

   本題に入る前に―。「牡丹色(ぼたんいろ)」は牡丹の花のような紫がかった鮮やかな紅紫色、紫紅色。牡丹は中国原産で薬用として利用され、「富貴花」「花王」「花神」とも呼ばれ縁起の良い花とされています。日本には奈良時代に伝わり、平安時代末期には重(かさね)の色目として登場していて、表が白、裏が紅梅のものが「牡丹」と呼ばれました。 化学染料が普及した明治時代に「牡丹色」という色名が定着し、化粧品などにも利用されて女性に爆発的に受け入れられました。園芸品種として改良が進み、開花時期や色も多様になっていますが、初夏に華やかな大輪の花をひとつつけるのが一般的です。七十二候でも「牡丹華(ぼたんはなさく)」の頃になります。牡丹の花とともに季節が春から初夏へと移り変わっていきます。 

 

 

 

 

 本題に入ります―。2024年5月2日(木)から8日(水)まで、大阪・新歌舞伎座で「舟木一夫&神野美伽ジョイントコンサート」が行われます。“異色中の異色”の二人のジョイントコンサート。どんな内容になるのか想像が出来ません。逆に言いますと、それだけ楽しみが多いということです。誤解を恐れずに言いますと、舟友さんの多くは「舟木&神野」のジョイントコンサートと聞いて???と思われたのではないでしょうか。夕刊フジにも書きましたが、実は舟木さんからの呼びかけで実現しました。

 


 舟木さんは十数年の “寒い時代”から復活した時に「これからは同世代のお客さまだけと旅を続けます」と“宣言”しましたが、神野さんも「40代、50代の同世代の人たちと、人生って辛いよね、苦しいよね、だけど、ああ幸せ…そんな様々な思いを共感したくて歌っています」と話しています。歌う姿勢、歌手になる前に苦労した点も似ています。そう言えば、お二人が最初に買ったのがハリー・ベラフォンテのレコードだったことも同じです。今回は私なりに調べた「神野美伽とは?」をお伝えしたいと思います。神野さんのファンの皆さまからは甘い!とお叱りを受けるのを覚悟で記します。

 

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 神野さんは1965年8月30日、大阪府貝塚市の出身で、現在58歳です。幼い頃、舟木さんもいろいろありましたが、神野さんも大変でした。ある資料には「父親が大きな借金を作り、取り立ての人が家に来るたびに母親が泣いていた」とあります。神野さんは11歳の1977年、テレビ東京系の「東西チビッコ歌まね大賞」で都はるみさんの「アンコ椿は恋の花」を熱唱して芸能プロダクションにスカウトされます。はるみさんが休業した時期と重なったため、「都はるみの再来」と話題になりました。

 

567 CD 市川昭介作品集~いい歌たくさん、がとう~ 舟木一夫 村田英雄 他 2枚組 COCP-3409192

 

 高校卒業後に両親が離婚して、母親と二人の妹の生活が肩にのしかかります。舟木さんの「絶唱」の作曲家でもある市川昭介さんの門下生になりレッスンを受け、1984年3月10日に市川さん作曲の「カモメお前なら/北海ながれ舟」でデビューし、日本歌謡大賞などで新人賞を受賞しました。1985年3月7日放送のTBS系「ザ・ベストテン」のスポットコーナーに出演して3作目の「男船」(作詞・やしろよう、作曲・市川昭介)を歌ったところ70万枚を超す大ヒット曲になりました。

 

【EP レコード シングル】 神野美伽 ■ カモメお前なら ■ 北海ながれ船■ 市川昭介 鳥井実 池多孝春 やしろよう

シングル 神野美伽 浪花そだち 望郷みなと たかたかし 市川昭介 京建輔 やしろよう ジャケ裏にカキコミ

 

 第38回NHK紅白歌合戦に「浪花そだち」(作詞・たかたかし、作曲・市川昭介)で初出場を果たした1987年、テレビ番組で初めて韓国を訪問。国中に音楽が溢れていて「いつか韓国で歌手デビューしたい」と思い、独学で韓国語の勉強を始めます。1991年8月11日から18日まで、大阪・新歌舞伎座で「演歌の祭典’91~神野美伽スペシャル」を開き、劇場側が舟木さんらに“助っ人”を依頼され、神野さんは舟木さんと“共演”しました。舟木さんは「助っ人どころか足を引っ張ってしまった」と後悔します。

 

 

 神野さんは1999年、韓国の作曲家から曲を募集し、荒木とよひささん、吉岡治さんが作詞して日本で発売するとともに、韓国語に翻訳して「海峡を越えて」で韓国デビューを果たしました。神野さんは同年、1943年9月19日生まれで22歳年上の荒木とよひささんと結婚。荒木さんは再婚で二人の連れ子がいました。神野さんは結婚を機に歌手をやめて子供を産んで母親という人生を送りたいと思い、事務所の社長に伝えたところ、社長から「後悔はないな。幸せにしてもらいなさい」と言われました。

 

 

 しかし10か月後に夫に「ごめんなさい。私は歌いたい」と伝えると、夫は「そう言うと思ったよ。君の歌が僕たちの子供だと思えばいい」と言ってくれました。私も記者時代に荒木さんと酒席をともにしましたが、池波正太郎のような作家を目指したというかっこいい方で、やり取りが想像できます。2001年、NHKEテレ「ハングル講座」にスナックのママのスタイルでレギュラー出演、韓国の歌も披露しました。会話は3年前から家庭教師について勉強していたと言います。頑張り屋さんですね。

 

作家生活60周年記念 空箱の詞(うた) 荒木とよひさ作品集

 

 2002年7月の「男節」(作詞・石本美由起、作曲・岡千秋)に続き、2003年8月にリリースした「浮雲ふたり」(作詞・荒木とよひさ、作曲・岡千秋)がロングセラーになり、神野さんは「力強い『男節』と、たおやかな『浮雲ふたり』の両方を受け入れてもらえたことが大きな自信になりました」。大晦日の第54回NHK紅白歌合戦に16年ぶりに2回目の出場を果たし、30万枚を突破した「浮雲ふたり」を熱唱。日本レコード大賞で金賞を受賞し、夫婦そろって授賞式の晴れ舞台に立ちました。

 

男節

 

浮雲ふたり

 

 2007年3月4日から25日まで、新歌舞伎座で初の1か月座長公演「大相撲 女将さん奮闘記」で相撲部屋の新米女将を熱演。この公演で新曲「日本の男」(作詞・荒木とよひさ、作曲・岡千秋)を披露しました。2012年には後藤次利さんと音楽ユニット「神野美伽+後藤次利」でアルバム「SPICE UP!」を発表したのに続き、翌年には後藤さんのアルバム「Singnificant Other」に参加。アルバム「矜持~Pride~」では岩崎宏美さんと共演しています。

日本の男

 

 2014年には米ニューヨークで演歌の可能性を試すためのライブを開催。2回目の公演でシンガーソングライターの大江千里さんとSMALLS JAZZ CLUBで共演しました。大江さんからマンハッタン・トランスファーのジャニス・シーゲルさんを紹介され、自宅で大江さんの伴奏で一緒に歌いました。2015年にブルーノート名古屋に出演、翌年にはロックフェス オハラブレイク’16に初出演しました。この間の2015年8月に荒木さんと離婚しています。多忙のためのすれ違いが原因だと言われました。

 

 ※2024年5月1日付のサンケイスポーツ紙によりますと、神野さんは2023年に共通の知人を通じて知り合った会社社長の一般男性と再婚されました。挙式・披露宴は未定ですが、すでに都内で同居されているということです。

 

 

 2018年1月1日、演歌歌手として初めて世界120国で配信される、ジャニス・シーゲルさんも参加したアルバム「夢のカタチ」(作詞&作曲・大江千里)をリリース。同時に芸能生活35周年の記念曲「千年の恋歌」(作詞・荒木とよひさ、作曲・弦哲也)も発売。3日から25日まで新歌舞伎座で35周年記念公演「おおきにな~浪花のゆうれい女房」/「神野美伽オンステージ」を開催。35周年記念の第二弾として6月27日に「いちから二人」(作詞・荒木とよひさ、作曲・弦哲也)など3曲をリリースしました。

 

千年の恋歌

 

 同年12月20日にリスフラン関節症のため両足の手術を奈良医大病院で受けて入院。1月に退院して3月には新歌舞伎座で前川きよしさんらと「大坂侍」を演じています。神野さんにとって大事なステージになったのが2019年11月にCOOL JAPAN PARK TTホールで行ったマキノノゾミ作・白井晃演出の笠置シヅ子さんの半生を描いた音楽劇「SIZUKO! QUEEN OF BOGGIE~ハイヒールとつけまつげ~です。「笠置シヅ子」という歌手との出会いが神野さんの歌手としての転機になりました。

 

 

 2020年10月31日に新歌舞伎座で道上洋三さんをゲストスピーカーに迎えて「神野美伽コンサート~熱唱宣言! 本気出すよ!~」を開催。2021年2月には、同劇場で「神野美伽・長山洋子パワフルジョイントコンサート」、これより遡る2011年12月には細川たかしさんとの特別公演、2012年10月には中村美律子さんと特別公演を行っていますが、それぞれの組み合わせは私的にはすんなりと“納得”のいくものです。いずれにしても、新歌舞伎座には神野さんとの縁を感じますね。

 

 

 神野さんは「私の歌の中には江利チエミさんという天才的なアーティストからもらったDNAが生きている。江利さんの体を通して笠置さんやエラ・フィッッジェラルドのDNAが脈々と自分の中に繋がっています」とも。2020年3月5日、今度は体内に入った細菌が脊椎を化膿させる頚椎化膿性脊椎炎のため、首の前後を切開する大手術を受けました。19日に退院して6月から仕事を再開しましたが、コロナ禍で仕事が激減。苦境に立たされた時、神野さんを救ったのが笠置シヅ子さんの生きようでした。

 

ブギウギ伝説~笠置シヅ子の世界~

 

 神野さんは2022年3月10日、今度は腰椎椎間板ヘルニアによる急性麻痺のため緊急手術を受けますが、6月には中野サンプラザでコンサートを行い、11月には江利チエミさんの没後40周年企画として「旅立つ朝(あした)」をカバーリリースしました。2023年2月28日から新歌舞伎座でデビュー40周年リサイタルを開き、2024年3月6日に「天の意のまま」(作詞・荒木とよひさ、作曲・弦哲也)を、4月17日には笠置シヅ子カバーアルバム「SIZUKO QUEEN OF BOOGIE」をリリースしています。

 

  ※このカバーアルバムの背景などについては、隔月刊「ジャズ批評5月号」に掲載されている神野さんのインタビュー記事を参考にして下さい。

 

神野美伽ベストセレクション~旅立つ朝~

天の意のまま

 

SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE

 

 新歌舞伎座での舟木さんとのジョイントコンサートの後、5月18日(土)16時から愛知県春日井市の春日井市民会館で「あの頃の、ビッグバンドとブギウギと」と題したコンサートを開催。5月22日(水)にDVD&CD「神野美伽デビュー40周年コンサート My Voice is the sound of my soul」をリリースし、6月12日(水)には東京・丸の内のCotton Clubで「MIKA SHINNO WITH ALL STAR JAZZ BAND Live」を行う予定です。東京と大阪の帝国ホテルで行われる「IMPERIAL JAZ 2024」のうち、大阪は8月10日(土)、東京は8月13日(火)に出演することが決まりました。

 

 ※神野さんの25周年、30周年、35周年記念コンサートのDVDもAmazonなどで購入できます。

 

 

 

 

 

 

 神野美伽さんの特技と趣味なども記しておきます。神野さんを初めて“研究”していて分かったことがあります。「歌手」としての幅広さと奥深さです。演歌歌手であり、ジャズ歌手であり、ロック歌手であり、米ニューヨークで活動されたりハングルを独学で学び韓国で活躍されたり…。現在58歳、まだ還暦前です。これからますます円熟味を増してくる時です。歌のジャンルの枠を超えた一層のご活躍を期待したいと思います。

 

<特技と趣味>

 

少林寺拳法二段/書道二段/小型船舶操縦免許1級/ハングル能力検定3級/花柳流名取「花柳糸美之」/エンジン01文化戦略会議委員(動物愛護委員会)/貝塚市観光大使/ペット:犬3匹/阪神タイガースの大ファン…「優勝すると私の歌も売れます!」          

 

 

 

 

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“養女”めぐり愛子が滝乃に猛反発。君江は…?

 

 25回。滝乃(大竹しのぶ)は美月(大橋梢)を養女にしたいと愛子(賀来千香子)と春夫(段田安則)に頭を下げます。滝乃は「私の娘になったら、何もかも美月ちゃんのものになるんや」と言うと、愛子はきっぱりと「お断りします。あの子の母親は私だけです」と強く反発します。

 

 布団の中にいた美月は起きてきます。春夫が「オードリーはどう思う?」と聞くのを見て、愛子は「そんなこと11歳の美月に判断させることじゃないわ」と怒ると、滝乃は「私の気持ちは変わらへんから、二人で話しおうてちょうだい」と話し、美月に「一緒に帰らへん? お布団敷いて待ってるから」と誘います。

 

 美月は枕を持ち出し「お母ちゃまのところへ行く」と言って滝乃の部屋の前まで行きますが、引き返して君江(藤山直美)の部屋に行きます。君江は椿屋を出る支度をしていて、美月に「お別れや。もう二度と会われへん。美月ちゃんを苦しめてんの、うちやねん」と告げると、美月は「幸せって何やの?」と聞き返します。

 

 君江は「みんなに可愛がられて幸せやんか。あんたはそういう星に生まれたんや。人間という者は生まれた時から住む星が決まってんねん」と答えますが、美月は「君ちゃんの言うこと、分からへん。どこにも行ったらあかん」と必死に止めますが、君江は椿屋を出て行こうとします…。

 

 26回。美月と荷物を抱えた君江は椿屋をを出て「続・葉隠仙鋭」の話をしながら夜の京都を歩く。晋八(柴田光)が家の窓越しに二人を見かけます。二人は夜汽車に乗り、君江の故郷・熊本を目指します。君江が映画の話をすると、知らないはずの美月が続きを語り始め、君江は驚き「映画を作ったら売れると思う」と話します。

 

 朝になって、椿屋にも佐々木家にも美月がいないことが分かり、愛子も滝乃も慌てて探し始めます。愛子は撮影所で晋八から美月と君江が夜道を歩いて駅の方に行ったことを知らされます。滝乃は京都府警に捜索願を出そうとする一方、愛子は初めての飛行機で熊本に向かう準備をします。

 

 美月と君江は熊本に着き、君江の故郷・山鹿の方に向けて歩きます。美月は君江から聞いていた君江の幼い頃を思い出しながら“君江物語”を語り始めます。美月の話を聞きながら、君江は昔を懐かしみ、さらに“灯籠踊り”などの思い出を美月に語り掛けます。

 

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☆青春賛歌 目次【1】2022年6月~

☆青春賛歌 目次【2】2023年1月~

☆青春賛歌目次【3】2024年1月~