思い出の抱き締め方
登場人物
・吉瀬 沙織(きせ さおり):♀
祖母を母親代わりに育った女性。大学を卒業後、実家をはなれ一人暮らしをして働いている。
・吉瀬 正志(きせ まさし):♂
沙織の父。温和な性格で、柔軟性にとむ家族思いの父。
・吉瀬 佳代子(きせ かよこ):♀
沙織の祖母。幼くして母をなくした沙織の母として沙織を大切に育てる。
・成瀬 佳奈(なるせ かな):♀
突如沙織の家を訪れた、破天荒な性格の女の子。佳代子とかぶり。
劇中表記
沙織:♀:
正志:♂:
佳代子・佳奈:♀:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~16年前~
沙織:うわぁぁぁぁぁん!おばあちゃん、あたしが欲しいっていったのこのお人形さん
じゃないよー!ずっと楽しみにしていたのにぃ~!!
佳代子:えっ…?ご、ごめんね沙織!誕生日プレゼント、このお人形がよかったんじゃ
なかったっけ?
沙織:ちがうよぉ…。この子のお友達のくまさんのぬいぐるみだよぉ…うわぁぁん!
佳代子:ごめんね、ごめんね!おばあちゃん、こういうのわかんなくって…。
沙織:もういい!おばあちゃん嫌い!ずうっと約束してたのに、おばあちゃん大嫌い!
佳代子:沙織!まって!沙織…ごめんなさいね。
…現在…
SE:目覚まし時計
沙織:ん…、夢…?あれは入学祝いの…。なんで今更…。誕生日が近いから?
はぁ…子供だったなぁ。わかるわけないよね、おばあちゃんに。
流行っていたキャラクターの人形なんて…。
一生懸命さがしてくれたのに。私、結局あのときのこと、おばあちゃんに謝って
いないままなんだなぁ…。どうしてずっと…。もう、今からじゃ…。
沙織M:お母さんが私を産んですぐ他界して、私はずっと祖母に育てられた。
寂しくはなかった。若い祖母はまるで母親のようで、私をとても大切にしてくれて
いたから。いつもそばにいてくれた。そんな祖母も私が就職して上京した数か月後に、
脳の病気で入院した。けれど、私はいまだにお見舞いにいけていない…。
仕事は確かに忙しかったが、会いに行けないほどではなかった。怖かったのだ。
父から伝え聞く祖母が。私の知らない祖母になってしまっていて…。
正志:もしもし、沙織か?こんな朝から電話をよこすなんて珍しいな。
なにかあったのか?
沙織:ううん。今日ね、夢を見てさ。
正志:なんだ?怖い夢でもみて父さんに電話か?
沙織:そんなんじゃないよ。…あのね、おばあちゃんの夢をみたの。
正志:…ああ、おばあちゃんの夢か。それで、どうした?
沙織:うん、今おばあちゃんの具合、どうかなって。
正志:はっきりいって良くないな。今だに俺のことすらわからないみたいだ。
看護師さんがいうには、たまに正気になるらしいんだけど。いつもは俺のことさえ
もうわからないんだよ。
沙織:…そうなんだ。ねぇ、私やっぱりお見舞いにいったほうが…。
正志:でも、怖いんだろう?今までのおばあちゃんじゃなくなってしまったみたいで。
沙織:うん…。冷たい事かな?
正志:そんなことはないよ。お前は自分の中の、お母さん代わりだったおばあちゃんを
大切にしているんだろう?それが知らない人になってしまったようで怖いんだろう?
沙織:…。私のことを他人のように接されたらって思うと、どうしても怖くて…。
正志:気持はよくわかるよ。俺もな、もう息子のことすらわからないおばあちゃんに
会いに行くのはやっぱりつらい。
沙織:そうだよね。でもお父さんにばかり苦労をかけて…
正志:そんなことは無いよ。父さんもほとんど病院の皆に任せてしまっているしね。
大切な存在なのは変わらない。でも、違う人のようになってしまっている。
その姿を見るのは苦しいよ。
沙織:そう…だよね。
正志:お前は仕事もはじめたばかりだし、とても忙しいのだろう。今はこれ以上、つらい
ことを背負うことはないよ。お前は、ずっと大好きだったおばあちゃんの思い出を
大事にしているからこそ会えない。その思いは父さんにはよくわかる。
沙織:お父さん…。ありがとう。お父さんも無理はしないでね。
正志:ああ。…そういえば、看護師さんがいっていた。たまにな。おばあちゃんが
放心状態みたいになるって。脳波とかを検査しても異常はないみたいなんだけど。
沙織:それって…危険じゃないの…!?
正志:いや、嫌な話だが、元々いつなにかあってもおかしくないんだ。けど、どうもそういう
状態になっているときは、むしろ身体は調子はいいらしい。
沙織:…不思議ね。どういうことなんだろう。
正志:それは病院でも調べてくれているみたいなんだが…。まあ、それについてもなにか
わかったら連絡する。沙織、お前も思いつめたり、無理はするんじゃないぞ。
沙織:お父さん…。ありがとう。
正志:ああ、それじゃあな。たまにはうちにも顔をだせよ。
沙織:うん。じゃあね!
正志:うん、また。
沙織:おばあちゃん…。先生は難しいっていっていたけれど、きっと良くなって
くれるよね…?
…
沙織:はぁ…今日は仕事が遅くなっちゃった…。早く帰ってゆっくりしよう…。
それにしても週末は人込みがすごいなぁ…。きゃ!?
佳奈:いったぁ…。ごっめーん!だいじょうぶ!?
沙織:あ、いえ、こちらこそぼーっとしちゃってて。あなたこそだいじょうぶですか?
佳奈:あたしは平気!ほんとごめんね。
沙織:いえ。気にしないで下さい。…あれ?どこかでお会いしたことありましたっけ?
佳奈:え?う~ん、あたしもどこかであなたにあったような…。でも思い出せないなぁ。
沙織:そうですよね。なんだかいきなりごめんなさい。…それじゃあ。
佳奈:あー、待って待って!
沙織:え?どうかしましたか?
佳奈:実はね、あたしちょっと今わけありで、今日泊まるところがないんだ。いきなりで
こんなことお願いするのは申し訳ないんだけど…今日あなたのおうちにお邪魔しても
いいかな…?
沙織:え?そんなこと突然言われても…困ります。
佳奈:そこをなんとか!ね!ほら、お互い知り合いかもしれないしさ。
沙織:だけど…。あの、お名前は?
佳奈:あたしは成瀬佳奈だよ。あなたは?
沙織:私は吉瀬沙織です。…名前に聞き覚えもないし、やっぱり勘違いですね。
佳奈:そっかなー。あたしはどこかで聞いた名前なような?
沙織:とにかくごめんなさい。さすがに知らない人をいきなり泊めるわけには…。
佳奈:そこをなんとか!お願いっ!荷物も大きくって大変なの!
沙織:…でも。
(なんだろう。初めて会う人なのにどこか懐かしいような。不思議と安心するような)
佳奈:おーねーがーい~!なんだかあなたに親近感を感じちゃってさ!
沙織:…私も、初めてあったはずなのに、なんだか懐かしい。…今日だけですよ?
佳奈:いいの!?ほんとに!?ありがとー!じゃ、早速おうち行こ!
沙織:…あ、待って!…あれ、どうしてうちがこっちだってわかるの?
佳奈:え?ああ、勘よ、勘!当たってた?
沙織:うん。びっくりしました。
佳奈:えへへ~、昔っから勘はいいのよあたし。世間知らずで流行りには疎いけどね。
沙織:そうなんですか?おしゃれに見えるけど…。
佳奈:そんなことないよー。あ、敬語とかやめて?気楽にお話しよ!
沙織:え、あ…はい。
佳奈:まだ固い~。じゃ、おうち案内して!
沙織:う、うん。こっちよ佳奈さん。
…
佳奈:おっじゃましま~っす!綺麗な部屋!
沙織:そんなことないよ。散らかっているし。
佳奈:ううん。憧れちゃうな、こういうお部屋。
沙織:そうかなぁ。あ、今飲み物もってくるね!
佳奈:は~い。ありがと!
沙織:はい、どうぞ。…あれ?電話だ。
佳奈:電話?彼氏から!?
沙織:彼氏なんていないよ。お父さんから。
佳奈:ああ、まさ…お父さんね!
沙織:…え?
佳奈:あ、なんでもないって!ほら、はやく電話でないと。
沙織:…う、うん。(今、正志って言いかけた?そんなわけ、ないよね…)
もしもし、お父さん?どうしたの?
正志:沙織か?夜にすまないな。またおばあちゃんが意識が無くなったそうで…。
命に別状はないらしいが…
沙織:え!?おばあちゃんが?うん、わかった、すぐに…。
佳奈:ど、どうしたの!?
沙織:私のおばあちゃん、今調子がよくなくって…意識不明なんだって!
佳奈:え?そうなの…?そんな…。うっ…、ちょっと…トイレに…
沙織:え?だいじょうぶ…?場所は…いっちゃった…。
正志:どうした沙織?聞こえるか?
沙織:うん。ちょっと人が来てて…。それでおばあちゃん、身体のほうは?
正志:それが、心臓はしっかり動いているらしい。だから、すぐに来る必要はない。
ただ、容態が急変するかもしれないから、出る支度だけはしておいて貰っていいか?
…あれ?先生、なにか?はい…はい…。
沙織:お父さん!どうしたの!?おばあちゃんになにか…
正志:いや、急に意識が戻ったらしい。それもしっかりとな。
少し眠りたいって寝たそうだが、脳波も元に戻ったそうだ。
沙織:そう…、良かった。ほんとに良かった。
正志:しかしあんまりにも急だ…。心配だし父さんはもう少し病院にいるから、沙織は
そこにいてくれ。何か必要なものがあれば買ってきてもらう事もあるかもしれない
からね。
沙織:お父さん、お疲れ様…。わかったわ。連絡待ってる。
正志:ああ。けどちゃんと休んでくれよ。先生がいうには随分安定してきたそうだから。
沙織:わかった。でもお父さんは…?
正志:仕事の都合で、今後沙織に色々頼むこともあるかもしれない。そのためにも今は
ゆっくりしていて欲しい。
沙織:お父さん…ありがとう。
正志:ああ、それじゃあ。…あ、そうだ。
沙織:ん?
正志:看護師さんに聞いたんだけどな。おばあちゃん、容態が悪化する前、機械なんて
全然詳しくないのに、看護師さんに頼んでインターネットでなにか探していたそうだ。
沙織:おばあちゃんが?なんで…。
正志:それはわからないが…。まあ、おばあちゃんが自由に使えるお金は全然ないし、
何か気晴らしになっていたなら…。それはいいさ。一応、伝えておこうと思ってな。
それじゃあな。
沙織:おばあちゃん…何をしていたんだろう。…もとのおばあちゃんにきっと戻って、
それも教えてくれるよね?…あれ?佳奈さんはどこに…?
佳奈:う…ん…。
沙織:佳奈さん?こんな廊下で・・・寝てるの?佳奈さん!起きて!
佳奈:え?あ。いっけない!疲れてて、ついつい。てへ。
沙織:廊下で寝ちゃうなんて、随分疲れてるのね。もう休む?
佳奈:う~ん、そうしよっかなぁ…クッションかりていい?
沙織:ベッド使ってくれてもいいけど…。
佳奈:それは悪いなぁ…。あ、それとも一緒にベッドで寝る?
沙織:えええ…。それは…
佳奈:いいじゃ~ん!
沙織:ちょっと遠慮したいかなぁ…。
佳奈:ちぇ~。あ、沙織はお風呂入いらないの?
沙織:入るけど、佳奈さんは?
佳奈:あたし、つかれてるからパスで。
沙織:そっか。じゃあ、先に休んでいてくれていいからね。
佳奈:は~い!
…お風呂場…
沙織:佳奈さん…不思議な人。はじめてあったのに、そんな気がしない。
なんだかなつかしいような…。なんでだろう?
佳奈:おじゃましまーっす!
沙織:きゃああ!佳奈さん!?
佳奈:えへへ~、沙織、背中流してあげる!
沙織:そんな、いいから…。もうあがるから、佳奈さんゆっくり入って!
佳奈:いいから~。ほらほら背中向けて!
沙織:佳奈さん、強引なのね…。はぁ。
佳奈:…大きな背中ね。
沙織:えええ?私、小柄なのに?
佳奈:え、あ、そうだよね~。あはは。人の背中を流すなんて事、普段無いからさ。
沙織:私も、昔おばあちゃんに流してもらった以来。なつかしいな。
佳奈:…おばあちゃんは、幸せね。
沙織:え?
佳奈:電話。眠る前に少し聞こえちゃった。こうして心配してくれるお孫さんがいて。
沙織:でも、私…お見舞いにも全然いけてなくって。
佳奈:けど、とってもおばあちゃんのこと思ってるんだなって伝わった。きっと、
おばあちゃんにも伝わっているよ。
沙織:そうなのかな?でも、言葉にも出来なくて。
佳奈:きっと、思いって伝わると思うんだ。理屈じゃないよ。
沙織:…佳奈さん。ありがとう。
佳奈:さ、流し終わったよ!湯船入って、出たらお酒飲もうよ!あたしの荷物に梅酒
入ってるから!
沙織:ええ!?う、うん…別に、いいけど…。押しが強いなぁ…。
…
佳奈:それじゃあ二人の出会いを祝して~、かんぱ~い!
沙織:乾杯。私梅酒好きなんだ、嬉しいな。
佳奈:だと思った。沙織、むかしっから梅ジュースが好きだったもんね。
沙織:え!?なんで知ってるの…?
佳奈:え、ああ~。なんちゃって!そんな気がしたの!
沙織:そんな気がしたって…ええ~?
佳奈:ささ、いいから飲んで飲んで!
沙織:ちょ、ちょっとちょっと!そんなにつがないで~。
佳奈:ふふ、嬉しいなぁ。
沙織:なにが?
佳奈:こういう飲み。憧れてたんだよね。
沙織:そうなんだ。友達沢山いそうなのに。
佳奈:なんかね。特別な気分なの。さぁ、今日は飲むわよ~!
沙織:佳奈さん、ペースはやすぎ!
佳奈:沙織ももっと飲みなさ~い!
…
SE:電話着信音
沙織:う、ん…。電話…?あ、もう朝!?寝ちゃってたの?もしもし?
正志:沙織か?すぐに病院にきてくれないか!?おばあちゃんの容態がまた急激に悪化
しているんだ!
沙織:え!?そんな…わかった!すぐいくね!
正志:ああ、待っている!それじゃあ、病院で!
沙織:おばあちゃん…。早く出なきゃ!佳奈さん!佳奈さん!? …いない?
いったいどこに?帰ったの?でも荷物がおいたまま…?これは…メモ?
佳奈:(メモ)ちょっと出かけてきます。カギはしめたあと、郵便受けから玄関の中に
いれたからね!ごめんね~。
沙織:…もう!ほんとに自由な人ね…。カギまで勝手につかって!でもとにかく
病院にいかなくっちゃ!
…
正志:沙織…来たか。
沙織:お父さん!おばあちゃんは!?
正志:…。
沙織:お父さん!!答えて!おばあちゃんは…。
正志:(だまって首を横に振る)
沙織:え、そんな…そんな…。
正志:おばあちゃん、がんばったよな。ずっと…。…こっちだ、おいで。
沙織:…おばあちゃん……。うそ、でしょ…?
正志:穏やかな顔をしている。まるで微笑んでいるみたいに。何かいい夢を見ながら
眠っているようだよ。
沙織:やだ…やだやだ!私、おばあちゃんに結局なにも出来なかった!なにひとつ…!
ねぇ、おばあちゃん、目をあけてよぉ!
正志:…沙織。
沙織:なんにも…なんにもしてあげられなかった!私…。なんにも…。
正志:そんなことは無いよ。看護師さんや先生から聞いた。おばあちゃん意識がしっかり
している時は、いっつもお前のことを話していたんだってさ。
沙織:おばあちゃんが?
正志:最高にかわいくて最高に優しい、自慢の孫で自慢の娘だって。
沙織:お父さん…でも私、おばあちゃんの症状がひどくなってからはお見舞いにさえ
行く事が出来なかった…。
正志:きっとそれでいいんだ。おばあちゃんも、お前の事がわからなくなった
自分を、沙織に見せたくはなかったと思う。そういう人だ。
沙織:そうかもしれない…だけど!
正志:いいんだ。もういいんだよ。来ないでいいといった俺の責任でもある。…それより、
色々準備をしないとな。おばあちゃんは、俺と沙織で送ってあげないと。
沙織:うん…。そうだね。
正志:俺はこのまま、病院の人と話をして葬儀の準備もする。沙織は一度家に戻った
あと、実家の方にいってくれるか?色々と必要になるから、俺が連絡したら準備を
していてほしい。喪服とかはまだ用意しなくていいから。
沙織:わかった…。…おばあちゃん、また、後でね…。
…沙織、帰宅…
沙織:おばあちゃん…。…佳奈さんの荷物、どうしよう?こんなことになっちゃって…。
カギもあけたままには出来ないし…、あれ?テーブルに手紙が…。私宛て?
なんだろう…
佳代子:大好きな沙織へ。
これを読んでいるときは、あたしはもうこの世にいないんだね。沙織、あたしは
あなたにとって、良いおばあちゃんでしたか?良い、お母さんでしたか?
最後に会えてよかった。…何をいっているか、わからないかもしれないけど。
あたし、佳奈って名乗って会いにきたんだよ。
命のともしびが尽きる寸前、あたしはなぜか昔の身体に戻り、あなたの元に会いに
行けました。おじいちゃんと、あなたのおかあさんのおかげかもしれません。
意識を無くし倒れたとき、あの二人が笑って迎えてくれた。けれど、まだ
沙織に出来ていないことがあるでしょう、て。そういって、あたしをこの身体
で送り返してくれた。
そうして、あたしは沙織と一日が過ごせた。
沙織が大人になったら、一緒にお酒を飲みたかった。背中を流してあげたかった。
沙織が大人になってからは、あたしがすっかり弱ってしまって、
ずっと出来なかったけれど、やっと出来た。本当に嬉しい。
あたしは人生の最後に、本当にすてきな時間を過ごす事が出来ました。ありがとう。
沙織。立派に成長したあなたは、あたしの一番の誇り。祖母として、母として。
あなたを育てられたこと。一緒に生きてこられたこと。幸せに思います。
それと…7歳の誕生日のこと、覚えている?
あの時プレゼントを間違えてしまって、本当にごめんね。
入院した後、病院の皆に手伝ってもらって、やっと見つけたの。ようやく渡せるわ。
16年、ずっとずっと待たせちゃった。誕生日おめでとう。
佳代子より。
沙織:なに…、これ…?佳奈さんが、おばあちゃんだったなんて…そんなこと…。
でも…。この字は…。あ、荷物!これ…中身…!
これ、あの時の…くまのぬいぐるみ…そんな…。おばあちゃん…!私、私…。
うわぁぁぁぁぁ…!
佳代子:(声のみ)沙織…泣かないで。あたしは、幸せ。笑っているよ。だから…
どうか沙織も、ずっと笑顔でいてね。
沙織:おばあちゃん…。ありがとう……。
…
終わり
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