留学生日記38~秋といえば試験~ | パリと音楽と大学と

パリと音楽と大学と

パリにて声楽、シャンソンを指導。パリの音楽学校在学中より、フランス各地・ヨーロッパで様々なコンサートを経験。フランス国家公認声楽講師資格。アラフィフの物語を振り返るつもりです。


音楽学校は少しずつ、始まっている。事務から書類が届く。
しかし、電話してもろくに相手してくれなかったりして。

学校によっては夏休み前の6月に入学試験があるところもある。
しかしたいていは9月または10月だ。

ある音楽学校の入学試験を待っていたときのことだった。
待てども待てどもなしのつぶてで、私はとっても不安になった。
ほとんど、「直前」である、前日くらいに、試験の時間と場所を書いた手紙が来たのを覚えている。

受験番号もなにもない。
そして行ってみると、これまた


「何時に歌うの?」


書かれた時間は、「集合時刻」みたいなものであった。


歌を歌うには、それなりに心と体の準備が必要なのである。
非常に困惑した。
すっごく困ったのだった。


試験の時間未記入、というのは、このあともついてまわった。
大事な仕事のオーディションでさえ、似たり寄ったりの「集合時間のみ」なのである。

番号もなし、名前のアルファベット順で進んでいくタイプのときには、
いつ呼ばれるか、呼ばれた時にいなかったら、大変なことになるんじゃないか、と思い、
ゆっくりトイレに行くこともできなかった。


でもこのパターン、とっても多い・・・
さすがフランス。