ユーロになってから、何もかもずいぶん値上がりしました。パンも本当に高くなりました。それでいて、いや、それだからか、まずいパンも増えました。フランスに来た頃は、日本にない味だからとにかくどこで買ってもおいしかったけれど、上には上がある、というのか、おいしい味をもとめるようになってしまいます。
いいバゲットまたはパンかどうかを見分けるには?
一晩おく。
二晩おく。
これで、違いがわかります。
つまりは、昔はその場で食べきっていたのだけれど、いまや丸一本買ってきて、全部は食べない状態。翌朝、半分に切ってトーストして食べます。そのときに、もうかたくて切るのも難しいか、ふにゃふにゃの根性無しになっているか、という場合があるのです。余りがたまったら、フレンチトーストにすればよいのですけれどね!
おいしい味を覚えると、他のバゲットはやむを得ない場合しか、買う気がなくなってしまいます。贅沢なこってす。安い、かつ安っぽいパンというのは、たとえば工場からネタの冷蔵が送られてきて、それを店で焼くだけ、というケース。それでもまあまあのチェーン店もあります。逆にその場で作っているはずのパン屋でも、おいしくないことがあります。そういうのは、なんとなく、やきたてでも「薄い」感じがしたり、塩辛いきがしたりして・・・まあ、焼きたて新鮮なうちならおいしく食べられますが。
バゲットは普通の食卓に普通に出てくるたべもの。それが本当に高くなりましたから、味が落ちても安いことそのものが助かるんです。
新しい政府になって、マリーアントワネットの名言が復活したらしいですね。
「パンがないなら、おかし(ブリオッシュ)をたべればいいじゃない」
おかし、と日本語で訳されていますが、ブリオッシュらしい。バターたあっぷりの甘いブリオッシュは、今買っても、高いのです。フランスは、いま一つこの風刺を笑えない状況です。