たべもののおはなし1~クロワッサン | パリと音楽と大学と

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パリにて声楽、シャンソンを指導。パリの音楽学校在学中より、フランス各地・ヨーロッパで様々なコンサートを経験。フランス国家公認声楽講師資格。アラフィフの物語を振り返るつもりです。

15年にわたっても全然超えていない我が舌を頼りにしたオハナシです。


フランスの朝、っていうか、パリの朝ごはん、といえばやはりこれ、クロワッサン、というイメージ。
でもこれ、カフェでの話であって、普通の生活で毎朝食べている人は、召使さんのいるお宅ではなかろうか、なんて思う・・・


クロワッサンというのは、割と高いのです。

今日び、1Eしないクロワッサンを見ると、「あら安いじゃないの」と思うくらい。
パンやカフェ、交通費という「誰にでも必要なもの」は、世の流れに従って、簡単に値が上がっていくものなのです。かといって最低賃金は同様には上がっていかず・・・


来た頃のクロワッサンがいくらしたか、すっかり忘れてしまいました。1Eは6,50フランなので、5フランぐらいだったのでしょうか。5フランかける30日で150フラン。20円で換算すると3000円。
30円で換算すると4500円。
「朝ごはんに3千円はかけられない」というのが、当時の私たちの計算でした。
だからいくらおいしくても、クロワッサンを食べていた朝は、割と少ないといえます。


毎日食べない理由は他にもあり。それは
「毎朝買いに行くのが面倒である」ということ。

あれはパン屋さんで焼き立てを買うからおいしいのです。(もちろん冷めていてもおいしいです)
当時の4階、5階、まして8階に住んでいながら、朝一番に階段を降りてのぼって・・・そんな元気は、関節リウマチでなくたって、ありませんでした。


だから、近所においしいクロワッサンを買いに行くときは、たとえば日曜の朝、寝坊をしてから。
豪華な味だったのです・・・