留学生日記9~ある晴れた日にイタタタタ~ | パリと音楽と大学と

パリと音楽と大学と

パリにて声楽、シャンソンを指導。パリの音楽学校在学中より、フランス各地・ヨーロッパで様々なコンサートを経験。フランス国家公認声楽講師資格。アラフィフの物語を振り返るつもりです。

暗いまま、ソルボンヌの勉強は進みます。宿題や書くほうはなんとかなっていても、学校でこれと思う友達ができないと、つまらないのも当たりまえ。おしゃべりを楽しむ、ということを知っていたらよかったのに、当時の私はそういうことができませんでした。(仏語も英語もしゃべれないから、でもあるけれど。)お国訛りの仏語を必死に聞きとろうとするだけで、疲れます。「ここにはフランス人はいない」ということに、なかなか気がつかなかったのかもしれません。


さて、3ヶ月間続くこの「夏期講座」にも、夏休みなんてあったりします。試験もあったりします。

ある日「次回は、書き取りの試験です」と予告されました。


私は、「書いて勉強する」癖がありました。もちろん、手紙だってなんだって、ずっと「書くこと」が大好きでした。今はパソコン、日本にいた頃はワープロ。論文を書いたときは、まず、気になった箇所を写し、よく理解できないときは、さらに何度も書く、ということをしていました。

もちろん、パリでもそうしていました。口に出しても発音に自信がもてないのは、それに拍車をかけたのかもしれません。


書き取り試験に向けて、書いて勉強をしていたら、急に右手が痛くなってきました。

字が書けないほどの痛みです。


これでは勉強に差し支える、と、左手で書くのを試しました。利き手ではないので、ひどい字です。練習すればつかいものになるんじゃない?と思ってやり始めましたが、それもつかの間・・・・



左手までも、痛くなってきました。




日本でも、たくさん書いていたために手が痛くなったことはあります。こういうのが、腱鞘炎かなあ?と、だましだまし、やってきました。だから、このときもそういう現状かと思いました。


でも、両方痛い!?予習ができない。




手が痛いまま、「書き取り」試験の日が来ました。

先生に、「手が痛くて書けない」と、なんとか伝えました。

読み上げられる文章、大体は書けるはずなのに、手が痛くて書けないなんて、情けない・・・・



教室で、涙がこぼれてしまいました。