留学生日記10~ワンルームの恐怖~ | パリと音楽と大学と

パリと音楽と大学と

パリにて声楽、シャンソンを指導。パリの音楽学校在学中より、フランス各地・ヨーロッパで様々なコンサートを経験。フランス国家公認声楽講師資格。アラフィフの物語を振り返るつもりです。

ワンルームでの生活が始まった。ドアを開けると、部屋が丸見え、という、本当に「部屋いっこ」なのだ。


日本でお邪魔したことのあるワンルームというのは、玄関があり、台所があり、横にバスルームがあり、とにかく、メインの部屋はその先にあってドアもあり、丸見えではなかった記憶がある。


が・・・私の入ったステュディオは、ドアをあけたら丸見え。

仮住まいなので、物も多く、

ベッドもカンタンに移動できない。

眠っていても落ちつかない。


この頃の心配ごとは(数多かったと思うが)


「目が覚めて、日本にいたらどうしよう」


というものだった。



そんなある夜、このドアから、少し知っている日本人が入り込んできた、という夢を見た。

鍵はちゃんとふたつかけてあるというのに・・・

ホテルのような、ドアが全開しないための鎖もあるというのに。

目が覚めても、ますます落ち着かない。

外の物音は、ドアを閉めていたって入ってくるので仕方ないというのに・・・


ジョニー・デップが入ってくる夢ならまだしも・・・(当時は知りませんでしたが)



念願のひとりぐらしではあったが、毎日が緊張していたらしい。




ある日、クロワッサンを買った。毎朝パン屋で買うと、これは実は高くつくのだ。

馬鹿でかい袋に、20個くらい入っているのをスーパーで見つけ、

これはお買い得、と喜んで数日それを食べていた。


ところが、がたかっているのに気がついた。(4階なのに)

ありが、クロワッサンに群がっていた。

ああ~しまった・・・


と思ってよく見たら、アリたちが、死んでいる。

クロワッサンにたかって・・・死ぬ??



一体、何が入ってるんだ、このクロワッサン!


全部捨てました。