これは「仮住まい」の前だったかあとだったか・・・
当時16区(シック!)に住んでいた友人が、旅行のため1週間留守にする、という。
じゃあ、ちょっと彼女のとこにも住んでみようかな、と、留守の間、お邪魔することに。
そこへ遊びに行ってみたことはあったが、そこはそれ、
仮住まいのワンルームは3ヶ月したら出るのだから、
「本住まい」を決める前に、いろいろなタイプのアパートを見ておいたほうがいいでしょう。
住んで体験ができるなんて、願ってもいないこと。
(これから来る人にはお勧めします)
彼女のところも、ワンルーム。フランス語ではstuioステュディオと呼びます。
(スタジオじゃないの)
たしかにせまくて・・・ベッドとテーブルで、部屋はいっぱい。
でも台所が区切られている。おっと、キッチンといいましょう。
ここもシャワーしかないけれど、トイレと一緒のその部屋はなぜか広めで、
洗濯物が余裕で干せる広さ。???
人が一人寝られそう。
メトロからよっと歩くけど、ふつうの「ちょっと」だし、環境もよい。
買い物は、直ぐに小さな店もあったし、
少し歩けばスーパーがある。
窓からの風景も、うらが珍しく空き地で、いい眺め。
(でも実は16区、パリの端っこには、けっこうあったりする)
よし。とがんばって住み始めましたが・・・
ええ、ここは眺めのいい部屋。
ここは7階。
日本で言うところの8階。
エレベーターも、エスカレーターもありません。
パリでは普通のことらしい・・・
パリってのは石の古い建物が多い。
中世からの建物もある。400年もの、500年もの。
「築30年」は「あら、できたばかりなのね」という世界。
だから、100年以上たっているアパートは、ざらにある。
100年前にはエレベーターは発明されていたと思うが、
それを取り付けるつもりのないアパートは、今でもある。
それは、つけるところがないから。
古いアパートのエレベーターというのは、
螺旋階段の中心のあたりを削り取って作りつけられるのです。
螺旋階段が豪華なアパートなら、実質的に可能性はありますが、
一見きれいでも、螺旋階段の幅の狭いアパートも少なくありません。
だからエレベーターがあったとしても、
二人も入ったらぎゅうづめ、なんてこともよくある。
見知らぬ人とただふたり・・・には、あんまりなりたくない。
この経験を大いに生かし、そのあと現在は、おもに、眺めの?な、
日本でいう一階に長く住んでいます。