はて?コンプライアンスは?(虎に翼#11) | 還暦フリーランサーのおしゃべり処

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元競馬専門紙記者/旧ブログ~「オヤジの競馬倶楽部」~
(ヘイトスピーチはご勘弁)

 

  ネタバレ通り?

 

 『虎に翼』ですけどね。

 こちらの回(虎に翼#10)で↓

 

 

 〝今後の流れ〟についてもちょっと触れましたが、おおよそ想定通り、と言いますか、ある意味、壮大なネタバレみないになってましたかねえ。

 

 なので今週は、主人公に起こるはずのパラダイムシフトを、より劇的に、かつ感動的にするべく、「まず徹底的にどん底に落とした後に、これ以上なく持ち上げる」という手法を取るのだとは思ってました。まあ「落として上げる」は、ひとつのパターンなんでしょうけど、そんなに気持ちのいいもんじゃない。

 

 ですので「落として上げる」を用いる場合、従来だと「脇役」のせいにしたり、「社会的な情勢による不可抗力」などに主な原因を設定し、主人公の美徳を守っていたように思います。ところが本作では、ストレートに〝主人公の人格〟を「落とす」要因に持ってきた。

 もちろんピカレスクノベルではなく、朝ドラの主人公ですから、必ず回収されることは観る方だってわかっています。でも一定期間、小手先の手法で嫌な気分になっても、上っ面の回収劇でカタルシスを得られるだろう、などと制作陣が思ってるとしたら、視聴者を侮り過ぎじゃないですかね。

 

 それで楽しめるなら、それはそれで結構なんです。私とは楽しみ方が違うんだな、というだけでして……。

 

 

  一線を超えましたか

 

 それでも、やっぱりそれを主人公にやったことのツケは回ってきますわな。

 とりあえず、「史上最低レベル」くらいにヒロインを描いてしまっては、今週末で演じられた回収方法がハチャメチャになるのも無理はない。「家族会議」に始まって、先輩達による「異常なまでの主役アゲ」をこれでもかと観せられては、もはや言うべきことは何もない……くらいに思ってしまう。

 

 ただ、それだけでは済まない、と思ったのが今日の第75回。

 

 昔なじみの記者に向かって、自分に焦点を当てた記事の内容を具体的に指示してました。思い上がっていた、すなわち傲慢だった自分が「生まれ変わる」と彼に宣言するのもどうかと思うのに、ジャーナリストに向かって「面白くなるからこう書け」って、一体何を反省しての「生まれ変わり」宣言なんでしょうか。

 

 いや、それよりなにより、弁護士がやっかいな事件を扱ったりした時などに、世論を味方につけるべく、メディアを利用するケースはあるかと思います。が、それでも一線は超えない。

 一方、言うまでもなく『虎に翼』の主人公は判事つまり公平なジャッジが求められる側の人。リーガルドラマとして高評価を得ていたと記憶しますが、ここにきてコンプライアンス的にどうなのか、という話になるとは……。

 

 そういう作品だ、ということになりますか?

 

  小橋もイイ奴でしたから

 

 とりあえず来週は「なるほど」の彼が再登場。最初はシラッとさせておいて、なにかをキッカケに主人公に寄り添うことになるんでしょう(これもネタバレになる?知らんけど)。

 

 ま、その前に━

 例の記者は高橋努さん。この流れなら、彼は最後まで登場することになるんでしょうし、ずっとクセのある記者さんをやってほしいですわ。

 あと、今になって書くのは反則かもしれませんが、私は轟ほどではないにしても、小橋もイイ奴認定しておりましたので、しばらく出なくなりそうなのが残念で……。

 

 だって、彼は大学時代から主人公に積極的に絡み、職場の同僚になってからも、ずっと見守り続けてたような役回り。ある意味では、「自分の手に負える女じゃないけど」という注釈付きで、淡い想い、みたいなものを抱いていないか?くらいに思っていたもので。しかも、主人公の妄想の中にまで登場するのに嫌われ役ってのが不憫で……。それを彼(名村辰さん)は妙な演技では見せなかった……。

 あぁ、こういう役者さんに惹かれるのが、芝居の沼にハマる要因なんだろなあ……(わかってるけどさ)。

 

 というわけで視聴を続けます。あしからず。

 

 

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