本格的に怪しく……?(虎に翼#10) | 還暦フリーランサーのおしゃべり処

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元競馬専門紙記者/旧ブログ~「オヤジの競馬倶楽部」~
(ヘイトスピーチはご勘弁)

 

  主人公のキャラ

 手短に『虎に翼』第69回の終盤に主人公が口にした言葉について。

 

 あれが「正しいか正しくないか」の話ではない。心理学的側面からの「(法律の道での父)親殺し」なんて話でもない。

 

 両親も自分も多大なお世話になった恩師が、体調が優れず、余命いくばくもないことを自覚したうえで、表舞台から去ろうとしている。その記念パーティーの席を、私憤を理由に頭のネジが外れたような形相で喚き散らして台無しにする主人公。

 このパーソナリティーに同調できるかどうか、という話。

 

 リーガルドラマの体を取り、〝人権〟と〝女性差別〟をテーマ風に掲げておきながら、その両方に絶対不可欠な〝思いやり〟を主人公が持ち合わせていない、ように感じられる。

 

 主人公が家庭裁判所の所長になる、という設定は、最初から破綻してるのではないだろうか、という話。

 

  ネット上の〝ツリ(釣り)〟?

 

 「反論を受け付けないドラマ」などと何度か書いたことがありますが、「#虎に翼反省会」があることを先々週あたりに知りました。今日はさすがに凄い荒れ方をしていたみたいです。

 

 でも、今日の回は、ネット上でしばしば目にする〝ツリ〟じゃないでしょうか。何かをキッカケに思いっ切り後悔、反省し、落ち込む主人公を、「なるほど」の彼が癒しつつ目を覚まさせ、生き直すことを決意させる。

 

 最低だった自分ですら生き直せるのだから、きっと罪を犯した子供たちも生き直せるはず、みたいなパラダイムシフトが起きて初めて成長し、家裁の裁判官、そして所長になる、というような流れになるんじゃないですかね。

 

 でもね、そうなったとしても、メデタシメデタシとはいかないでしょう。

 

 ツリを使う、ってのは両刃の剣。

 前の日の話を翌日うまく回収できても、一度でもヒロインにあのセリフを吐かせ、あそこまで愚劣で不快な態度を取らせたら、その印象はあとあとまで残りますよ。

 主演女優のハマリ過ぎた演技とともに、そういう(小賢しい)手法を用いる脚本家だ、ということまで含めて。

 

  声を上げる意義

 

 前日だかの主人公のセリフにありましたね。

 「おかしいと声を上げた人の声は決して消えない。その声がいつか誰かの力になる」

 みないなの。

 

 発せられたシチュエーション自体は「はて?」でしたが、中身には唸らされる。

 そう考えると、本当に一日一日、主人公の言動がブレまくる脚本と演出。大丈夫か?と言いたくなるくらい。

 

 今のドラマの撮影手順がどうなってるのか、見当もつきませんけどねえ。もしかして前半終了時点でBK局の主力が引き上げた、とかある?

 よねと轟の出番が激減したし……。

 

 ともあれ、「おかしい」と上げる声を、封殺するマネだけはしたくないですわな。

 

 

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