久しぶりに競馬本の話です。
まずは気軽な読み物から。
私が紹介する本としては珍しいジャンル、と言っていいでしょう。タイトルは『馬券裁判』ですが、いわゆる〝馬券本〟の一種です。
もう7年ほど前になりますが、大阪の会社員が3年間で約1億5000万円を馬券で儲け、その所得を申告しなかったことで起訴され、刑事裁判にかけられた、という事件がありました。
焦点は購入したすべての馬券が経費として認められるか否か、で、最高裁まで争われた結果、最終的に経費として認められます。
その経緯と、いかに収益を上げたのか、というノウハウらしきことを紹介する内容になってます。
上に書きました通り、馬券本を紹介するのは滅多にありません。どうすれば儲かるか、といった類の話にあまり興味がないからですが、この本の内容はちょっとユニークなのです。
何がって、馬券本なのに、新聞の馬柱の類は載っていませんし、そもそも馬名も出てきません。馬券以外の競馬に関する用語では、〝シルク〟くらいしか出てこないのです。
要するに、著者は本当に競馬を投資として捉えているのでしょう。ですから逆に、投資の方の専門家の皆さんには、考え方として目新しい材料はひとつもない、のかもしれません。
しかし、いずれにせよ他の馬券本とは一線を画していることは確かです。勝負事のセオリーとして、あまりにも当たり前なことが書かれていて、拍子抜けするかもしれませんが、目からウロコだったりするかも?
そして気軽とは正反対のこちら。いよいよ大きな壁、に挑まなくてはならなくなりました。
『文明開化に馬券は舞う』(著者:立川健治)
2009年度の馬事文化賞受賞作品です。
立川先生には競馬ブック在職中からいろいろとお世話になってまして、ここにきていよいよ読んでおかねばならない雰囲気になってきたもんですから。
ついに立川ワールドに足を踏み入れることになりました。
何しろ758ページの大作。
少しずつ少しずつ、にならざるを得ないのですが、頑張りますです。
(明日のスプリングS、阪神大賞典は買ってみたいですね)