GCM郡山に行ってきました その1 | 正直、スマンカッタ!

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フリーランスライターSATOの仕事&プラペの記録。

 原発事故以降、ガイガーカウンターなどの放射線測定器を所有する人が増加した。放射線測定器は機種によって誤差が大きく、測定方法にもコツがある。事故直後、それを知らない素人が放射線測定器をブンブン振り回し(誇張表現)、誤測定で高く出た数値を見て「政府は嘘をついている」などと陰謀論に走るケースが見受けられた(残念ながら1年数ヶ月が経った今も少なからず存在しているが…)。

 そこで、正しい操作方法を学ぶべく、昨年6月に東京で第一回目のGCMが開催された。詳しい内容は公式サイトhttp://g-c-m.org/にあるが、測定器の使い方ばかりではなく、放射線の基礎知識(妥当な線で)を学ぶ場が設けられ好評を博した。

 第二回目は福島で、ということで、7月15日(日)、16日(月)の両日、福島県福島市と郡山市で「ガイガーカウンターミーティング(GCM)」が開かれた。今回の公式サイトはこちらhttp://gcm-gcm.blogspot.jp/ 

 福島という事故の影響をモロに受けた場所柄、測定機器の使い方を学ぶと言うよりは、「事故後の福島での生き方を見つける」という色合いが強いプログラムとなっている。公式サイトに福島開催を意味づけるウンチクが見当たらないが、たぶん、“福島で生きるために”という視点が肝になっているのは間違いないと思う。

 実際、メインとなる講演・シンポジウムでは、福島で受ける放射線の現状はどうなのか。どう放射線を付き合って行くか。生産者の取り組みは?――といった内容の話を東大の早野教授、KEKの野尻美保子教授、農林水産省の原田氏、そして地元の生産者たちが、それぞれの立場から前向きな意見を述べていった。早野教授は「ここはチェルノブイリではない。福島のデータをしっかり見よう」(http://www.slideshare.net/RyuHayano/gcm-2012716)と断言した上で講演をし、福島で生きる人たちに勇気を与えてくれた。

 もちろん、前回のように放射線測定器の使い方を学ぶべく、ワークショップや自作ガイガーカウンターの展示なども並行して行われた。また、菊地誠大阪大教授やSF作家の野尻抱介氏らが「福島の人と対話する」というコミュニケーションの場も用意されるなど、盛りだくさんの内容となった。

 で、俺も郡山会場に参加してきた。

$正直、スマンカッタ!
 本当は行くつもりはなかった。福島出身ではあるが、東京在住の俺は、現地とは遠い位置にいる。福島で生きる人のイベントである以上、自分がそこに顔を出すのはおこがましいのではないか、と躊躇していた。

 しかし、ツイッター上での福島県民の熱に心を動かされてしまった。
 GCM福島の講師陣は主にツイッターを通して、ニュートラルな立ち位置で情報発信してきた人たちである。ご存知の通り、ツイッターはドラマチックな情報が拡散されやすいメディアであり、おのずと危険情報が目立つ格好になる。それに心を痛めている多くの福島県民が、GCMを通して反撃の狼煙を上げようとしている。魔界都市フクシマではなく、本当の、普通の福島を発信しようとしている。

 そのエネルギーをじかに味わいたかった。もちろん、故郷の未来を知るためにも講師陣の話に耳を傾けたかったが、それ以上にGCMの場にいることが、福島出身者として“できること”を探すいいきっかけになるのではないかと思ったというのもある。また、講師陣・参加者の多くとは、ツイッター上で何らかの形で交流を持っている人も多かったので、みんなに会いたいというノリもあったのも事実だ。

 さぁ、当日のルポをするつもりが、前フリだけで延々と書き込んでしまった(笑) 残りは後日! まずは放射線測定器のワークショップから書きます。