会場となった「ミューカルがくと館」は、開成山公園の一角にある。ちょうど甲子園の県予選の真っ只中で、地元郡山勢が登場することもあり、敷地内の開成山球場周辺は多くの人で賑わっていた。次の試合を待つ高校球児と父兄が、この夏一番の35度の日差しに、しかめっ面をしている。スタンドから聞こえてくる応援団の勇ましい声と太鼓の音を聞く限り、まだまだ前の試合は長引きそうだ。
陸上競技場のサブグラウンドに目を移すと、数名の女子高校生たちが軽やかな足取りでランニングをしていた。最近の若い子は数多が小さくて手足が長い。ずんぐりむっくりの自分の時代とは結構な格差が付いたもんだ。
GCMの会場に入るのは早すぎたので、さらに周辺を歩いてみる。ちょっとした広場では、3組ほどの親子がキャッチボールを楽しんでいた。中学生くらいの子供は、30～40mくらい離れての遠投を楽々とこなしている。いずれは隣の開成山球場のグラウンドに立つつもりなのだろう。ふと歩道を見ると、ベビーカーに赤ちゃんを乗せた女性二人組がにこやかに談笑しながら散歩している。
多くの郡山市民は、部屋に閉じこもりきりになり、何かに怯えて暮らしているのではない。普通の郡山を普通に過ごしている。もちろん、不安がないというわけでない。しかし、自分の不幸を誰かのせいにして攻撃を繰り返すのではなく、前を向いて歩いていこうとしているのである。
いつもの夏を、いつものように。
そういう風に生きるには、今の郡山ではちょっとした知識が拠り所となる。放射線量は確かに常時とは異なる。たまたま開成山公園内で見かけたモニタリングポスト（MP）の値は0.45μSv/ｈを指していた。数値の受け止め方は人それぞれだろうが、知識があるから郡山の人たちは不安がらずにやっていくことができているのである。福島県民は情報から隔離されているのではない。一番先を、誰にも追いつけないペースで突っ走っている。福島とその他の格差が大きいから、色々な面倒くさい問題が発生してしまうのかもしれない。
さて、またもや前置きが長くなったが、GCMである（汗）
開場の1時間前に到着してしまい、途方に暮れいていたが、入口でツイッター仲間で会津坂下町在住のロフグレンさんに会ったので、一緒にコンビニに涼みに行くことにした。ちなみに、もらった整理券の番号は6番。1時間前でもわりと人が来てるんだな。
涼みがてらに昼食をと、郡山のファミリーマートの飲食コーナーで酪王カフェオレとサンドイッチをかっこむ。酪カフェは福島県民のソウル牛乳である。ツイッター上でも「＃福島酪王カフェオレ会」というタグで盛り上がりを見せており、都内各所での販売が開始されている。でも、個人的にはべこ乳の方が（ｒｙ
コンビニの牛乳コーナーを見てロフさんが「これ（酪王カフェオレが大量に並んでいる）が当たり前なんだけどな～」と言っていたが、さすがに東京でもそこまではいっていません（笑）ただ、先の酪カフェ会は同じような状況を目指して普及に励んでいるという。いや、あの勢いならやっちまうかもしれないが、酪王クラスの企業で生産追いつくのだろうかｗ
で、GCMである（二度目）。
コンビニから会場に戻ると途中で、今日の主役である東大早野教授がGCMの風景を写真に収めていた。角度をつけて取りたいのか、ほぼ地べたに寝そべっている状態だった。スタッフも笑いながら早野教授と談笑している。
あと30分強で講演までというのにマイペースだな～（笑） 昨日の福島会場では猫耳つけて講演した（しようとしたか）あおうｎ。講演会場では開始前に「携帯電話はマナーモードにしてネコミミはしまってください」というアナウンスが流れたようである。二日間ともに雰囲気の良い、リラックスしたイベントとなったという感想があちこちから聞こえてきたが、講師陣がいい意味で脱力しているのが、GCMのほんわかした空気感を作る要因となったのだろう。
受付を済ますと、早野教授の講演会場に入る。ただ、後日、USTで中継するという話を知っていたのと、前日の講演の様子をダイジェストで見ていたので、後でPCでチェックすればいいかなぁ、という考えが沸いてきた。同行していたロフさんが放射線測定器のワークショップに出席してから早野教授の講演を見る腹積もりだったので、結局、俺も便乗することにした。
ワークショップは30分で終わるというから、講演も見られないわけじゃないからな・・・。と思ったのが運の尽き。そこから、とんとメイン会場と縁のないGCM裏街道人生が始まるのであった・・ で、一向にGCMの本番が始まらずにすいません（汗