新居宮池は今
ウォーキングコース(標高73m)から見る宮池(直線距離0.9km)。
ウォーキングコースから見る宮池のズーム景。
宮池の西側2景。
宮池のパノラマ景。
Akijii-blog巻頭言Repeat-138 Orignal掲載日:Vol.262 (2014.06.10)
こわい先輩。
2001年、「あかね空」で第126回直木賞を受賞した山本 一力(いちりき)氏は、高校卒業後に就職してから転職を十数回重ね、個々の職場で出会った先輩は、転職数の数倍でそれらの先輩諸兄から授かった教えや戒めが、いまになって利いているという。
旅行会社勤務時代、団体旅行の応援添乗に何度も駆り出されたが、そこでひとりの恐い先輩に出会った。
「明朝は、七時三十七分にお集まりください」「バスには、十時十三分までにお戻りください」「ロビー集合は午前八時四十六分です」その先輩は、集合を必ず中途半端な時刻に定めた。「丸いジャストタイムはだめだ」が持論で、「丸い時刻だと、一分や二分、遅刻しても平気だと思うだろうが、半端な時刻はもうあとがない、遅れたら置いて行かれると注意深くなる」と、山本氏もその教えに従ったが、見事に時間までに顔が揃った。
この先輩が、札幌雪まつりツアーの主任添乗員に就いた時、山本氏は志願して、応援添乗員に加えてもらった。
初めての雪まつりだった。参加客は、見学が楽しみで予備知識をしっかり仕入れている。
山本氏は、「○○像はどこの会場なの?」と問われても答えられなかった。客は不満顔を残して、山本氏から離れた。
「山本、ここへこいっ」先輩の目が吊り上り、「コートを脱いで、この辺を忙しそうに走ってろ」とこっぴどく怒鳴られた。先輩は、雪のなかをコートも着ずに走っていれば、参加客は「仕事熱心で感心だ」と、未熟な添乗員を受け入れてくれる。「知恵がなければ汗を流せ」を体現しろと命令された。
その先輩は山本氏だけにさせたわけではなく、自分もコートを脱いだ。まことに原始的な手法である。
しかし添乗員という職務において、必須の心構えだったと、今は分かると山本氏はいう。
「事故を起こしたら、責任を取ろうにも取り切れない」添乗中、同室の先輩は何度もそれを口にした。
すぐに理解できなかった山本氏は、客のいない所で、張り倒されたりもした。
今思うと愚かにも、こんな口うるさい先輩だったかと、その人から遠ざかった。その後、職業を幾つも変え、セールスも広告制作も担当し、多くの先輩に出会い、厳しく叱られた。が、職種は異なって、こわい先輩はことごとくその道のプロだった。そして言われたことは、「責任は取り切れない」のひとつに集約できると山本氏は言う。
「責任を取って辞職します」近年、取材陣の前で頭を下げる経営者や責任者を何度見た。
辞めてすむか。あんたは、なんちゃあ責任をとっちゃあせんぜよ。と、山本氏は土佐弁で怒る。
雪まつりの夜、先輩が口にした通り、責任を負うということは、事故を未然に防ぐために汗を流すことだ。
事故が生じたから、生じさせたからといって辞めても、すでに人を巻き添えにしている。
こんな簡単な理屈が、今の時代に通用し難いのは、組織の中に、こわい先輩がいないからだろう。
嫌われるのを承知で、雪の中をコートなしで走れと命じた先輩。
責任を取りますと云う時は、すでに責任が取り切れない局面を迎えていると戒めた先輩。
いるはずだ、いまでも。いまこそ、その怒鳴り声が必要な時じゃなかろうか…と山本一力氏。
貴方にはこのような先輩が身近にいますか。貴方はこのようなこわい先輩ですか。
<高く広がる空間>
ウォーキングコースから見る高松クレーター5座の上空。
上記のズーム景。
ウォーキングコースから見る城山の上空。
ウォーキングコースから見る猪尻山の上空。
A seasonal flower
◇見頃を迎えた如意輪寺のヤブツバキ(ヒゴツバキ)
◇如意輪寺の猫柳(ネコヤナギ)
◇如意輪寺の近くのsi宅の咲くハクモクレン
◇新居宮池の遊歩道に咲くツルニチニチソウ(蔓日々草)
◇ウォーキングコース脇のyd宅の畑のラッパスイセンとムスカリ
<akijii展-(584)>
今報は、4.女王アナとアレンデール城
(所要時間330M=5.5H)<線画>130M<面画>200M
引き続き、Vol.1026-2/3をご覧ください。