鳥の会議 | ミタクエオヤシン

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ミタクエ・オヤシンとはネイティブ・アメリカン、ラコタ族の言葉で「私に繋がる全てのもの」という意味です。
だから、みんなつながっていこうね!

日々日常、非日常、音楽、映画、宇宙、スピリチュアル・・・などを綴ります。



SUFI



あるところにフーボーという鳥がいました。

ある日フーボーは、全世界の鳥たちに向かって、これから会議を行うので集まるようにと呼びかけました。
全世界の鳥たちは一ヵ所に集まって、フーボーの話を熱心に聞きました。

フーボーは次のように呼びかけました。 

「私たち鳥には、サイムルグという名前の神様がいる。
サイムルグは幻の国の宮殿の中で生活している。
これからサイムルグに会いに行こう」


しかし、遠く離れているサイムルグの宮殿に行くには、長く、危険な厳しい旅になることは目に見えており、命の危険も覚悟せねばなりません。
そこでフーボーは「サイムルグに一回でも会えば、私たちは覚醒し、本当の生きる目的を見つけ、幸福になれる」と語りかけました。

鳥たちは顔を見合わせ、相談しあいました。
神様には会いたいけれど、危険な旅であり、躊躇しているのです。
するとフーボーは、「行きたくないのなら、行かなくていい。
しかし行きたくない理由をみんなの前で言いなさい」と言いました。

鳥の中でももっとも美しい声を出し、人間を喜ばすことで有名なナイチン・ゲール(ウグイス)は、「私は本当に行きたいのです。だけど、長い旅の中で声が枯れれば人間を喜ばすことができません。私の使命を果たせないんです」と言いました。
それに対してフーボーは、「ああそうか。それならやめて結構だ」と答えました。

他の鳥たちも、次々と前に出てきて、行きたくない、いや行けないと、理由を説明しはじめました。
結局、集まった鳥たちの中で、行くことを決意したのは数百羽にすぎませんでした。
それから七年にわたる、彼らのつらく苦しい旅が始まりました。
そのうちの三分の一の鳥たちは、その途中の危険な冒険の中で脱落していきました。


サイムルグの宮殿にたどり着いたときには、もう三十七羽しか残っていませんでした。
到着した鳥たちも疲れ果て、羽根は落ち、貧弱になって、ボロボロでした。
限界の中でようやくたどり着いた鳥たちは、宮殿の責任者に案内されて、サイムルグの部屋に通されました。
その部屋には大きなカーテンがあり、その向こうでサイムルグが待っていると言われました。
三十七羽の鳥たちは気を取り直して、期待に胸をふくらませました。

長いあいだ待たされました。

どのくらいたったのでしょう。
ようやく「今からサイムルグとの対面ができますよ」と言われました。
 

カーテンの幕がゆっくりと上がっていきます。

しかしそこには、誰もいませんでした。

「どうなっているんだ!」「七年間ボロボロになるまで飛び続けて、危険な目にあって、いろんな体験をして、やっとのことでここまで来たのに、誰もいないじゃないか!」

鳥たちは騒然となりました。

皆はフーボーに向かって言いました。
「サイムルグはいったいどこにいらっしゃるんですか?!」


それに対してフーボーは、静かな口調で「じつは君たちに言わなければならないことがあるんだ」と言いました。

みな、フーボーの次の言葉を待っています。


フーボーは言いました。
「サイムルグとは、じつは三十七羽の鳥のことなんだよ」
それを聞いた鳥たちは、自分たちの数を数えました。

そのとたんに、彼らは悟りを開きました。


「ああ、俺たちがサイムルグなんだ」と気づいたのです。




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ファラド-ウディン-アタールという、スーフィー教の指導者で詩人が著した『鳥の会議』(Conference of the Birds)という寓話でした。

実はこれ、あのエハンさんのブログに書いてあった話なんですが、あまりにもいい話だったので以前mixiで紹介させてもらいました。
 そしてなぜか急に思い出し、シェアしたくなりました。
内容的にも今が旬ではないかなと。
ちょっとスーフィー・モードが久々に来てるのかなぁ(笑)

というわけで、旋回舞踏をどうぞ♪



それと、 ぼくのフェイバリットなメルジャン・デデもシェアしたくなりました!
5,6年前かな、渋谷BUNKAMURAのシアターコクーンで生も観ました♪