からし菜まつり

四季折々 変革する角度 
川土手の今昔に慄然たってからし菜

アクリル板に押し花と挟まれた強味
熟成のブランデー樽に上澄で答える
葡萄畑を荒らすことはなかった
オリーブ油に浸されても食味をまして土手に棲んだ
見終わった桜桃を愛唱
ドンドンと押水だ春歌
ソメイヨシノの下に群生として時節を織り込む
紫外線を体内で濾過もできる
音波に舞う見事さは失せようと時の雨
春にドンドンと謂わしめる

毎月 季節に圧縮される土手ドラマ
一つ檜舞台へ痛みを蹴って からし菜まつり








 




よすみに鉄瓶

竹藪に名を伐られた土蔵は黒白 
赤土を塗られた壁を被り
質実剛健は銀の太刀に存ずる
座を外し円を共有 四角に一歩二歩
足取りは並 足跡は浅く濃厚
湯ざめて青光る鉄瓶

竹炭を振りかけ千鳥足
竹繊維に馴染んだ航海は時の底に羞じらう
真空の座を見定めノーブル閃光
貴賤なし電流に畏敬の念 
球形荒野に鉄瓶であろう

一休み ひっそり缶けり
木霊は心音  もういいかい 
二筋 三筋 進路は未未

定石は澱んで盤上に白黒
重厚な大理石を配して四角
反転しない屈強さを鋭く
河原で丸石と転がる日々 片隅へ

























   ミモザ露地

春を廻ろうと巡礼の鐘にミモザ
まばらな不整脈 まばらにハート
菜の花畑で粉薬を待っている時間
粉雪をオシロイにして色眼鏡から逃れたい
春霞に自らを晒してボヤかした

ミモザとミモザ 互いに反射
突如発展した脳内幽霊に泣きべそ
ミモザ色の疎さ加減は空気感  
戦争に何色と唄う窓口少女 
文芸 絵画に封印された裏腹
グローランプはピカピカ
ほんわかに点灯した蛍光灯
その彩はミモザ色 すんなり居眠り

今宵の色合いは占領から解放
七色濃淡から清水にミモザ色
天上の月色に微笑み返し
露地から路地へ更新手続き
黄色ラッパを鳴らしてミモザ