止めたはずなのに引き落とされてしまった保険料500万円はお客様に戻せるのか。
私はすぐに、会社に帰り、関係者に事情を話しました。
事務の女性とマネージャーに相談し、本部にも問い合わせをしてもらいましたが、回答は「できない」とのこと。
前例がないという理由で。
私は、保険料を戻さなくてはならない道理が明確にあると確信していました。
それは、
1.保険料の支払いと止めるというお客様の意向は、事前に取り付けた書類で客観的に確認できること。
2.止めたいという理由が税制変更というお客様にとって大きなデメリットであったこと。
この2点です。
しかし、「一度引き落としされた保険料は返金できない」との回答でした。
もしかしたら、ダメかもしれない、と一瞬思いました。
私は、自分で損害賠償することも頭をよぎりました。
独立するために貯めたお金で。
でもそれは、保険料の立て替えとなり、保険業法に違反する行為なので、辞表を出して会社を辞めなくてはいけなくなるかもしれないとも思いました。
社内で曲折を経て、支社長と直接話しをしました。
事情を話すと、「前例があるないに関わらず、このお金は戻さなくてはならない。」「自分が本部に掛け合う。」と明確に言ってくれました。
私はこのときのことを今でもはっきり覚えています。
そして本部にも道理の分かる管理職が一人だけいて、保険料を返金できることが決まりました。
事件発生の翌日、その年の最終営業日でした。
私はすぐにお客様を訪問し、返金は年明けになるが、早々に返金すると報告。
そしてこのたびの不手際を心から謝罪しました。
お客様も許してくれました。
生命保険業会に入って、最も大きなミスでした。
この仕事を続けることができないかもしれないとも思いました。
私は、お客様から手続きを依頼された場合、保険会社へ必要以上に、確認や念押しをすることがあります。
それはこの経験があるからです。
絶対にミスは許されない。
万が一ミスがあった場合、自分が責任を持たなくてはならない。
それは私自身にとっても取り返しがつかないような痛手になるかもしれない。
こんな危機感を常に持っています。
また、解決するまで、絶対に逃げない。投げ出さない。諦めない。
こうした責任感もより強く持つようになりました。
あれから10年後、このお客様とはどうなったか。
これには後日談があります。
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