注意喚起!蚊媒介の日本脳炎、千葉で25年ぶり患者発生 | 好奇心の扉

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災害は偶然の産物ではありません。何らかの連鎖的な出来事の結果です。
大惨事の陰に隠された知られざる真実に迫ります。
そこには次の大災害を回避するための重要な証拠が必ず残されています。

千葉県は9月14日、県内で1995年以降25年ぶりに、日本脳炎の患者が発生したと発表。

感染源調査で千葉県内の豚から抗体を検出した長崎県や福岡県も、「蚊の活動時間帯(夕方~夜明け)には、屋外で過ごす事は避ける」などと感染予防を求めている。
蚊が媒介する日本脳炎について、患者が発生したり、飼育している豚からウイルスの抗体が見つかったりした自治体が、注意を呼び掛けている。





日本脳炎は、「日本脳炎ウイルス」に感染した豚を蚊が吸血し、その蚊を介して(刺されて)人に感染する。
日本脳炎ウイルスを抑える薬は無く、対症療法として脳の水を引かせたり、痙攣を抑えたり、脳の酸素消費を抑えたりする薬で治療します。


日本脳炎感染経路
日本脳炎ウイルスの感染経路


日本脳炎ウイルスに感染すると‥‥、
感染後1~2週間の潜伏期を経て、急激な発熱と頭痛を主訴として発症します。
その他、初発症状として全身倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛も存在する。その後、症状は悪化し、項部硬直、羞明、意識障害、興奮、仮面様顔貌、筋硬直、頭部神経麻痺、眼振、四肢振戦、不随意運動、運動失調、病的反射が出現する。知覚障害はまれである。
発熱は発症4~5日に最も高くなり、熱はその後次第に低下する。

根本的な治療法がなく、致死率は約25%、患者の50%は脳に何らかの後遺症を残し、その他は回復する。死亡する場合は、発症後1週間程度で死亡する。
但し、人から人への感染はない。


最も有効な方法は、予防であり、中心は蚊の対策と予防接種で、日本脳炎の不活化ワクチンが予防に有効な事はすでに証明されている。

1991年以前は年間50人を超える患者が出た事があったが、1992年以降は年間10人以下となっていると言う。


コガタアカイエカ
媒介するコガタアカイエカ。


千葉県によると、患者は0歳の男児で、発熱と意識障害、脳神経まひの症状があり、8月21日に千葉県旭市内の医療機関を受診して入院。今月11日に髄液の検査結果から日本脳炎の患者として千葉県銚子市の海匝保健所(かいそうほけんじょ)に届け出があった。男児は入院中だが、命に別条はないと言う。

海匝保健所が、感染源や感染経路を特定する調査を行っているが、今のところ原因の特定には至っていないと言う。



蚊の幼虫・ボウフラの生息場所。
ボウフラ
ボウフラの生息場所
特徴はクネクネしながら泳ぐ。
水の流れがなく滞留して、水溜まりになっている場所に注意。


既に豚から日本脳炎ウイルスの抗体が検出された自治体も、警戒を強めている。

長崎県は今年8月、調査した豚10頭のうち4頭から、日本脳炎ウイルスの抗体を検出したと発表。「日本脳炎が発生しやすい状況にある」として、▽屋外で過ごす時はできるだけ皮膚の露出を避ける▽虫除けスプレーを活用する▽屋外の水たまりを減らし、ボウフラの発生源を作らない──といった予防策を示している。

また同じように豚から抗体を検出した福岡県も、感染予防には「日本脳炎ワクチンの予防接種が有効」と指摘。十分な栄養を取り、過労を避けるなど健康管理に努める事も求めている。



昨年夏、約70年ぶりに国内感染が確認され流行した、同じように蚊を媒介として発症するデング熱‥‥。デング熱も人から人への感染はないが、デング熱は感染しても重症化することは希有なのに対し、日本脳炎は死亡率も高く、後遺症が残る事が多い病気なので、特に注意が必要である。





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