国内初のデュピュイトラン拘縮治療剤「ザイヤフレックス」が薬価基準収載 | 好奇心の扉

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旭化成ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区)は、デュピュイトラン拘縮(こうしゅく)治療剤「ザイヤフレックス注射用」(一般名:コラゲナーゼ(クロストリジウム ヒストリチクム菌由来のコラゲナーゼ))を、9月16日より発売を開始しました。
これは去る8月31日、同剤の薬価基準収載を受けての事です。





耳慣れない病名のデュピュイトラン拘縮とは、1832年、当時謎だったこの病気を初めて詳細に報告した、フランスの外科医ギヨーム・デュピュイトランの名前から名付けられました。

デュピュイトラン拘縮は、初期症状として、初めに手のひらに結節(しこりやくぼみ)が出現。その後、拘縮索が出現し徐々に指が曲がり始め、しこりは手のひらから指にかけて広がり、更に症状が進行すると、拘縮索が指を引っ張ることにより、指が曲がったままになる屈曲拘縮となり、伸ばすことが出来なくなる病気です。


デュピュイトラン拘縮
デュピュイトラン拘縮横


痛みが伴う事は余りありませんが、治療をしないと自然には治らない病気のため、『ドアノブを回す、洗顔をする、握手、車の運転、手を使うスポーツ』などに不便や困難が生じます。

拘縮は、筋肉を動かすための腱(けん又は、すじ)が縮んだままの状態で硬直してしまう事を言う。

治療方法は基本的に、薬物療法や注射は治療効果がなく、手術による治療となる。
しかし病状が進行しない場合は、手術の適応にならない事もあり、又、屈曲拘縮が進行し手術をしても関節可動域が完全に改善しない事もあるため、進行度の診断が重要となります。



国内でのデュピュイトライン拘縮の推定患者数は、手術件数から6000人以上と推測されます。

北欧系白人に多い疾患であるが、発症原因は不明で、40~60歳以上の男性に多く(男女比7:1~15:1)、アルコール飲酒、外傷、家族性、糖尿病などがリスクファクターであると言われています。




「ザイヤフレックス注射用」は、「クロストリジウム ヒストリチクム菌由来」のコラゲナーゼ製剤で、コラゲナーゼはタンパク質であるコラーゲンを加水分解する酵素の一つで、拘縮索に局所投与する事で、沈着コラーゲンを分解し拘縮索を破断して、デュピュイトラン拘縮に対する治療効果を発揮すると期待されている。


商品名 : 「ザイヤフレックス注射用」
効能・効果 : デュピュイトラン拘縮
用法・用量 : 通常、成人には、コラゲナーゼ(クロストリジウム ヒストリチクム)として、0.58mgを中手指関節又は近位指節間関節の拘縮索に注射する。効果が不十分な場合、投与した拘縮索に対する追加投与は1カ月間の間隔をあけ、最大3回までとすること。

薬価収載日 : 2015年8月31日
薬価 : 0.58mg1瓶(溶解液付),193,861円

副作用(国内臨床試験で98.0%で確認)
 注射部位疼痛(76.5%)、注射部位内出血(45.1%)、注射部位腫脹(34.3%)、挫傷(29.4%)などであり、重大な副作用は腱断裂、靭帯損傷、皮膚裂傷、アナフィラキシーが報告されている。


尚、「ザイヤフレックス」は米国オキシリウム社(Auxilium Co, 本社:米国ペンシルバニア州チェスターブルック)が開発したコラゲナーゼ製剤で、米国、欧州、カナダ、オーストラリアなどで既に承認され、販売されている。



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