今夕奈良からの帰り道、車載のワンセグTVから流れる放送に聞き入りました。
家に帰って新聞を見るとそれは、ABCテレビの「民教協SP 祖父の日記」という番組でした。
内容は日中戦争に従軍した御祖父さんの従軍日記を、孫である女性デレクターが追跡調査した記録でした。
その方のお祖父さんは召集されてわずか47日目で戦死されたのですが、従軍手帖と奥さん宛ての手紙が残されていたそうです。
そこからは、穏やかな性格だった方が、激しい戦闘で多くの死に遭遇するなか、急速に性格が変わっていく様が読み取れるといいます。
「殺らなければ殺られる」という極限下で、誰しもが追い込まれる戦争の狂気だといいます。
同じ時期、私の父も日中戦争に砲兵として従軍し中国大陸を転戦していました。
5年前にその時の従軍日誌を「私の陣中日誌」として発刊しました。

それによると父は砲兵だったこともあるのか、戦闘の最前線に出ることはなかったようですが、
それでも「道の脇には敵兵の黒焦げの死体が4、50体転がって・・・明日は我が身か・・・」というような表記があります。
いまは平和な日本ですが、わずか80年前には二十歳の若者が異国の地で泥にまみれ、「殺るか殺られるか」という状況にあったのですね。
改めて父の従軍日誌を読んでみる気になりました。