クリスマスも過ぎ、いよいよ年の瀬も押し詰まってきましたが、クリスマスにちなむ話題をひとつ。
子どものころ、ラテンアルファベットはいちおう身に着けて、おおよその読み方(ローマ字読み)も身につけ、日本語のローマ字表記には登場しないけど「X」は「ks」と読むんだということもいちおうわかったころのこと。不思議でならなかったのは、デパートのクリスマスセールなどの場で「クリスマス」がしばしば「X’mas」と書いてあることでした。「あれを普通に読んだら『クスマス』じゃないか」と思ったわけです。
あれのわけは、大人でも知らない人が多いのですが、あの場合の「X」は、実はラテンアルファベットの「エックス」じゃないのです。ギリシャ文字の、日本ではふつう英語読みで「カイ」と読まれている字なのです。英語の「Christ」、ラテン語の「Christus」の最初の「Ch」の部分が、新約聖書の原語であるギリシャ語では「カイ」の字なのです。だから「Christmas」を略記する場合に「Christ」の部分を大幅に略して「X’」とし、そのあとに普通のラテンアルファベットで「mas」とくっつけたわけです。
ちなみにロシア語を表記するキリル文字には、ギリシャ語の文字をそのまま取り入れたものがいくつかあり、「カイ」にあたるものはギリシャ語の「カイ」と同じ文字です。そしてそれを、日本語のハヒフヘホを少しかすれ気味にした音で読みます。そのためロシアから伝来した日本の正教会では「キリスト」を「ハリストス」と呼びます。
キリスト教美術ではしばしば「X」に「P」を重ね合わせたような文字が出てきますが、あれもギリシャ文字で、日本で「カイ」と読まれている字と「ロー」と読まれている字の、大文字を重ね合わせたものです。つまり、「Christ」の「Ch」と「r」の合字なのです。「エックスピー」ではありません。
・`ω・) XPは「キリスト」の意味 | ・`ω・) 役に立たない!カトリックまめ知識 &雑学のblog (ameblo.jp)