中野区が「道路台帳現況平面図」の公開を始めました!

 

 

「なかのデータマップ」→「道路・公園」→「道路台帳現況平面図」

で、確認できます。

 

道路台帳をWEB上で確認できないのが中野区だけだった

現在、東京都区部の武蔵野台地エリアにあるマンションを勝手に「防災力評価」しているのですが、道路台帳をWEB上で公開していないのは中野区だけだったんです(※)。

 

(※)現在「防災力評価」をしているエリアの中では、です。
評価対象エリア:東京都区部が対象だが、東部の低地帯にある区を除外

 

なので、今までは、

「中野区は区道の幅員情報を公開していないので、詳細な幅員は不明ですが、、、」

と断り書きを入れていました。

 

道路台帳をWEB上で見ることができるメリット

そもそも、一般の方は道路台帳を調べようと思うこと自体がないと思います。

 

道路台帳というのは、自治体が調査した道路の状況で、幅員(道路の広さ)などは、これを見ないと分かりません。

勿論、現地に出向いて、メジャー等で計測すれば把握できますが、調査対象不動産が接面している部分だけでなく、もっと広範囲に幅員情報が知りたいときには道路台帳を調べる以外ありません。

 

なぜ、幅員情報を調べるのか?

 

接面道路の幅員が「4m未満」だった場合には、原則建物を建築することができません。

この辺を掘り下げると、すごく長くなるので、これだけに留めますが、道路というのは、そこに建物を建てられるか否かを左右するくらい重要なものなのです。

 

そして、調査対象不動産が接面している部分の道路幅員が4m以上あるなら安心だ、という訳ではなく、更に、その道路が広い道路に出るまでの経路も重要です。

 

上図は、ある区の道路台帳の一部を切り取ったものです。

例えば、このウグイス色の場所に土地があったとしましょう。

前面道路幅員は、4mありそうです。

 

ただ、左に行くとすぐ3.2mほどの幅員の箇所があり、右に行っても3.3mほどの幅員の箇所があります。

このように、前面道路の延長を見ることも非常に大事なのです。

3.2mの狭さや3.3mでクランクしているような箇所は、ポンプ車の通行が困難なため、万が一、火災が発生した場合に消火に時間が掛かる可能性があります。

救急車の到着にも時間が掛かるかもしれません。

 

道路幅員は、

建築に影響を与える

だけでなく、

家族の命を守る

ためにも重要な要素なのです。

 

私が、不動産鑑定士の修習をしていた頃の先生には、

「不動産は、道路に始まり、道路で終わる、といっていいくらい、道路は大事なんだ。」

と何度も言われました。

 

中野区が、試験公開とはいえ、WEB上で公開を始めてくれたことは、本当にありがたいです。

まだ試験公開で、区道の一部の公開にとどまっているので、早く全面公開に至ることを願っています。