とある日の事にございます。
お豆の奉公先はクリーニング屋さんにございます。
この時期は布団に毛布にカーペットがわんさか洗濯に出され、所狭しと床にまで(すのこが敷いてあります)置かれていますにございます。
一応、並べるルールがございます。
が。
大きさがまちまちなので、ルール通り並び切れない物もございます。
で。
取り敢えず。
取り敢えず。
と、置いている内にごちゃごちゃになってしまったにございます。
こうなると。
お客様が引き取りに来られた時が大変でございます。
なかなか見つからないのです。
そこで。
「探すの大変ですよ」
「極力、ルール通り並べる様にしましょうよ」
と、お豆は少々語気を荒く店長に提案しましたにございます。
と。
「そうなのよ」
「大変なのよ」
と、店長の返事は他人事の様にございます。
エッ?
何を隠そう。
ごちゃごちゃの犯人は、ほぼこの方なのでございます。
検品の際に伝票にチェックを入れるマーカーの色で誰が検品をしたのかわかるシステムになっております。
な、なのに。
お豆はこめかみ辺りのプチッと切れる感覚を感じました。
が。
グッと堪えましたにございます。
実は。
お豆は、店長のこの対応は予感しておりました。
少しずつ、わかって来ました。
そういう人なのでございます。
おっとり。
のんびり。
で。
ちょっと大雑把。
そして。
全く悪びれない。
で。
自分であちこちに置いたので覚えているのか、探すのが妙に早いのでございます。
お豆は言葉を返しませんでした。
言いたい事は沢山ありましたが。
感情のままに口を開けば、言ってはいけない事まで言ってしまいそうで。
お豆はグッと、堪えましたにございます。
「キレイに並べる余裕も無じゃない。ね➰」
店長が同意を求める様に言って来ましたにございます。
そう来たか!
「そうですね」
お豆は平坦に答えました。
店長のこの対応。
意図的なのか。
無意識なのか。
お豆には全くわかりません。
モヤモヤした思いを必死に飲み込んで、無理やりの笑顔を作るお豆でございました。
普段は、優しくて良い人なんですけどね➰。
トホホ。