街に出掛けた母が乾燥無花果を買って来ました。


「あんたも食べて良いよ」と優しい母親口調で言います。


「ご遠慮しときます」

「無花果は嫌いなので」


私は子供の頃から無花果が苦手なので、丁重に断わりました。


「あんた、無花果嫌いなの」

「こんな美味しい物を嫌いな人の気が知れないわ」


母は見せつける様に、わざとらしい位に「美味しいわよ」と無花果を食べていました。


このくだりを、もう何度繰り返した事でしょう。


母が老いて忘れたのではありません。

覚える気が無いのです。

《受け入れたく無い》の方が当たっているかもしれません。


『自分が好きな食べ物を我が子が嫌う訳が無い』と思いたいのでしょうか。


もしくは。


《大好きな無花果を「美味しいね」と一緒に食べたい》のでしょうか。


私は幼い頃、好き嫌いが多かった記憶あります。

母は「嫌いなら食べなくて良い」と不機嫌に言うだけでした。

調理を工夫して好き嫌いを無くさせ様と食べさせられた記憶はありません。


母、曰く。

「余裕が無かった」そうです。


その余裕が出来て来た頃からでしょうか。この無花果のくだりが始まったのは。


無花果そのものが苦手と言うのもありますが。このくだりと、この時の母の表情に嫌悪感を感じるのです。


相手の言葉を無視して、強引に自分の思いだけを押し付けて来る態度が重く感じるのです。


私が母親思いの優しい娘であったなら。


母の期待に答えられたのでしょうか。


残念ながら。

私には《心に余裕》が無いので、

『お母さん、ごめんね』と謝る事も今は、まだ出来ません。


むしろ。


『私が折れるしか無いのか』

『何か割に合わない』

『理不尽かも』と不満タラタラに考えてしまいます。


まだまだ、人生の修行が足りないのでしょうね。

とある日の事です。


その日、娘さんは遅番でした。

午前中。

家の近くのスーパーへお米を買いに行きました。

いつもの銘柄米(お高い)、国産混合米(ほどほど)、アメリカ米(お安い)と3種類ありました。

ちょっと悩んで、混合米を買って帰りました。


で。


出勤前。

職場の隣のスーパーでお米の値段をチェックをしました。


と。


県内産銘柄米が、娘さんが午前中に買った混合米とぼぼ同額で売られていました。


ショック!!



帰宅後。


娘さんは梅さんにこの経緯を話しました。


と。


「高いと買えないの?」

「高いと言ったって」

「米の値段なんて知れてるでしょ」


と、何とも浮世離れな女王様発言でした。


梅さんは毎日、ほぼ1日中テレビの前で過ごしています。


が。


どんなニュースもその場、その場で右から左にすり抜けて行く様で。

同じニュースを見るたびに、何度も何度も初見の反応をしています。


そして。

全てが他人事。


自分は絶対的に何事からも安全圏に居ると思っている様子です。


「お母さん」

「幸せだね➰」と娘さん。


「そうね」と梅さん。


強い脱力感に襲われる、娘さんでした。


トホホ。

とある日の事にございます。


その日。

お豆は早番でございました。


前日は休みでございましたので。

少し早めに出勤して。

開店業務をこなしておりました。


と。


レジ横の小物入れに使用済みと思われる《割引券》が入っておりました。


使用済み《割引券》は使用当日に売上明細と共に本社経理へ提出する決まりになっております。


お豆は遅番で出勤して来た店長に引き継ぎをしましたにございます。


と。


「えッ⁉」

「私?」

「昨日の?」

「本当に昨日の?」


店長は認めたく無い様子にございました。


お豆「昨日、レジ閉めた時には、割引券の数って合ってましたか?」

店長「数えてないわよ」

お豆「数えてないんですか?」


な、なんと。


売上金額しか確認していないと申されます。


そして。


「今まで、大丈夫だったから」

「もし、何か有ったら経理から連絡来るから」


との事にございます。


更に。


「経理の人達って、全店舗の売上明細の確認してるのかしらね」と。

言い出しましたにございます。


「経理の人はそれが仕事だから、きっちりやってるんじゃないですか」

「売上ですからね➰」とお豆。


「そうよね」と店長。


この方(店長)。


お豆の予想を上回って《ざっくり》な仕事のやり方をされていた様にございます。


お豆の奉公先は基本ひとり体制でございますので。

他の人達の仕事のやり方等々があまり見えておりません。


またひとつ。


店長の《アラ》を見てしまったかも知れませぬ。


優しくて良い人なんですけどね➰。


『知りたくなかった』


しみじみ思うお豆でございました。



トホホ。