とある日の事です。


その日娘さんは休みでした。


「あんたお盆休みいつから」と梅さん。


「14日だけよ」と娘さん。


「それはあんたの休みでしょ」

「店の休みよ」と梅さん。


「だから、14日だけ」と娘さん。


「そんな事無いでしょう」

「お盆は地獄の釜だって休むのよ」と梅さん。


店が休みなら娘さんも休みになります。この時点で梅さんの言ってる事が❓でした。

梅さんは自分の言っている事のつじつまが合っていない事に全く気づいていません。


暫くして。


「お中元を買いに行って来る」と梅さん。


お中元は8月の初めに発送済です。

梅さんはお中元を送った事を忘れています。ので、毎日の様にお中元を買いに行こうとします。

娘さんが慌てて止めました。


が。


娘さんが目を離した隙に梅さんが出て行ってしまいました。


行き先は近所の海産物のお店です。

ここでお中元を買っています。


「休みだったわ」

「お盆の稼ぎ時に何で休むのかしら」と梅さん。


《地獄の釜も休み》では無かったのか。


梅さんは基本的に自分の都合最優先の人です。


娘さんからすれば毎度の事です。


が。


この日。

この《お盆休み》と《お中元》のやり取りを3度も繰り返す事になりました。


流石に疲れます。


『梅さんの居ない所へ行きたい』


切実に思う娘さんでした。


トホホ。

とある日の事です。


その日、娘さんは休みでした。


朝。


「じゃ行って来るね」と梅さん。

「何処行くの?」と娘さん。

「公民館よ」と梅さん。


さも、何回も言ったでしょと言わんばかりです。が、娘さんは全く聞いていませんでした。


出掛けて、数分後。

鍵を忘れたと梅さんが戻って来ました。


「あんた居たの?」と梅さん。

「朝から居ましたけど」と娘さん。


お昼前。

梅さんは戻って来ました。


「あんた居たの?」と梅さん。

「朝から居ましたけど」と娘さん。


梅さんは、鍵を忘れて戻った時に娘さんと会話をした事を忘れていました。


「過ぎた事をイチイチ」と面倒くさそうに梅さん。


それから暫くして。

飲料の配達(梅さんが定期注文している)の人が来ました。


「集金も合わせて」と配達の人。


「集金袋来てないわよ」

「準備もしてないし」と梅さん。


「先々週、お渡ししましたよ」

「先週もお願いしましたよね」と配達の人。


娘さんが梅さんの部屋を見ると。

いつもの場所に集金袋がありました。中身もしっかり入っています。


「あら、これ?」と梅さん。

「これです」と配達の人。


それから暫くして。


「あんた、仕事行くんでしょ」

「早くしないと遅れるわよ」と梅さん。

「今日は休みです」と娘さん。


カレンダー(娘さんの休みに赤丸が付いています)を凝視する梅さん。

今日が何日か、分からない様です。

新聞で日付を確認。

再びカレンダーを凝視。


で。


「印、付いてないじゃない」と梅さん。


違う所を見ている様です。


「付いてますよ」とカレンダーを指す娘さん。


午後。

娘さんが買い物から戻ると。


「早かったね」

「空いてたの」と梅さん。


「いつもと同じ位だったよ」と娘さん。


「いつも、もっと遅いじゃない」と梅さん。


「私、スーパーに行って来たんだよ」と娘さん。


「病院じゃなかったの」と梅さん。


娘さんはスーパーへ行くと言って家を出ました。

梅さんは「行ってらっしゃい」と言っていました。

病院などと一言も言っていません。


梅さんは人の声(特に娘さんの声)が聞こえて居ない様です。


早合点と適当な解釈で返事をしている節も度々見受けられます。


それを指摘すると。


「聞こえているわよ」

「イチイチうるさいわね」と梅さんは顔を歪めます。


梅さんのとんちんかんが悪化しています。


梅さんとの会話に疲れをヒシヒシと感じる娘さんでした。


トホホ。

とある日の事です。


「いちいち指図しないでよ」と梅さんが言いました。


梅さんは日に日に食事中のお行儀が悪くなり。最近では斜め向かいにあるテレビの方へ身体を向けて椅子に斜め向きに浅く座り片ひじをテーブルに乗せ。身体を丸めて食事をしています。


で。


娘さんが「お行儀悪いよ。真っ直ぐに座らないと」と梅さんに言いました。


梅さんは作業も雑になっています。食器洗いも洗い残しや洗わず仕舞う事が増えてきました。

で、娘さんが食器洗いをしようとする梅さんを止めました。


「洗い物は私がするから」

「あっちで座ってて良いよ」と娘さん。


と。


「いちいち指図しないでよ」と梅さんが言ったのです。


『どの口が言う➰ッ』


娘さんは心のなかで叫びました。


梅さんはずっと、娘さんに指図しまくって暮らして来ました。


娘さんの考えや嗜好(梅さんと娘さんは価値観や好みにはかなりの隔たりがあります)など全くお構い無しです。


そして。


子供(娘)は親(自分)の思い通りになる(なるのが当たり前)と思っている節があります。


ので。


娘さんが否定すると。


《信じられないわ》モードに入ります。


例えば買い物に2人で行き。

娘さんが梅さんの好まない物をえらぶと。


「私は、好きじゃない」と梅さん。


「私が使うんだから、お母さんの好きはいらないのでは」と娘さん。


となります。


また。


娘さんが折り畳み傘を時間をかけてキレイに畳んでいると。


「そんなの適当でいいわよ」

「見てるとイライラする」と梅さん。


「私はキレイにしたいの」

「嫌なら見なきゃ良いでしょ」と娘さん。


一事が万事。

こんな感じです。


これが更にエスカレートすると。


「本当に」

「言う事を聞かないわね」と言い出す梅さん。


ん❓


何か的外れな事言ってませんか。


それすら、自覚が無いのです。


そんなこんなが。

半世紀(+10年)以上続いています。


今さら、改善など望めません。


《自分がされて嫌な事は人にしない》などは。


梅さんには到底出来ないでしょう。


せめて。


《老いては子に従え》になって欲しいと切に願い娘さんでした。


トホホ。