とある日の事です。


「私、バナナ無かったよ」


朝食を食べて居た時でした。

梅さんが、娘さんの皿のバナナを凝視しながら妬ましげに言います。

梅さんは既にバナナを食べ終えていました。


「先ほど、食べてましたよ」

「振り返って、ゴミ袋をごらんあれ」と呆れ気味に娘さん。


『遂に来たかぁ➰』


娘さんのドンヨリ色が濃くなりました。


梅さんの席の真後ろに流し台があります。

梅さんは何故か、バナナを食べ終えると即座に振り返ってバナナの皮を捨てます。


「いつの間に食べたの?」と振り返って皮を見た梅さん。


「ちゃんと前向いて集中して食べないからよ」と娘さん。


梅さんは食卓の椅子に、斜め向かいにあるテレビの方を向いて斜めに座っています。

以前は首だけテレビの方を向いていましたが何時の頃からか、身体までテレビの方に向いています。

で。

斜め向かいのテレビに集中しながら食事をします。

娘さんが、幾ら注意をしてもなおりません。と、言うよりは。

年々、酷くなっています。

そして、前のめりにテレビを見ている割には内容が殆どわかっていない様で、トンチンカンな事ばかり言っています。


娘さんもいい加減、注意するのを諦めました。


娘さんは、淀んだ気持ちを抱えたまま仕事に行きました。


その日の夕方。


「買い物カードが無い」と梅さん。


更に追い討ちをかける様に、仕事から帰った娘さんに言います。


スーパーのプリペイドカードが無くなったらしいのです。


「引き出しの中にあるでしょ」と引き出しを開ける娘さん。


カードを入れてあったポーチは引き出しの中にありましたが、肝心のカードが入っていません。


娘さんはそのポーチごと持ち歩きますが、梅さんはカードをポーチから出して持ち歩きます。


つまり、犯人は梅さんです。


が。


「私は知らない」の一点張りです。


散々探した結果。


「スーパーのカードって、これ?」

と梅さん。


カードは梅さんのバックに入っていました。

梅さんはスーパーのプリペイドカードがどんな色だったかも、うろ覚えになっている様です。


『確実に悪化してる』


娘さんのドンヨリ色が更に更に色濃くなって行きました。


トホホ。

とある日の事です。

朝から暑い日でした。


娘さんが仕事に出ようとすると、梅さんがついて来ました。

そして。

梅さんは鉢植えに水やりをしようとします。


水やりは、早朝に娘さんが済ませていました。


「でも、地面が濡れてないわよ」

「水やりしないと可哀想」と梅さんは止めようもしません。


「根が腐ると困るから」と娘さんはジョウロを取り上げました。


このやり取りをほぼ毎日です。


娘さんは梅さんの水やりを阻止するべく色々対策をしました。


《メモを貼る》→読まない

《ジョウロを雨樋に縛る》→ほどく

《ジョウロを隠す》→ヤカンを代用


どれも無意味でした。


その都度。

注意をすると。


「わかったわよ」

「もうしないわよ」と言っています。


が。


日が変わると。


デジャヴの様に同じことの繰り返しです。


ならば。

いっそのこと。

梅さんにお任せ。

にすると。


梅さんの水やりは雑な上に気まぐれ(本人の中では毎日キチンとしてる)なので、土が鉢からあふれたり、干からびそうな鉢があったりします。


そもそも、鉢植えは娘さんの趣味(楽しみ)なのです。

梅さんが競う様に関わる必要が無い事です。


むしろ。


娘さんからしたら、関わって欲しく無い位なのです。


梅さんは昔から娘さんが嫌がる事をする《いらんことしい》な所がありました。


かなり前の事ですが。

娘さんの留守中に、娘さんが少しづつ楽しみに組み立てていた、後少しで完成するジグソーパズルを完成させてしまいました。

しかも。

無理やり押し込んだのか、端が壊れているピースもありました。


「完成させてあげたわよ」と満面の笑みで、恩着せがましく得意げに言う梅さん。


「何で?」

「頼んで無いでしょ」

「余計な事しないでよ」と半泣きで怒る娘さん。


「人が折角、完成させてあげたのに」

「何で怒られるの」と梅さんは逆ギレしていました。


娘さんの気持ちなど全く分かろうとしないのです。


変わらない。

むしろ、悪化しています。


「しないでね」と念押ししている、《要らんこと》ばかり積極的にしています。

『わざとか』と思う程です。


娘さんは少しづつ少しづつ、平常心で対応する事が出来なくなっています。


その日の仕事帰り。

 

『家帰りたくないなぁ』


無意識に呟いていました。


『いつまで、続くのかなぁ』


少しづつ少しづつ疲れがたまっていく娘さんでした。


トホホ。

とある日の事です。


その日、娘さんは遅番でした。


で。


朝の内に掃除をしようと掃除機を出しました。


と。


「後でやっとくわよ」と梅さん。

毎度の上から口調で言います。


が。


いざと成ると、掃除機の操作パネルを見つめフリーズ。

掃除機を使えなくなっているのです。


掃除を終え早めの昼食後。


「夕飯は要らないのね」と梅さん。

またも、上から口調で言います。


《8時過ぎに帰ります。夕飯は適当に食べてね》とメモを残し、娘さんは家を出ました。


そして、8時過ぎ。


娘さんは仕事から帰って来ました。


「遅いわね」

「何、してたの」と梅さん。

やはり、上から口調です。


食卓には、2人分の食器のみがセットがされていました。


梅さんは食べずに待っていた様です。


「私、遅番だったのよ」

「お弁当持って行ったでしょ」

「『適当に食べて』ってメモ書いて置いたでしょ」と娘さん。


「そうだった」とぼんやり梅さん。


完全に忘れている様です。


ちなみに。


メモは何故か、電話の横に置いてありました。やはり、メモの存在は忘れていました。

そして《忘れた事》も忘れていました。


更に。


リアルタイムでは、気づかなかったのですが。


『今日は残業なの?』とメールも入っていました。


娘さんは毎日シャワーを終えると洗濯機を回します。


「洗濯、明日、私がするわよ」と梅さん。

またまた、上から口調で言います。


が。


梅さんは、洗濯機も使えなくなっています。


梅さんの中では今もフル活動で家事をこなしていた頃のまま、全てを仕切っている気分なのでしょう。


が。


現実は、、、。


娘さんとしては

『心中お察し申し上げます』なのですが、、、。


如何せん。

心に余裕がありません。


『面倒臭い』

『鬱陶しい』の方が先立ってしまいます。


いやはや。


困ったものです😖💦


トホホ。