とある日の事です。


夕食を食べ終えた梅さんが食べ残しの味噌汁を手に、流し台の味噌汁を作った鍋を見ながら娘さんに言いました。


「これのツレ(仲間)おらん(居ない)の」と。

「あいにく、おツレ様は残っておられません」と娘さん。


梅さんは、自分の食べ残した味噌汁を鍋に戻そうとしているのです。


「気持ち悪い事しないで」と娘さん。


「何で?」

「汚くないわよ」

「気持ち悪いって何よ」と真顔で言います。


確かに。

母親は子供の食べ残しを何のためらいもなく食べます。

が。

子供(大人になった子供)は、母親の食べ残しを食べる事にためらいを感じます。


母親からすると、ちょぴり切ない現実かもしれませんが。


梅さんは何かを作って材料が少し余るのが何故か嫌な様で、全部入れてしまいます。

材料だけならまだ良いのですが、調味料もちょぴり残して置くのが嫌らしく使いきります。

結果。

醤油の効きすぎた大量のお煮しめが出来上がったりします。

これが鍋と器を何度も行き来する事になります。


この習慣で、味噌汁も鍋に戻そうとするのです。


娘さんとしては、お煮しめは(食べなかった具材は箸をつけていないので)鍋に戻すのはギリギリセーフと考えています。

が。

味噌汁はアウトです。


娘の考えは梅さんには理解出来ない様です。


「捨てて良いよ」と娘さん。

「もったいない」と梅さん。


ラップをして冷蔵庫にいれます。


が。

次の日。


自分で入れた事を忘れ。


「こんなのまで入れて」

「こんな何時のか分からないの捨てるわよ」と梅さん。


まるで、独り暮らしのぐうたら娘の部屋へ押し掛け冷蔵庫チェックするシャキシャキ母さんのごとき口調で言いながら、味噌汁を排水溝へ捨てます。


「それ昨日、お母さんが冷蔵庫にいれたんだよ」と娘さん。


「私じゃ無いわよ」と梅さん。


そんな毎日です。


トホホ。


補足。

辛過ぎるお煮しめに娘さんが「辛過ぎる」と言うと。

梅さんは必ず「こんなのが好きな人も居るんだけどね」と言います。

それは、誰の事なのか?

この家には娘さんと梅さんしか住んでいませんが。

謎です。

梅さんはかなり辛さが分からなくなっています。


トホホのホ。

とある日の事にございます。


その日は雨でございました。


開店前の薄暗い店内に電話の音が響き渡りました。


通常ならば開店前は電話に出なくとも良い事になっているので、出ません。

が。出た方が良い気がして。

お豆は電話に出てみました。


と。


電話は上役様からでした。


何でも。


お局様が『私ばかり雑用をしている』と上役様に苦情を申し立てた様にございます。


で。


「確認の為に電話した」との事にございました。


「えっ👀⁉」

「雑用ですか?」

「全員でやってますけど」とお豆は状況が飲み込めずにボンヤリと答えておりました。


「そうですか」

「やはり、彼女(お局様)の思い込みですね」

「朝の忙しい時に悪かったですね」と上役様。


お豆は電話を切ると速攻、店長にLINEでお伝えしました。


と。


『何、それ😠』と店長から返事がかえって参りました。


「上役様に確認したわ」

「もう本当に、あの人(お局様)何考えてるか、分からないわ」


半日後、遅番で出勤して来るなり店長が言いました。


「何が『私ばかり』よ」

「あの人に『ひとりで全てしなさい』なんて誰も言って無いわよ」

「したのは自分の意思でしょ」

「したくないのなら、しなきゃ良いのよ」

「八つ当たりは止めて欲しいわ」


店長の怒りはおさまらない様にございました。


「ですよね」


力強く同意するお豆でございました。


《雑用は気づいた人がする》のが暗黙のルールでございます。


お豆が入ったばかりの頃。


レジ横の小さいゴミ箱はいつもゴミが山盛りでした。


ので。


お豆が出番の日は毎朝、ゴミを捨てております。

お豆が連休(お豆が休みの日はお局様が出勤)明けに出勤すると、ゴミ箱はゴミが山盛りになっております。


お局様は雑用を全てお1人でされているらしいのですが。

ゴミ捨ては雑用に含まれないのでございましょうか。

いずれにしろ、ゴミが貯まるのは気にならないのでございましょう。


「面倒臭い人ですよね➰」

「あっ」

「言っちゃいました😅」

お豆はうっかり心の声を口にしてしまいました。


「本当に面倒臭い人よね」と店長も苦笑いしておりました。


クワバラ

クワバラでございます。



トホホ。

とある日の事です。


「あんた、私のカード何処やったん」と語気荒く梅さんが言います。


「カード?」

「知らないわよ」と娘さん。


どうやら、梅さんのキャッシュカードが見当たらないらしいのです。


「もう1度、通帳入れの中見たら」と娘さん。


「何回も見たわよ」

「あんたが持って行ったんじゃないの」と梅さん。


娘さんが通帳入れの中を見ると、内ポケットの中にキャッシュカードが入っていました。


「あるよ」と娘さん。

「これなの?」と梅さん。


一件落着。


一瞬、肝を冷やした娘さんでしたが心底安心していました。


何時の頃からか、梅さんは何か見当たらなくなると、全て娘さんのせいにする様になりました。


遠からず。


『私のお金が無くなった』とか言い出すのでしょうか。


既に、家の食費の財布(プリペイドカードしか入っていません)と梅さん個人の財布の区別が危うくなっています。


そして。


プリペイドカード払いのレシートを娘さんに見せ「(食費の財布に)お金入って無かったから、私の財布から出した」と言い張ります。


間違い訂正に膨大な時間を要します。


改善は望め無いでしょう。

更に悪化しるとしか考えられません。


背負う重荷の上で梅さんがニンヤリ笑っている様で。


背筋に寒気と恐怖を感じる娘さんでした。


いつまでつづくのやら。


トホホ。