ホビットの冒険 | 寝る前のキルがルール

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俺のガン見に誰も気づかない。

映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作は神すぎた。
その前日譚を後から改めて作るのはかなりのリスクがあったと思う。
同じような物語をまた三部作にわけて繰り返すのはさすがに前作が好きな観客にも飽きられてしまうのではないかと。しかも前日譚なのに俳優が老けてるのはミエミエだし。

しかし「ホビットの冒険」の絵本(というか漫画)も持ってる『指輪物語』好きな人間としてはやはり避けては通れない作品なのだ。

嫌な予感はあった。
前作の人気を利用したただのオマケ的な作品になるのではと。
「ホビットの冒険」は『指輪物語』サーガにおいてかなり重要な心臓部とも言える作品である。
ただの添え物では無いのだ。
なので劇中で前作のラスボス「サウロン」の存在をおおっぴらにほのめかす演出は正直好きじゃない。
原作ではサウロンについては少しだけ匂わせた程度の描写しかない。

主人公のビルボがたまたま拾った指輪が大変な物だったいう事が後々わかったという設定の方が自分は好きだ。
無力だが善良な人が「たまたま」拾った事で悪の大事業が崩壊したというカタルシスがそこにあるから。

なのであまりにサウロンの事を「ホビットの冒険」で描写すると「たまたま」では無くビルボが指輪を「必然的に」入手した運命の英雄のように描かれてしまう。

ささやかな善意や偶然の連鎖が悪に打ち勝つのが『指輪物語』のキモだと思うのでロールプレイングゲームのように目標に向かって突き進むヒーロはちょっと違うと感じた。

ただ悪人の命を思慮の末に見逃すところとか重要なポイントはガッチリとおさえてあるので「ああやっぱりこの人達わかってるな」と思った。

なんだかんだとトータルで80点以上はつけられる出来で何を言いたいかというと「やっぱり面白いです」の一点です。長々とすいません。