王神先生は教卓に立つと早速言った。

「てか、お前らさ、俺が登場するまでに2話も使ってんじゃねぇよ」

小説内のキャラとは思えぬ不穏な発言。
だがこの人が不思議な雰囲気を醸し出していて、あれだけ騒いだ生徒が今は静かだ。

王神は出席簿を放った。

「じゃ、ホームルーム始めんぞ」

「きりっ…」

大家は号令を言おうとした瞬間、王神は大家を止めた

「待て待て、早速議題に入るんだけど…」
王神は黒板に休み明けテストと書いた。

「が、来週からある、これ、お前ら1科目でいいから80点以上取らなきゃ、再来週以降、俺の授業、全部マラソンな、以上」

と言って、王神は帰ろうとする

「ちょ、ちょっと先生」

大家は慌てて呼び止めた。

「どういう事ですか?」
「言った通りだよ、80点とんなきゃ、全員再来週以降、ランナーズハイな」
「いや、先生国語担当でしょうが!」
「じゃマラソンしながら古今集でも詠んでもらう」
「難易度アップしてんじゃないすか!」
「先生!、古今集じゃなくて万葉集にしてくれよ」

意義をとなえた大島さんに

「どうでもいいわ!」
と大家はつっこんでから、王神と向き合った
「先生、納得行きませんよ」
「しょうがねぇな」
王神は気だるそうに、教卓に戻った

「実は…」
話し始めた王神は、言葉を切った
「面倒だから4/5で話すわ」

「あんた小説舐めてんのかぁぁぁ!」
という大家の叫びも虚しく
次回に続く
大家は二人のやり取りを不毛に思う

その時、教室の後ろの扉が勢いよく開く。

「はるにゃ~ん!」
と、朝からデカい声の馬鹿は、大島優子さんである。
小リスのような容姿だが、繊細さとは無縁の人。
なんの人徳か、風紀委員長である。

教室に入った大島さんは、真っ直ぐ小嶋陽菜の席に駆け寄った。

「はるにゃん、今日もキレイだね~白のセーラー服が真っ赤なドレスに見えちゃうよ、ハハハ!」

ちなみに本人は上手い事いったと思っている。

そして小嶋さんは冷たく返す。

「朝っぱらから鬱陶しいテンションね、大島さん。
それと〔はるにゃん〕とは言わないで、私達あくまでAKB48ではないんだから」

いや、あくまでって!、大家は顔を引きつらせる。

この人いきなり設定を滅茶苦茶にする事いいやがったよ。

「いやいや、失礼しました!、私もあっちの方のが抜けなくて!」

お前もか!、あっちとか言うなよ。

「じゃあこれから陽菜でいいですね?」

「しゃれ言わないで、斬り殺すわよ」
とさらりと笑顔で小嶋さんは言った

「じゃあ…」

「うっせぇんだよ!、このクソ虫がぁぁ!」

大島さんが言い終わらない内に怒声と共に小嶋さんは立ち上がりデカい分度器で大島さんを襲う

「いや、ちょ!、それは、小嶋さんマズいって、あぁ~!」

悲しい事に大島さんは教室に入って2分で血まみれになる事に

まぁいちいち大家は気にしない、この小嶋さんの大島さんに対する一方的なリンチは毎日行われている。

その時、前田さんの怒声が響く

「こんのグラサン!、今度はわざと卵焼き吹き飛ばしやがったな!」

「ガタガタ言うなよ!」
前田さんと内田さんはお互いの胸ぐらをつかみ合った。

「いいから、離れろや!」
小嶋さんの大島さんに対するリンチはまだ終わってなかった。
「私はイライラしてんだよ!」
小嶋さんは分度器をぶん投げる、分度器は教卓の鹿の角を切り裂く。

「てめっ、今度は自殺系サイトアクセスしてんじゃねぇか!」
「あれ?、宮澤さん一度でいいから彼岸花を拝んでみたいって」
「言うか!、んな事!」

逃げる増田さんを追う宮澤さん。

大家は頭を抱える、普通なんてAKB組には通用しない。
この騒ぎもマシな方だからだ。

その時、教室の扉がガラリと開いた。

現れたのは、白衣とスーツをダラダラ着こなした、金髪と黒髪メッシュの無造作ヘアの男。

「朝から、ガヤガヤドタバタ、うるせえんだよ」

AKB組の担任—王神臣八先生だった。

秋葉高校、〔アキバ〕と呼ばれるが実際は〔しゅうよう〕と読む、ちょっと変だが事実こういうんだから仕方があるめぇ。

そしてその学校の一つのクラス、3年AKB組。

これに至ってはもうつっこまないで欲しい、お願いだから。

てな感じで、教室。

ここは普通、皆様がイメージする教室となんら変わらない。

一つ違う点を述べるなら…何故だか教卓に鹿の首が祀られている。

これは…えっとこっち側にもよくわかってまっせんね。

てなわけで、やっぱり普通の学校とは頭一つ分違うのが秋葉高校である。

その3年AKB組の最前列の窓際に大家志津香の席はあった。

あと少しでHRが始まる時間。

大家は自分の席でクラスの様子を眺めていた。

大家は思っていた、ウチのクラスは変人が多すぎる事に。

大家の席の2席置いた席では—。

「内田ぁ、テメェ何、私の卵焼き消し飛ばしてくれてんだ、アァン」

自称ハーフの前田アツコさんが怒り狂ってる、見た目は大人しそうだが、今は一昔前のヤンキーのような目つき。
どうやら速弁していた所、おかずを暴発した銃の弾がぶっ飛ばしてしまったらしい。

ツッコミ役の大家は心の中でつっこんだ。
こんな時間から速弁って。

「卵焼き一つ吹き飛んだぐらいでガタガタうるさいんだよ。」

前田さんにそう返したのがいつもサングラスと銃を携帯している内田眞由美さんだ。

「テメェ、卵焼きには108個の魂が乗ってる事知らねえのか?。」

「いや、初耳だよ、なんで煩悩の数?。」

すると後ろの席の風紀委員の宮澤佐江さんと増田有華さんが何やら話していた。

セミロングにちょっと低い声、円らな瞳の増田さんに対し、ショートカットの無造作ヘアに、切れ長の瞳の宮澤さん、ビジュアル的にもおモテになりそうな二人だが、そこはAKB組の生徒、会話もこんな感じ。

「なぁ、有華」

宮澤さんは話しかける。

「何?、宮澤さん」

と、増田さんは返す、携帯をいじっている。

「有華、お前はケチャライスを知ってるか?。」

「ああ、カレーにケチャップかけた、犬の餌でしょ?」

「何が犬の餌だ、毎晩私はそれを食って寝てる。」

「ハイハイ、で、それが?」
言いながらも携帯いじりは止めない。

宮澤さんはニヤリと笑うと続けた。

「実はそいつの改良に成功した。」

「誰一人望んでませんがね、んな事」

「うるせえ、ケチャライスにある汁を加えると、いつもの3倍は美味になる」

「知りたいでーす」
増田さんは完全に興味0なのに言った

「絶対どうでもいいだろ、ま、この際教えてやる」

「デミグラスソースだ」

大家はええ~といった表情になる。

「どうでもよさそうな顔だな」
宮澤さんの顔は不機嫌。

「んな事ないよ、魔が差したらやるよ」

「最悪の社交辞令だな」

「ところでお前、私の携帯で何やってんの?」
宮澤さんは問う

「出会い系」
増田さんは爽やかに言う

「何してんだコルァ!」
宮澤さんは怒り心頭する