太子町に新ゆるキャラ 応募622点 大阪芸大生・武藤さんデザイン=大阪

2009.11.14 大阪朝刊 32頁 表有 (全347字) 












◆たいしくんです よろしく!



 太子町のマスコットキャラクター「たいしくん」のデザインが、大阪芸術大芸術学部キャラクター造形学科1年、武藤由希さん(18)(同町)の作品=イラスト=に決まった。



 町にゆかりの聖徳太子をモチーフにした愛らしい図柄で、武藤さんは「若い女性が、携帯電話のストラップに付けられるようなデザインを意識した」という。



 町が今年6月に一般公募し、全国から622点の応募があった。選考委員会が9月に5点に絞り、町民らに投票してもらったところ、2213票のうち、武藤さんの作品に最も多い880票が集まったという。



 町は今後、地元の商工会と連携してグッズなどを販売する予定。また、来年1月の成人式では着ぐるみを登場させるといい、「ゆるキャラブームにあやかり、町の活性化に役立てたい」としている。




読売新聞社



なにわ人模様:大阪芸大「玩具映画プロジェクト」ディレクター・太田米男教授 /大阪

2009.04.05 地方版/大阪 22頁 写図有 (全1,349字) 












 ◇フィルム映画は貴重な文化財--太田米男教授(59)=河南町



 ◇再生不能直前の600本を救う--「保存体制整えないと名画消失」



 小ぶりの缶詰に似たブリキ缶に、35ミリの古びた映画フィルムが納められている。大正から昭和初期にかけ、家庭での鑑賞用に売り出された「玩具映画」と呼ばれるフィルムだ。当時人気のチャンバラ映画やアニメーション、ニュース映像の一部、20秒から長くても3分程度を記録したものに過ぎない。それでもすでにオリジナルの原版は失われ、無声映画時代など往年の名作を伝える貴重な文化財だ。復元プロジェクトを学内に立ち上げて6年。経年劣化で再生不能になる直前に救い出したフィルムは600本を数える。「玩具映画には手作りの味わいがある」とほほ笑む。



 彫刻を学ぼうと、現在の京都市立芸大に68年に入学。「映画の街」の芸大で、脚本家の故依田義賢さんに出会った。名監督、溝口健二と長くコンビを組んだ脚本家として知られ、依田さんが河南町の大阪芸術大学に新設された映像学科の学科長に移ると、太田さんも従い、その活動のフィールドを映画の研究に絞っていった。



 「日本の映画の分かれ道となったのがデジタル化が進み始めた93年。それ以来、日本の映画の方向性があいまいになりはじめた」。フィルム復元に取り組む背景に、急速な映画界の変化がある。



 この年は、恐竜を描いたスティーブン・スピルバーグ監督の「ジュラシック・パーク」など、斬新な特撮映像を盛り込んだ洋画が劇場を席巻した。コンピューターによる画像処理を駆使し、現実にはありえない動物や自然を描いた映像が熱狂的に支持された。フィルムに何度も画像を映し込む従来の特撮はどうしても画質が劣化したが、デジタル技術の導入で鮮明な特撮映画が可能になった。



 当時、日本の映画界はヒット作も少なく弱体化しており、代わってテレビが全盛期を迎えていた。映像の世界も、それまでのフィルムから急速にデジタル化が進み、デジタルカメラの開発が本格化していった。



 ただ、デジタルは技術の進化が著しく、数年ごとに記憶形式が変わる。コンピューターの記録は、改めて処理しなければ再現することは不可能になり、保存には、フィルムに比べて大きなコストがかかることになる。



 デジタルで映画を作ったものの興行レベルに乗らず、デジタル記号のまま忘れられる映画も少なくない。「アメリカではデジタルで作った映画も、必ずフィルムに戻して保存しています。保存はフィルム、特撮などの活用はデジタルというのが正しいやり方ではないでしょうか」と将来への懸念を語る。



 無声時代の映画は多くが失われたが、玩具映画は、映画界を築いた監督や俳優たちの息づかいを確かに伝えている。がらくた市などで購入したり、収集家から借り受けて、汚れを取り除き複製のネガ(原版)を作って保存し、ビデオ化して持ち主に返す作業を、限られた研究予算を工面して続けている。



 「欧米のように公的なフィルム保存の体制を整えないと、どんどん名画が失われかねない。建築物保存と同じで、日本では古いものを大切にする文化が欠けているのかもしれません。無声映画のフィルムはすでに70~80年が経過しており、保存のための早急な対応が求められています」と語った。【竹島一登】




毎日新聞社



廃校再生計画案やアイデア作品展示 吉野・国栖地区で大阪芸大生 /奈良県

2009.03.13 大阪地方版/奈良 31頁 奈良全県 写図有 (全894字) 












 大阪芸術大(大阪府河南町)のデザイン学科の学生らが、「ものづくりの里」で知られる吉野町の国栖地区に注目、廃校となった小学校跡の再生計画案や地元産品を使ったアイデア作品の展示会を町中央公民館で開いている。20日まで。



 学校再生計画案は、2年前に廃校した町立国栖小学校を「地域活性化を目的にした新しい施設にする構想を」という町教委の依頼で学生34人が11作品にまとめたもの。



 例えば、「恋魂(こいこん)」は、出会いが少なくて結婚できない人のためのお見合い合宿施設。自然とふれあい、「学校」だから童心に帰って純粋な恋ができるというわけだ。「ひがわりの丘」は、日替わりの企画で工芸や美術の創作の場にして作品をネットで全国発信するというもの。提案した4回生の下山暁雄さん(22)は「自然が好きな人が集まり、木や和紙など豊かな素材を生かせれば」と話す。



 このほか、妊婦さんの癒やしの場にする「プレママ学園」、「さえないおやじ」が陶芸や乗馬をしてファッショナブルに変身する場になる「土に夢見るダンディズム」などさまざま。若々しい感性に満ちた計画案に住民は「私らでは考えつかない。地域の活性化にはやはり若い人たちの感性が必要」と感心する。



 一方、アイデア作品展は、学生のアイデアを作品化して「売れるもの」を目指すもので、地元の「国栖の里観光協会」(森浦武彦会長)に所属する工房が、表札や木製玩具、ランプなど10点を制作した。例えば、「木製人」は、駅やイベント会場などに置き来訪者が握手して木のぬくもりを感じてもらう。3回生の三船治子さん(21)のアイデアを使い、木工作家でもある森浦さん(68)が「ヒノキよりスギの方が感触が温かい」と吉野杉を使ったが、三船さんは「そんな違いがあるとは知らなかった。素材の生かし方を教えられた」と話していた。



 学生たちは、「イナカデザイン研究所」を設立し、今後も町で創作活動を続けるという。展示会の問い合わせは町教委(0746・32・0190)へ。



 【写真説明】



 色鮮やかなグラフィックデザインで表現された廃校の再生計画案



 木の温かみを感じるための作品「木製人」=いずれも吉野町中央公民館




朝日新聞