今井商店から今井科学へ、の続き、
プラモデル第一作目としての「榛名」、「金剛」、「霧島」、の走る戦艦シリーズを開発すると同時に、今井科学は今まで模型界としてはまだ誰も手を付けていなかった分野に目を付けた、それが、マスコミキャラクター物であった、それが少年雑誌「少年」で圧倒的な人気を誇っていた「鉄人28号」である、
その発売時期として、クリスマスと正月の商戦を狙っていた、
(昭和35年9月25日 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
ただキャラクターマスコミ物の第一作目としては、「鉄腕アトム」も候補としてあがっていたとの噂もあった、
(昭和35年9月25日 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
そう、この記事の中で新製品として「鉄腕アトム」という人造人間のようなプラスチックで動くという一寸変わった趣向のものを正月に向けて生産を急いでいる、とある、
まあ、具体的なロボット名をまだ明かさず、動力機構なども密かに開発していたのだろう、
同じ動力機構のものとして渥美産業の木製ロボットがあったが、そう、あのロッドを交互に突き出してギッコンバッタンと歩く、それを参考にしたのかどうかは定かではない、
渥美産業 リモコンロボット模型の複製
(昭和35年9月10日 日本教材新聞)
その鉄人28号の発売時期は昭和35年11月上旬、
(昭和35年11月25日 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
この鉄人28号を歩かせて競技大会なるものを開催するよう勧めていたようで、
(昭和35年12月25日 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
ただ、11月に発売したものの、肝心の版権をとってなかったようで、
ん、ん、ヘンなことが書いてある、
まあ、当時のことだから版権などは無視して無断でやってしまったのか、それとも、版権の折衝途中で成約前に先行発売してしまったのだろう、
(昭和36年8月号 模型とラジオ広告)
しかし、初版の箱絵等から推測すると、無断でやってしまったのだろう、
(コレクターの方からお借りした画像)
初版の箱絵のものはいつまで発売されたのかは特定できない、
短期間しか続かなかったことは確かだろう、
(コレクターの方からお借りした画像)
野村トーイなどと版権問題で決着した後すぐに「少年連載」と表示している、
さて、鉄人28号を発売した時点での今井科学のプラモ製品は次のとおり4点となっている、
(昭和36年2月5日 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
走る戦艦シリーズの「戦艦榛名」、「戦艦霧島」、「戦艦金剛」、そして、「鉄人28号」の4点であった。