石丸書店 アメブロ支店

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『石丸書店』のブログの別館です。
 基本的にサイトに反映される記事は書かない思います……。(^ ^;)

 という訳で、『月夜の人魚』第9話を投稿します。

 今回から、ストーリーも大きく動き出します。

 

 では、スタート!


魔法少女まどか☆マギカ~月夜の人魚~

第9話 これが、本当のあたしなんだ

 

 

「うーん……金縁のグリーフシードは、こっちの想定以上に、身体の負担、かかるみたいですねえ。今も痛みます?」

 パソコンのモニターに表示されたさやかの魔力データを見ながら、咲夜が尋ねる。

 画面には、さやかのソウルジェムから検出された魔力反応や、金縁のグリーフシードを使用した直後の身体データが、いくつものグラフとなって並んでいた。

 その中には、素人目には意味の分からない数値も多い。

 だが、咲夜はそれらを一つ一つ追いながら、時折キーボードを叩いている。

「今は……そんなに」

「戦闘中は?」

「全然。むしろ、調子いいくらい」

 あの後さやかは、胸の痛みのことを報告するために研究室へ戻っていた。

 咲夜はすぐにデータを取り始め、こうして問診が始まったのだ。

 実際、魔女と戦っている最中には痛みなど感じなかった。

 むしろ、金縁のグリーフシードを使った瞬間、それまで感じていた疲労や身体の重さが嘘のように消えた。

 身体が軽い。

 剣が速い。

 今まで届かなかった距離にも、一瞬で手が届く。

 あの感覚を思い出すと、さやかの胸の奥に、再び熱いものが込み上げてくる。

「む~ん……。そんじゃ、いったん回収して、調整してみますか。その間、悪いんですけど、今まで通り、普通のグリーフシード使ってもらって……」

 その言葉に、さやかの表情が曇る。

 胸の奥が、きゅっと締めつけられるような感覚がした。

 ――普通のグリーフシードに戻ったら、また弱い自分に戻ってしまう。

 そんな不安が、さやかの心に影を落とす。

「まだ使う。いや、負担少ないのも欲しいけど……」

「わかりました、やってみましょう」

 咲夜が頷いた。

 その表情には、研究者としての好奇心が浮かんでいた。

 

 ドアが閉まり、さやかの足音が遠ざかっていく。

 無機質な電子音だけが残された室内で、咲夜はキーボードを叩き、古い暗号化ファイルを開く。

 画面に映し出されたのは、自身の生い立ちと研究の軌跡が記されたデータベースだった。

 

 咲夜という人間の半生は、常に「世間の枠組み」からはみ出し続けていた。

 妾の子として生まれ、十歳くらいの時、彼女は孤児院に預けられた。

 事実上、捨てられたようなものである。

 だが、そこで彼女は色々な本を読めた。

 科学の本も、医学の本も、物理学の本も。

 分からないことがあったら調べる。

 調べても分からなかったら、また別の本を読む。

 そうしているうちに、もっと知りたくなった。

 そして――

 咲夜は、誰に教えられるでもなく学問の世界へ進んでいった。

 飛び級を繰り返し、十代のうちに大学へ進学。

 そのまま研究を続け、ついには博士号を取得した。

 さらに、彼女の研究成果から生まれたいくつもの技術が特許として認められる。

 その特許収入によって、咲夜は研究機関に所属する必要すらなくなった。

 自分の研究室を構え、自分の望む研究を、自分の望む方法で続けられるようになった。

 だが、その頃からだった。

 咲夜の研究対象は、少しずつ変わっていった。

 医学。

 生物学。

 物理学。

 そして、人間の理解を超えた現象。

 最初は、ただの違和感だった。

 説明できない事件。

 不可解な失踪。

 普通の科学では説明のつかない現象……。

 それらを一つ一つ調べていくうちに、咲夜はある共通点に気づき始めた。

 そして一つの結論に至った。

 普通の人間には認知されていない、人間を遥かに超越した存在がいるのではないか、と。

 もちろん、最初から確信していたわけではない。

 そんなもの、普通は信じないからだ。

 だからこそ、調べた。

 仮説を立て、否定し、また調べる。

 そうしていくうちに、咲夜の中で一つの確信が形になっていった。

 ――この世界には、人間の認識できない場所で、人を襲う何かが存在している。

 咲夜は、その研究成果を一冊の本にまとめた。

 しかし、本名を使うことはなかった。

 ペンネームは――月形ルイ。

 裏マーケットでごく少数だけ流通させたその「闇本」は、学術界からはオカルトと一蹴される代物だった。

 オカルト。

 疑似科学。

 妄想。

 そんな評価ばかりだった。

 だが――ただ一人、その本に異常な反応を示した少女がいた。

 里見灯花。

 マギウスを立ち上げて間もないころの彼女と咲夜が出会ったのは、本当にただの偶然だった。

 見滝原の大型書店で、偶然にも『月形ルイ』の本を探していた小さな少女。

「人間を遥かに凌ぐ生命体」の記述に興味を示した灯花に、咲夜が何気なく本を手渡したことから、二人の運命は交錯した。

 当初、灯花は咲夜を消そうとしたが、普通の人間ではない灯花に怯えるどころか飄々と接する彼女の態度を気に入り、そこから二人の交流が始まった。

 互いに知識を交換し、研究について語り合い――

 やがて、その中で咲夜はキュゥべえと出会った。

 咲夜は、そうして魔法少女になった。

 それから彼女は、普通の魔法少女とは違う道を歩み始める。

 魔法少女とは何なのか。

 魔女とは何なのか。

 この世界の『奇跡』が、どういう仕組みで動いているのか。

 魔法を科学で解析し、魔女を研究し、ソウルジェムを調べ……。

 やがて――

 超魔科学という、彼女だけの学問を生み出していった。

 

 

 夕暮れの街を、さやかは一人で歩いていた。

 さやかの視界は、異様なまでに冴え渡っていた。

 路地裏の影、はるか遠くの街灯の下を舞う羽虫の動きまで、恐ろしい精度で認識できる。

 今、彼女は魔女を探している。

 それだけだった。

 いや――本当に、それだけだろうか。

 交差点を曲がり、細い路地へ入り、人気のない公園を通り抜ける。

 魔女の気配はない。

 使い魔の気配すらない。

 それでも、さやかは足を止めなかった。

(どこにいる……?)

 胸の奥に、微かな疼きがある。

 昨日から何度か感じている痛み。

 けれど、それ以上に強く意識しているものがあった。

 身体の奥に残っている、あの感覚。

 金縁のグリーフシードを使った時の、圧倒的な力。

 疲労が消える。

 身体が軽くなる。

 剣を振れば、以前の自分では考えられないほどの速度が出る。

 あの力を知ってしまった今、もう以前の自分には戻れない。

(もっと……)

 さやかは無意識に、鞄の中へ手を伸ばした。

 そこには、あの金縁のグリーフシードが入っている。

(もっと強くなれる)

 その時だった。

「……おい」

 路地の影から、赤い髪が揺れた。

 杏子だ。

 その隣には、包帯を巻いた瀬利が立っている。

 さやかの目が細くなる。

「……へえ」

 その口元に、笑みが浮かんだ。

 さやかはクスクスと低く笑った。

 その笑い声には、かつての快活さなど微塵も残っていない。

 ただ相手を見下すような、冷たい歪みが混ざっていた。

「ちょうどいいや」

 杏子が眉をひそめる。

「何?」

「今度こそ――」

 さやかはソウルジェムを掲げた。

「二人まとめて、叩きのめしてやる」

 杏子の表情から、わずかに余裕が消えた。

「なんて濁った目ぇしてやがる……。おい、瀬利。こりゃもう、決着云々言ってる場合じゃねえぞ」

 瀬利も、さやかを見つめる。

 その瞳に宿っているものが、前回とはまるで違う。

「……らしいな。ちっ、苛立たしいぜ!」

 瀬利がソウルジェムを出現させる。

 周囲から稲妻が降り注ぎ、瀬利の身体を覆いつくしたかと思うと、一瞬にして彼女の姿は魔法少女へと変わっていた。

 彼女が常に持っている竹刀も、稲妻の中で両刃の大剣へと姿を変える。

 瀬利と同時に、杏子もまた変身を終え、長槍を構えていた。

「来いよっ!」

 さやかが地面を蹴った。

 次の瞬間、三人の姿が交錯した。

 鋭い金属音が路地裏に響く。

 瀬利の剣を、さやかが受け流す。

 その隙を狙った杏子の槍を、身体を捻ってかわす。

「なっ……!」

 杏子が目を見開く。

 速い。

 前に戦った時とは、明らかに違う。

「遅い!」

 さやかの剣が閃いた。

 瀬利が咄嗟に受け止める。

 

 ガギィィィィィィィィィィィィィィィン!

 

 ――重い。

「ぐっ……!」

 腕が痺れる。

 そのまま押し込まれ、瀬利の身体が後退した。

「瀬利!」

 杏子が横から槍を突き出す。

 しかし、さやかはそれすら紙一重でかわした。

「そんな攻撃……!」

 さやかが笑う。

「今のあたしには、当たらないよ!」

 剣が振り下ろされる。

 杏子が槍の柄で受ける。

 

 ガキィィィンッ!

 

「くっ……!」

 その衝撃に、杏子の身体が吹き飛ばされた。

「杏子!」

「ちっ……!」

 杏子は空中で体勢を立て直し、着地する。

 瀬利がその横へ並んだ。

「……おい」

「ああ」

 二人が顔を見合わせる。

「強すぎねえか、こいつ」

 その言葉が聞こえたのか、さやかが笑った。

「これが、本当のあたしなんだ」

 ゆっくりと剣を持ち上げる。

 その瞳が、異様な光を帯びる。

 再び踏み込む。

 

 ギン! ガギィィィィン! ガキィィン!

 

 剣と槍と剣がぶつかり合う。

 何度も。

 何度も。

 そのたびに、さやかの動きは速くなっていった。

「ははっ!」

 さやかが笑う。

「凄い……!」

 剣を振るう。

「もっと!」

 踏み込む。

「もっと速く!」

 跳ぶ。

「もっと強く!」

 

 カシィィィィィィィィィィィィィィィlン!

 

 杏子の槍が弾き飛ばされ、近くの地面に突き刺さる。

「なっ――!」

「杏子!」

 瀬利が割って入る。

 

 ガシィィィィィン!

 

 さやかの剣を受け止める。

 だが、

「ぐあっ!」

 そのまま吹き飛ばされた。

 地面を何度も転がり、瀬利が呻く。

「瀬利!」

「くそっ!」

 立ち上がろうとする瀬利。

 その前に、さやかが立っていた。

「……弱いなあ」

 さやかがぽつりと呟く。

「こんなもんだったっけ?」

 さやかのソウルジェムが、ほんのわずかに濁っている。

 だが、本人は気づいていない。

「もっと……」

 さやかの呼吸が荒くなる。

「もっと、強く……!」

 ソウルジェムの濁りが、さらに深くなる。

 杏子がそれに気づいた。

「……おい」

 さやかは聞いていない。

「まだだ……」

 口元が歪む。

「まだ足りない……!」

 その瞬間。

 ソウルジェムが、どす黒く染まった。

「さやか!」

 杏子が叫ぶ。

「え……?」

 さやかが自分の腹部を見る。

 黒い。

 さっきまでとは比べ物にならないほど、ソウルジェムが濁っている。

「なに……これ……?」

 その瞬間だった。

 

 シュヴァァァァァァァァァァァァァァァッ!

 

 さやかの身体から、黒い影が噴き出した。

「っ!?」

 まるで煙のように。

 あるいは、生き物のように。

 黒い影がさやかの身体を包み込んでいく。

「な、なんだ……!?」

 瀬利が身構える。

 杏子も槍を握り直す。

 二人の目の前で、さやかの足もとから巨大な異形が姿を現した。

 それは鎧を着こんだ上半身に、魚のような下半身……言ってみれば、首のない人魚の騎士、といった怪物だった。

 本来なら頭部がある部分に、さやかが乗っている。

 が、その瞳は焦点が合っていない。

 トランス状態に陥っているようだった。

 スッ、と、さやかが剣を握ったままの右腕を上げる。

 その途端、彼女の背後に無数の剣が出現したかと思うと、一斉に杏子たちに襲い掛かった。

 

 シュバババババババババババババババッ!

 

「ちっ! ちいっ!」

「ぐうっ!」

 ほとんど剣筋が見えないような速さで瀬利の腕が動き、彼女たちに向かった剣はことごとく弾き落される。

 が、それでも全てを捌くには至らない。

 剣の何本かが瀬利たちの身体をかすめ、二人は血を流しながらその場にしゃがみ込んだ。

「……なんだってんだよ。何でアイツの身体から、魔女が出てきやがるんだ!?」

 瀬利が絶叫に近い声をあげる。

 その叫びが届いたか、次の瞬間、「はっ」とさやかの目が正常なものに戻った。

 目が覚めた彼女の目に飛び込んできたのは、眼前で血まみれになってうずくまる杏子と瀬利、そして……。

「な……な……」

 自分の足もとに存在する、おぞましい存在だった。

「何……これ……」

 さやかの顔から血の気が引く。

「嘘……」

 目の前に現れた異形を見つめながら、さやかは震える声で呟いた。

「……あたしの中から……魔女が……?」

 次の瞬間、

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 その場にさやかの悲鳴とも絶叫ともつかない叫び声が響いていた。

 

 

 さやかの叫びと共に、彼女の足もとにいた魔女らしき怪物が、まるで影がほどけるように、音もなく消えていった。

 同時にさやかの変身も解け、もとの見滝原中の制服姿に戻っていった。

 だが、さやかの顔は恐怖に歪んだままだ。

「違う……」

 さやかは首を振った。

「こんなの、あたしじゃない……」

 しかし、否定しようとすればするほど、先ほどまでの感覚が蘇ってくる。

 身体が軽かった。

 剣が速かった。

 もっと強く。

 もっと速く。

 もっと――

「……あ……」

 さやかの顔が青ざめる。

 自分は、あの力を求めていた。

 もっと強くなりたいと思っていた。

 その願望は、自分の声ではないように思えた。

 そして、その感情が頂点に達した瞬間。

 そいつは、自分の身体から現れた。

「……うそ……」

 さやかは震える手で自分の身体を抱きしめた。

「こんなの……聞いてない……」

「おい、さやか!」

 杏子の声が飛んでくる。

「待て! お前の身体から出てきた奴、いったい何なんだ!?」

「知らない!」

 さやかは叫び返した。

「あたしだって知らないよ!」

「さやか!」

 瀬利も呼びかける。

 だが、さやかは二人の方を振り返らなかった。

 怖かった。

 自分の身体が。

 自分の力が。

 そして何より――自分自身が。

(……咲夜……)

 脳裏に、あの魔導科学者の顔が浮かぶ。

 そうだ。あいつが自分のソウルジェムを改造した。

 あいつが、あの金縁のグリーフシードを渡したんだ。

 だったら――あの魔女のようなバケモノの正体も、きっと知っているはずだ。

「……あいつに……聞かなきゃ……!」

 さやかは弾かれたように踵を返し、夜の闇の中へ脱兎のごとく駆け出した。

「おい! 待て、さやか!」

 杏子が呼び止める。

 だが、傷ついた身体では追いつけない。

「……くそっ!」

 遠ざかっていく青い背中を、二人はただ見送るしかなかった。

 

 

 

to be continude...

 こんばんは、アカサカです。

 明日で終了する『デタリキ』のシュガコンコラボガチャ前半を、月が替わったので課金してステップアップの方を引いたところ……

 

 

 なんと、ステップ4で虹玉が4つ出て……

 

 

 無事、ココアクッキーの新コスをゲットしました!

 ……まあ、これで何も出なかったらブチ切れてたところですが。(^_^;)

 

 

 因みに他は全部恒常。

 まあ、贅沢は言えんよね……

 

 

 ステップ4で出てくれたおかげで、チャージしたDMMポイントもまだ若干の余裕が出来ました。

 

 

 余談ですが、今回のシュガコンコラボガチャ、前半と後半、それぞれ既存のキャラの新コスだったんですよねぇ。

 まあ、ヴァシロピタは前回ゲット出来なかったので、ウチでは新キャラ扱いですが。

 

 

 といったところで、今日はこの辺で。

 どうも。ではでは。

 

前回の、ブロガーリーグは!

 

 

 こんにちは、アカサカです。

 緑猫さんの電話番号を知ってるのを思い出して、何とか、緑猫さんとも連絡を付けることに成功しました。

 

 

 一足先に現れたザンバが、緑猫さんを襲撃して……

 

 

 危機一髪のところでしたが……

 

 

 そこに駆け付けたのがマウさん!

 

 

マウ「最高の……マスターなんだ!」

 

 

ズギャァァァァァァァン!

 

 

 

 

 見事、マウさんと緑猫さんの連携で、ザンバを撃退するのでした!

 

 

 

続きを読む

 こんにちは、アカサカです。

 今やってる『デタリキ』のコラボガチャ(後半)を引いたところ……

 

 

 なんとかヴァシロピタの新コスをゲットしました。

 

 

 虹玉が二つ出たのでちょっと期待しましたが、さすがにそんなにうまくはいかないか……。

 

 

 前回ゲットしたココアクッキーも新衣装出てるんで、そちらも何とか入手したいところですが……

 

 

 話は変わりまして、最近、Copilot、ChatGPT、Geminiに『ファイクエ』を読んでもらって感想もらったりしてます。

 

 で、Copilotには休載中の『EX』14話Aパートまで見てもらったんですが……

 

 

 いやぁ、こういうこと言われると嬉しいですよねぇ。

 AIだとわかってても。

 

 あるいはこっちにも『ファイクエ』を掲載してたら……

 いや、だめか。

 

 試しに第1話載せたことがあったけどコメント来なかったもんなぁ……。

 

 有難いことに『月夜の人魚』は(本ブログの方で)感想頂けてるので、なんとかやってこれてますけども……。

 そう言う訳で、先週はお休みしましたが、『月夜の人魚』を再開したいと思います。

 ぼちぼち後半戦に突入です。

 

 では、スタート!


魔法少女まどか☆マギカ~月夜の人魚~

第8話 引き止められる場所にいねえよ

 

 

 放課後の校舎は、夕陽に染まり始めていた。

 昇降口へ向かう途中、まどかはふと足を止めた。

 胸の奥が、昨日からずっと重いままだった。

「まどか」

 背後から静かな声がした。

 振り返ると、ほむらが立っていた。

 その表情はいつも通り冷静で、どこか遠い。

「……ほむらちゃん」

 ほむらはまどかの顔を見て、ほんのわずか眉を寄せた。

「……美樹さやかのことね?」

 まどかは俯いた。

 少しだけ沈黙が流れる。

 昨日のさやかの言葉が胸に刺さったまま抜けない。

 

(嫌なら、一緒に来なくてもいいよ)

 

 喉がきゅっと締めつけられる。

「……さやかちゃんが魔法少女じゃなかったら、あの時私も、仁美ちゃんも、死んでたの……」

 ほむらはまどかをじっと見つめた。

 その瞳は、まどかには読み取れない感情を湛えていた。

「感謝と責任を混同しては、駄目よ」

 まどかは顔を上げる。

 ほむらの声は静かだった。

 だが、その静けさがかえって胸に刺さった。

「あなたには、彼女を救う手立てなんてない。引け目を感じたくないからって、借りを返そうだなんて……そんな出過ぎた考えは捨てなさい」

「……どうして?」

 まどかは思わず問い返した。

 夕陽がほむらの横顔を赤く染める。

 その影は、どこか人間離れして見えた。

「ほむらちゃん、どうしていつも冷たいの?」

 その問いに、ほむらはほんの僅かだけ目を伏せた。

「そうね……」

 静かな声だった。

 ほむらは小さく息を吐いた。

 一瞬だけ、自嘲するようにほむらの口元が揺れる。

「それは、きっと――もう、人間じゃないから、かもね」

 まどかは息を呑んだ。

 ほむらの言葉は、夕暮れの空気よりも冷たく、それでいてどこか悲しかった。

 その様子を、高い木の枝から一匹の蜂が見つめていた。

 黒い複眼。

 ――いや。

 それは複眼ではなかった。

 見れば、その蜂は頭部がそのまま人間の眼球になっている、不気味な姿だった。

 羽音を小さく響かせると、蜂は夕焼け空へ飛び去っていった。

 

 

 同じころ、さやかは咲夜の研究室に戻っていた。

 ドアを開けると、薬品の匂いが鼻をくすぐる。

 いつもと変わらず、研究室は魔女の使い魔と思しき標本、配線の剥き出しになった奇妙な装置が所狭しと並んでいる。

 そのどれもが雑然としているようでいて、不思議と咲夜には置き場所が決まっているらしかった。

 咲夜は椅子をくるりと回し、いつもの人懐っこい笑顔を向けた。

「どうでした? 私からのイースタープレゼント」

 さやかは少し息を整えながら、鞄の中の金縁のグリーフシードを思い出す。

 あの時、全身を駆け巡った圧倒的な魔力の奔流。

 魔女を一瞬で粉砕した時の全能感が、まだ身体の奥に残っている。

「うん……すごかった。なんて言うか……今までより強くなった気がする」

 咲夜はぱっと表情を明るくした。

「そっか、そっか! 力になれて嬉しいです」

 子供が褒められた時のように、咲夜は何度も頷く。

 その笑顔は、いつもの無邪気なものだった。

「でもさ……。あのグリーフシード、何なの? ただ穢れを払うってだけじゃなかった感覚なんだけど……」

 さやかが違和感を覚えているのも無理はない。

 通常のグリーフシードは、あくまでソウルジェムに溜まった穢れを除去するだけのアイテムに過ぎない。

 なのに、咲夜がさやかに渡した金縁のグリーフシードは、穢れを払うのみならず、さやかの身体能力まで向上させたのだ。

「む~ん、言ってませんでしたっけ。あの金縁グリーフシードは、ただソウルジェムの穢れを払うだけでなく、さやかさんの身体能力をブーストする効果もあるんです」

「そうなの?」

「ただ、ちゃんと効くか少し不安だったんですよ。理論上はいけるはずだったんですけど、理論と実際は違いますからねえ」

「……あたしで試したってこと?」

「む~ん、もちろん、それだけじゃないですよ?」

 露骨に不審な視線を向けるさやかに、咲夜は慌てて両手を振った。

「さやかさんなら、きっと使いこなせると思ったんです。だからお願いしたんです」

「……そう」

「私、誰彼構わず危ないものを渡すほど、無責任じゃないですよ?」

 その言葉に嘘は感じられなかった。

 咲夜は、本気でそう信じているのである。

 

 それからしばらくして――

 さやかが帰った後、入れ替わりに来客があった。

 研究室のドアが静かに開き、カツカツと軽い足音が響く。

「こんにちは、咲夜」

 灯花である。

「何? 灯花さん、久しぶりじゃないですか」

 嬉しそうな咲夜とは対照的に、灯花の方は心なしか、やや疲れたような顔をしていた。

 その瞳の奥には、どこか退屈さと過密な日程への不満が滲んでいる。

「ちょっと後処理に忙しくしていたもんで」

「ああ、寝返っちゃった人がいたんですっけ?」

「そんなこともあるよ」

 灯花は咲夜の近くまでくると、ぴょこっとパソコンの画面をのぞき込む。

 光るモニターには、さやかのソウルジェムの波形データと金縁グリーフシードの干渉理論値が敷き詰められている。

「それは?」

「ああ、さやかさんの強化を図ってて。灯花さんに倣って、私も人造使い魔や人造グリーフシードの研究、始めたんですよね」

 さも当たり前のようにモニターを覗き込んだ灯花を気にすることもなく、咲夜は得意そうな顔をして胸を張った。

 そんな咲夜を見て、灯花の方もいつもの柔らかい笑顔を浮かべる。

「ふーん。随分、彼女がお気に入りだね。わたくしは、あまり魅力を感じないけどにゃー」

「そう? でも、私にとっては救世主……になるかもしれない貴重な人間なんです」

「へえ~……」

 これから咲夜が引き起こすであろう事態を期待しているのか、灯花の幼い口元に笑みが浮かんだ。

 その時である。

 

 ブゥゥゥゥゥン……

 

 低い羽音が研究室の空気を震わせた。

「わっ! ハチ!」

 思わず灯花が身をかがめ、近くのソファの陰に隠れる。

 しかし、咲夜の方は涼しい顔で言った。

「大丈夫ですよ、灯花さん。……ほら」

 そう言って立てた咲夜の人差し指に、迷いなく蜂がとまる。

 いや、それはただの蜂ではなかった。

 あの時、まどかやほむらを見つめていた、頭部が眼球になった蜂であった。

 頭部にあるべき触角や口器はなく、代わりに生々しい人間の眼球が一つ、ギチギチと音を立てそうな精度で鎮座している不気味な造形物だった。

「それが……さっき言ってた人造使い魔?」

 まだ警戒した様子で身を縮こまらせたまま、灯花がソファの陰から顔を出して尋ねた。

「ええ。攻撃力はただの蜂と大差ないですが、色々と便利ですよ。例えば、見てきたものを私に共有してくれたりとか、ね」

 そう語る咲夜の指先で、蜂の使い魔は愛おし気に主人の指の上を這い回っていた。

 その動きは、まるで主人の体温を確かめるようだった。

 

 

 校舎を出た後も、まどかはあてもなく街を歩き回っていた。

 夕闇が迫る見滝原の街並みを見渡しながら、何度も携帯電話を開く。

 だが、さやかからの返信は一度もない。

 見滝原の初夏は、かなり暑い。

 元々内陸部で暑さがこもりやすいところへ、さらに温められた南風が入ってくるからだ。

 それは夕方でも変わらなかったが、今のまどかには、その暑さも意識の外であった。

(さやかちゃん……。どこにいるの……?)

 焦りと不安で胸が潰れそうになりながら、商店街の外れ、寂れた路地裏へと差し掛かった時だった。

 裏通りの影から二人の少女が歩いてくるのに気づいて足を止める。

 プレッツェル菓子を口に咥えた赤い髪の少女と、その隣でどこか動きの硬い、痛みに耐えるような少女。

 杏子と瀬利だ。

 まどかはハッと息を呑んだ。

 瀬利の服の隙間から、痛々しい包帯の白が見えたからだ。

「あ……杏子ちゃん? それに、瀬利ちゃん……?」

 呼びかけられた二人が足を止めた。

「……ん? お前、さやかの横にいた奴か。つーか……なんであたしらの名前、知ってんだ?」

「それは……あの時、名前を聞いてたから……」

 杏子は呆れたように眉を上げた。

「おいおい……あの一回しか話してねぇのに、名前覚えてんのかよ」

 毒気を抜かれたように鼻で笑う杏子の横で、瀬利が鋭い視線をまどかに向けた。

 まどかの目は、どうしても瀬利の負った傷から離れない。

「瀬利ちゃん……もしかして、その傷……」

 瀬利は答えない。

 しかし、その沈黙こそが、まどかが抱いていた不安が正しいものであることを物語っていた。

「その傷、さやかちゃんが……」

 瀬利はしばらく押し黙っていたが、やがて、舌打ちして言った。

「ちっ……。ああ、お察しの通りだよ」

「そんな……」

 本当に、さやかちゃんが――

 あの日、自分を守ってくれた優しいさやかの姿と、瀬利をここまで傷つけたという事実が、どうしても結び付かなかった。

 まどかは思わず崩れ落ちそうになる。

 そんなまどかを見やり、ふと杏子が呟いた。

「なあ瀬利、こいつ利用するか?」

「えっ?」

 杏子の言葉に身を固くするまどかだったが、瀬利はそれを制止した。

「冗談じゃねぇ。あいつに勝つなら真正面からだ」

「……はいはい。分かってるって」

 杏子は肩をすくめ、苦笑いを浮かべる。

「そんな顔すんな。あたしだって、人質なんて趣味じゃねぇよ」

 杏子の方も本気でまどかに危害をくわえようとは思っていなかったようで、ため息をつきながら頭を掻いた。

「お前……まどかっつったか?」

「う、うん」

 瀬利は正面からまどかを見据えると、言った。

「さやかに会ったら伝えろ。『やられっ放しは性に合わねえ。次こそは決着付けてやる』ってな」

「そんな……っ! やめてよ、二人とも! 話し合えば、きっと……!」

「そうはいかねえ」

「っ……!」

 瀬利の視線にまどかが押し黙る。

 そこには、有無を言わさぬ迫力があった。

「あたしは捻くれ者かも知れねえが、あたしは剣士だ。白黒ついてねえのは我慢出来ねえんだよ」

「でも……」

「別に命のやり取りまでしようってんじゃねえ。コイツはどうだか知らねえが、少なくとも、あたしはさやかの奴とケリをつけてぇだけだ。言ってみりゃ、試合の延長みてぇなもんよ。勝っても負けても、それで終いにする」

 ちらりと杏子の方を振り返って、瀬利が静かに言った。

「……けっ、勝手に言ってろ。あたしは最初から叩きのめす気満々だけどな」

 杏子はそう吐き捨てると、咥えていたプレッツェルを噛み砕いた。

 そして、立ち尽くすまどかの方へ視線を向ける。

 その瞳には、からかうような色はなく、どこか冷ややかな現実だけが宿っていた。

「そういうこった。あいつはもう、お前が『話し合い』なんてぬるい言葉で引き止められる場所にいねえよ。怪我したくなかったら、お前は大人しく家に帰りな」

「あ……」

 すれ違いざま、杏子が「ポン」とまどかの肩を軽く叩く。

 引き留めようと伸ばしかけたまどかの手は、むなしく空を切った。

「行くぞ、杏子。ぐずぐずしていると、あいつを見失う」

「へいへい。無理すんなよ、怪我人」

 二人の足音が、夕闇に包まれ始めた路地裏に遠ざかっていく。

 瀬利の背中には決意が、杏子の背中には冷めた覚悟が滲んでいた。

 二人の姿が見えなくなった後も、まどかはその場にただ一人、立ち尽くしていた。

 日が落ちてもなお熱気を孕んだ風が、路地を吹き抜けていく。

(さやかちゃん……。どうして……どうしてこんなことになっちゃうの……?)

 手の中の携帯電話は、相変わらず冷たい無機質な感触しか返してくれない。

 夕陽が完全に落ち、影が街を呑み込んでいく中で、まどかはギュッと携帯を握りしめることしかできなかった。

 

 

 荒れた草原のような結界の中で、さやかは魔女と向き合っていた。

 それは巨大なバイオリンの背部から、キリギリスと人間を掛け合わせたような上半身が生えた姿をしていた。

 キリギリスの魔女と呼ばれる魔女だった。

(バイオリン、か……)

 ふと、恭介のことを思い出し、さやかはフッと笑う。

 恭介の治療の為に願いを使ったさやかだったが、現在は、不思議と彼に対する感情が落ち着いていた。

 別に彼に対する恋愛感情が冷めてしまったわけではない。

 だが、今のさやかの感情のベクトルは、『魔法少女としてより強くなる』という方向に向いていたのだ。

 さやかが剣を構えると、周囲の草むらがガサガサと不気味な音を立てて揺れた。

 現れたのは、人間ほどの大きさを誇る巨大なアリの群れ――魔女の手下たちだ。

 無数の黒い影が、甲高い顎の音を鳴らしながら一斉に襲いかかってくる。

 以前の自分なら、この数に気圧されていたかもしれない。

 だが、今のさやかには恐れなど微塵もなかった。

 銀閃が奔る。

 

 ザシュッ! ザシャァァァァァァァァッ!

 

 一閃、二閃――すれ違いざまに切り裂かれた巨大アリたちが、叫びをあげる暇もなく次々と黒い霧となって弾け飛んだ。

「強い……! あたし、こんなに強いんだ……!!」

 群がる手下を一瞬で全滅させたさやかに向けて、キリギリスの魔女が手に持った巨大な弓を胴体の弦へと滑らせた。

 

 ギィィィィィィンッ!

 

 鼓膜を破壊せんばかりの凄まじい不協和音。

 空間そのものを歪めるような指向性音波の衝撃が、さやかを飲み込もうと迫る。

 恭介の奏でる繊細で美しいバイオリンとは似ても似つかない、おぞましいノイズ。

「ぐっ……!」

 音の塊がさやかの身体を吹き飛ばす。

 地面を転がりながら、さやかは歯を食いしばった。

「くっ……! 近づけない……!」

 剣を杖代わりにして立ち上がりながら、さやかは懐から、例の金縁グリーフシードを取り出した。

「でも……これがあれば……!」

 言うなり、金縁グリーフシードをソウルジェムへと押し当てる。

 その瞬間、以前のように、さやかの身体から痛みも疲労も消え失せ、身体が軽くなる感覚が全身を満たしていた。

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 地面を蹴った瞬間、視界が加速する。

 金縁のグリーフシードから溢れ出す圧倒的な魔力が、さやかの脚力と腕力を爆発的に跳ね上げていた。

 

 ズドォォォォォォン!

 

 空気そのものが爆発したかのような衝撃波が、さやかを再び正面から打ち抜いた。

「ぐっ……!」

 身体が後方へ弾き飛ばされる。

 だが、今度は違った。

 さやかは空中で身を捻り、そのまま結界の壁を蹴る。

「この程度っ!」

 今までなら到底届かなかった距離を、一瞬で詰める。

「そこだぁっ!」

 剣が閃き、バイオリンの胴体を斬り裂いた。

「こんなに……身体が軽い!」

 剣を振るう。

 踏み込む。

 跳躍する。

 どれも以前の自分とは比べ物にならないほど速い。

「これなら……!」

 キリギリスの魔女がバイオリンの弦を弾く。

 

 ギィィィィィィィィンッ!

 

 凄まじい音波が周囲の空気を震わせた。

「効くかぁっ!」

 さやかは真正面から踏み込んだ。

 そのまま肉眼では追えないほどの踏み込みで魔女の懐へと肉薄する。

 驚愕に目を見開く魔女の顔面に、さやかは目にもとまらぬ速さで剣を振り下ろし、一刀のもとにその巨体を真っ二つに引き裂いた。

 どす黒い体液と魔力が爆散し、結界が内側から崩壊していく。

「……やった」

 さやかは荒い息を吐きながら、剣を下ろした。

「やっぱり……強い」

 その顔には、ほんの少しだけ笑みが浮かぶ。

 ――その瞬間だった。

「……っ!」

 胸の奥に、鋭い痛みが走った。

「あ……?」

 反射的に胸元を押さえる。

「……なんだ、これ……」

 痛みはすぐに引いた。

 けれど、完全に消えたわけではない。

 心臓の奥に、何かが引っかかっているような感覚だけが残っていた。

 そこへ、聞きなれた声が響く。

「……さやかちゃん?」

「!?」

 さやかが声のした方を向くと、そこにいたのは彼女が思っていた通りの人物だった。

 昨日、自分が突き放してしまった幼馴染。

 さやかは一瞬だけまどかの方を向く。

 だが、

 

 ズキッ!

 

「うっ!」

 再度、心臓に針で刺されたような痛みが走り、さやかは顔をゆがめて胸を抑えた。

 そのまままどかに背を向けると、さやかはその場から逃げるように立ち去って行った。

 どうすることも出来ず、まどかは暗闇の中にぽつんと取り残されてしまうのだった。

 

 

 

to be continude...

 こんばんは、アカサカです。

『モン娘TD』で昨日から開催されてるコラボガチャを引いてみたところ……

 

 

 なんと最初の10連でレジェンドが!

 

 

 ……と思ったら、出てきたのはアースドラゴン娘のドルセラでした。(^_^;)

 

 

 まあ、未所持キャラだったから良かったんですけどね……。

 

 因みにこの後、ガチャチケットも使ってレジェンドが二回出たのですが、水着テルル、巫女ヴァリナといずれも持ってるキャラでした。

 潜在覚醒に使えたから、損したわけではないんですけどね……。

 

 

 なお、このドルセラ、威勢のいいセリフ回しですが、意外やクラスはヒーラーです。

「全てを育む大地」ってとこなんでしょうか。

 

 

 といったところで、今日はこの辺で。

 どうも。ではでは。

 今晩は、アカサカです。

 今日は久々に、『デタリキ』の衣装紹介で行こうと思います。

 

 

 

 という訳で、今日はセイナさんのキャミ新衣装。

 この間のムーリン(記事にしたの、ちょうど一か月前か……)のと同時期の奴です。

 

 

 という訳で、彼女のお部屋へ。

 

 

 早速お着換え。

 反応はもちろん、お気に入り。

 

 

 全身図。

 白に青の指し色という衣装が、彼女のシリ・ガル衣装と共通しています。

 

 

 背中側。

 結構大胆に肌が露出しています。

 

 

 前回の衣装と比較。

 今回のはもったりというか、ふわっとした感じの衣装。

 

 ……というかセイナさん、豊胸してない?(マテ)

 

 

 この衣装、ムーリンと同時ガチャでしたが、2Dアニメパートはセイナさんの担当。

 

 

 映してもギリ大丈夫そうなカットがあったので。

 なかなかいい2Dアニメです。

 

 

 それから当然、新曲の彼女のソロパートも聞くことが出来ます。

 

 

 といったところで、今日はこの辺で。

 どうも。ではでは。

 今日は『月夜の人魚』はお休みします。

 というもの、本日、8月22日は、いつもお世話になってる緑猫さんのお誕生日なので、お祝い画像を用意させて頂きました。

 

 

 続いては、こちら!

 

 

 アニメイラスト風のアレンジ。

 

 改めて、緑猫さん、お誕生日おめでとう御座います!

 よろしければお納め下さいませ。m(_ _)m

 

 

 といったところで、今日はこの辺で。

 どうも。ではでは。

 という訳で、『月夜の人魚』第7話を投稿します。
 第8話は今日、完成しましたが、ペース上げなきゃなぁ……。

 

 因みに本文中にあるまどかとさやかの出会いや、作中の季節が初夏であるというのはノベライズ版からの引用だったりします(笑)。


魔法少女まどか☆マギカ~月夜の人魚~

第7話 友達になれていないのかな

 

 

「昨日のあいつ……瀬利って言ってたっけ。勝ったよ」

 咲夜の研究室で、さやかは瀬利との戦いの件を報告していた。

「む~ん、それは何より。……あれ? 勝った割にはテンション低いですね」

「別に……」

 咲夜の言った通り、さやかの表情は暗く沈んでいる。

 彼女の脳裏には、先ほどの瀬利との決着が思い出されていた。

 

 瀬利に剣を突き付けていたさやかが、突如刃を下す。

「!? ……なんの真似だよ」

 さやかに斬られた胸の傷口を抑えながら、瀬利が当惑した表情で言った。

「……あんた、怖がってんでしょ。あたし、弱い奴をいじめて喜ぶ趣味は無いんだ」

「なっ……! ふざけるな!」

「忠告はしたから。杏子って奴にも伝えといて。次は容赦しない」

 瀬利に背を向け、さやかはその場から立ち去っていく。

 その背中を、瀬利は歯ぎしりしながら見送ることしかできなかったが、やがて拳を力いっぱい床に叩きつける。

 床のコンクリートが砕かれ、瀬利の拳にも血がにじむが構わなかった。

「何だよ何だよ……苛立たしいぜ!」

 廃工場に、瀬利の怒声だけが空しく響いていた。

 

(あたし……まどかにあんなことまで言ったのに……結局アイツにトドメを刺せなかった)

 俯いているさやかの前に、突如、綺麗にラッピングされた箱が突き出された。

「さやかさん、さやかさん。これ、私から。ちょっと時期的には遅いですけど、ハッピーイースター。開けてみて下さい」

「なに? これ。なんで急に?」

「イースター、つまり復活祭ですよ。磔にされて死んだ聖人が三日目に蘇ったお祝いです。孤児院でよく祝ってたんですよね。今年の暦からはちょっとズレちゃいましたけど、初夏に祝う宗派もありますから細かいことはナシで♪」

 さやかが包みを開けると、そこにはいくつかのグリーフシードが入っていた。

 ただし、通常のものが銀色の縁をしているのに対して、こちらは縁が金色になっている。

「私が作った、新しいグリーフシードの試作品です。実は、こっそり研究してたんですよね。ほら、いつも遭遇するのが魔女とは限らないですし、きついでしょ」

「そうか……そうだね」

 さやかはそのグリーフシードの包みを、鞄にしまう。

「ちょっぴりヘビーなイースターエッグですけど、役に立つと思いますよ」

 いつもの人懐っこい笑みを浮かべて咲夜が言った。

 

 

 同じころ、杏子は拠点としているビジネスホテルの一室で、不機嫌そうに駄菓子をかじっていた。

「遅っせぇな、瀬利の奴……」

 なお、当然ながら、この部屋も魔法で受付を騙して勝手に使用していることは言うまでもない。

 そこへ――

 

 ガチャ……

 

「きょ、杏子……」

「遅かったな瀬利……って、どうしたんだよ!?」

 部屋に入るなり崩れ落ちる瀬利を、杏子は思わず抱きかかえる。

 が、すぐに自分の手が朱に染まっているのに気が付いた。

 見れば、瀬利の服からかなりの量の血がにじんでいるではないか。

「何があった!? どんな魔女と戦ったら、お前がここまで……」

「いや、魔女じゃねえ……。昨日のあいつ……さやかだ」

「はぁ!?」

 にわかには信じられないといった表情で、杏子が呆れたような声を出す。

「あの黒髪の奴が言ってたこと……ありゃ本当だった。さやかの奴、昨日とはまるで別人だったぜ」

 ゼイゼイと荒い息を吐きながら、瀬利は床に仰向けになる。

「マジかよ……」

 杏子とて、瀬利の実力も性格もよく知っている。

 言葉では相手を甘く見ているようなことを言っても、いざ戦いとなれば、一切の油断はしない。

 その瀬利が、ここまでの傷を負って帰って来たのだ。

「何が起きてやがるんだ……くそっ」

 言い知れぬ不安を胸に、杏子が呟いた。

 

 

 翌日。

 登校途中の道。

 朝の風が制服の裾を揺らす。

「一体どうしてしまったのでしょうか、さやかさん……」

 仁美は軽くタメ息をつき、まどかの横顔を覗き込んだ。

「ここのところ、ずっとお休みだなんて」

「……うん」

 まどかの返事は小さく、沈んでいた。

「せっかく上条くんも退院されましたのに。さやかさんに、お話ししたいこともありますのに……」

 まどかは歩みを少しだけ緩めた。

 その脳裏に、昨日のさやかとの諍いが思い出された。

 

(嫌なら、一緒に来なくてもいいよ。見てて気持ちがいいものじゃないだろうしね)

 

 まどかは強く打ちのめされていた。

 今の彼女の言葉は、決してさやかには届かないのだ、という思いだけが強くあった。

 それは、契約して魔法少女になったさやかと、未だ決断できていないまどかの立場が違うこと以上に――

(やっぱり、私は……さやかちゃんの友達になれていないのかな)

 という、悲しい予感であった。

 

 まどかがさやかと出会ったのは、彼女たちが小学五年生の頃だった。

 その年の春、まどかの一家が見滝原に引っ越してきたのだ。

 両親はまだ生まれたばかりの彼女の弟、タツヤにかかりっきりで、まどかは一人きりになったような感覚を味わっていた。

 そんなある日のこと。

 登校中に転んでしまったまどかは、ランドセルの中身を派手にぶちまけてしまい、さらに膝をすりむいてしまう。

 周りには同じ学校の生徒たちがいたが、誰もまどかを見つめるだけで、助け起こしてくれる者はいなかった。

 さらに最悪なことに、散らばった教科書やノート、父親が作ってくれた弁当まで、前日の雨で出来た水たまりに放り出されてしまっていたのだ。

 まどかの視界がじんわりと滲み、それでも必死に泣かないように我慢していた時――

「大丈夫?」

 そんな彼女に手を差し伸べたのがさやかだった。

 さやかはまどかの荷物を拾うのを手伝ってくれ、さらに彼女と同じクラスであることも明かした。

 それから二人はすぐに仲良くなった。

 まどかには友達が増え、バレンタインデーには二人でチョコレートを買いに行ったり、お互いの家に泊まりに行くこともあった。

 さやかが恭介に思いを寄せていることを知ったのも、この頃であった。

 いつしか、まどかの中で家族と同じくらいの距離にさやかが存在するようになった。

 しかし、ある時、まどかは気が付いた。

(私は、さやかちゃんに迷惑かけて、助けてもらってばかりだけど……。私がさやかちゃんの助けになっていることなんて、あるのかな)

 いつもまどかを気にかけ、守ってくれるさやかだが、まどかはもっと、さやかの為に何かしてあげたいと思うようになっていた。

 しかし、それが何かは分からない。

 このままでは、いつかさやかは自分のことを疎ましく思ってしまうのではないか……。

 そんな不安が、心の中で次第に大きくなっていった。

 せめてさやかと対等にならなければと思う程、空回りしてしまう。

 いつか、さやかにとって本当の友達になれるのか――

 このまま一生、さやかの横にいた誰かなんて、そんなのは嫌だ――

 そんな思いばかりが、どんどん強くなっていく。

 

 自己嫌悪に、まどかの瞳には知らない内に涙が浮かんでいた。

 

 

 廃ビルに発生した魔女の結界の奥で、さやかは息を切らしていた。

 目の前の魔女は、これまで遭遇したどれよりも強かった。

 それはシャコガイにタコやイカの触手を合わせたような姿をしており、頑強さと攻撃力を兼ね備えていた。

「このっ!」

 

 ガキィィィィィィィン!

 

 斬撃を入れても、硬質な殻が火花を散らして弾く。

 

 カォォォォォォォォォォッ!

 

 魔女が咆哮を上げ、その丸太のような太さの触手を振り上げる。

「ヤバい!」

 

 バキィィィィィィイィィィィィッ!

 

 魔女の触手が床を砕き、さやかはギリギリで回避した。

「くっ……! このままじゃ……」

 焦りが胸を締めつける。

 その瞬間、さやかの脳裏に、咲夜の顔がふっと浮かんだ。

 

(ちょっぴりヘビーなイースターエッグですけど、役に立つと思いますよ)

 

 懐から取り出したのは、縁が金色に輝くグリーフシード――

 手にした瞬間、金縁が脈動したような感覚がある。

 まるで心臓の鼓動のように、淡く、深く。

 一瞬、さやかの顔にためらいの色が浮かぶ。

(これ、本当に使っていいのかな……)

 が、眼前には触手が迫っていた。

 このままでは敗北は必至だ。

「やるしかない!」

 さやかはグリーフシードをソウルジェムに押し当てた。

 瞬間、視界が一気にクリアになる。

 身体が軽くなる。

 心臓の鼓動が妙に静かになる。

 魔力が、内側から溢れ出す。

 痛みまで、どこかへ消えていた。

「……軽い。身体が……嘘みたいに」

 魔女が再び触手を振り上げる。

 だが、さやかはもう恐れていなかった。

「咲夜に助けられたな。行くぞ!」

 青い残光を引きながら、さやかは魔女へ突っ込む。

 

 ザシュッ! ザシャァァァァァァァッ!

 

 さっきまで弾かれていた斬撃が、今度は魔女の殻を容易く切り裂いた。

 

 カォォォォォォォォォォォォォォッ!

 

 魔女が悲鳴を上げる。

 さやかはさらに踏み込み、二撃、三撃と連続で斬り込む。

「なんなんだろ、この強さ……! こんなの、今まで……!」

 魔女が崩れ落ちる。

 さやかは肩で息をしながら、その残骸を見下ろした。

 呼吸は妙に静かだった。

 身体は軽すぎるほど軽い。

 心臓は落ち着きすぎている。

「……これさえあれば、一人でも戦える……!」

 さやかは金縁のグリーフシードを見つめた。

 それは、まだ微かに脈動していた。

 

 

 

to be continude...

 こんにちは、アカサカです。

『モン娘TD』のギフトで得た、LG確定ガチャチケット×2を使ったところ……

 

 

 水着フリスと……

 

 

 ラードーン娘のエルタをゲットしました!

 二人ともまだ未所持で、特に水着フリスは以前から欲しかったのでラッキーでした。

 

 

 フリスはノーマルのウォリアー(槍)からソーサラーにクラスチェンジ。

 立ち絵のビーチバレーは、一つ目の個人エピソードでも題材になっています。

 

 

 エルタはヒーラー。

 実際に紹介台詞を聞くまで気が付きませんでしたが、『ボクっ娘』でした。

 

 

 といったところで、今日はこの辺で。

 どうも。ではでは。