石丸書店 アメブロ支店

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『石丸書店』のブログの別館です。
 基本的にサイトに反映される記事は書かない思います……。(^ ^;)

 という訳で、『月夜の人魚』第3話を投稿します。

 今回はついに……


魔法少女まどか☆マギカ~月夜の人魚~

第3話 私たちはしっかりと人間ですよ

 

 

 それからさらに数日後のことだった。

 咲夜の研究室に、さやかが血相変えて飛び込んできたのは。

「咲夜っ!」

「い、いらっしゃい、さやかさん。どうしたんです、そんな慌てて……」

 さすがの咲夜も呆気にとられたような表情になる。

 そんな咲夜にさやかは詰め寄ると、胸ぐらをつかんでまくし立てた。

「ねえ、咲夜! あんた言ったよね!? あたしが魔法少女になったら、強くなれるって! あたしがもっと早く決心してたら、マミさんは、マミさんは……」

 その瞳には悔しさと怒り、そして悲しみが映し出されており、目じりには涙が浮かんでいた。

「ちょちょ、落ち着いてください。一体、なにがあったんですか?」

 困惑しながらさやかをなだめようとする咲夜。

 さやかはようやく手を離すと、その場にへたり込んで嗚咽を上げ始めた。

「む~ん……怒ったり泣き出したり、せわしない人ですねぇ……」

 そんなさやかを、相変わらず困惑した表情で見つめながら、咲夜はポリポリと頭をかく。

 ようやく落ち着きを取り戻してきたさやかは、咲夜に語り始めた。

 お菓子の魔女と呼ばれる魔女との戦いで、マミが無残にも食い殺されてしまったこと。

 そこへ現れたほむらによって、魔女が倒されたこと。

 何もできず、自分もまどかも自身の無力さに打ちひしがれてしまったことなど。

 そんなさやかの話を、腕組みをしたまま黙って聞いていた咲夜だが、やがて不思議そうに言った。

「む~ん、妙ですね。魔法少女が、首を切られたくらいで死ぬなんて……」

「……は?」

 マミの死を悼むでもなく、さやかを慰めるでもなく、冷静に言い放たれた咲夜の返答に、さやかの表情が凍り付く。

「もしかして……その巴マミさん、ソウルジェムを頭につけてませんでしたか?」

「そうだけど、それがどうしたって……」

「ああ、成程! それならその方がそのまま死んでしまったことも分かります」

 一人でうんうんと頷く咲夜に、見る見るさやかの表情が変化していく。

 その顔に浮かんでいるのは――怒り。

「おい! なに一人で納得してるんだよ! 人が一人死んでるんだ! そりゃ、咲夜からしたら赤の他人かも知れないけど、私にとっては大切な先輩だったんだよ! マミさんの頭にソウルジェムがあったことと、マミさんが死んだことに、何か関係あるっていうのかよ!」

「関係あるも何も、大ありじゃないですか」

 そんなさやかの怒りを意にも介さず、咲夜は静かに言った。

「どういうこと!?」

「む~ん、その様子だと、キュゥべえからまだ詳細は聞いていない様子ですね。なるほど、道理でたまに話が噛み合わないと思いましたよ」

 合点がいったように咲夜がうなずく。

 咲夜は「パチン!」と指を鳴らすと、続ける。

「オーケー、一から教えてあげましょう。結論から言ってしまうと、私たち魔法少女は、ソウルジェムに何かない限り、たとえ肉体がどれほど傷つこうと死ぬことはありません。何故なら、ソウルジェムこそが私たち魔法少女の本体だからです」

「は……? なに、それ……?」

 これまで、さやかが咲夜との会話で感じていた違和感の正体はこれだったのだ。

 さやかの顔は、先ほどとは正反対に蒼白になっていた。

 目の前の景色がぐるぐると回り、口がからからに乾いていくのが分かった。

 それほど衝撃的な事実だったのである。

「ただの人間と同じ、壊れやすい身体のままで魔女と戦ってくれなんて、僕にはとてもお願いできないよ」

 いつの間にか現れたキュゥべえが、赤いガラス玉のような瞳を光らせて、淡々と言い添える。

「彼女たち魔法少女にとって、もとの身体なんていうのは外付けのハードウェアでしかないんだ。彼女たちの本体としての魂には、魔力をより効率よく運用できる、コンパクトで安全な姿が与えられているんだ」

 呆然と座り込むさやかをよそに、キュゥべえは平然とした様子で続ける。

「魔法少女との契約を取り結ぶ僕の役目はね、君たちの魂を抜き取って、ソウルジェムに変えることなのさ。むしろ便利だろう? 心臓が破れても、ありったけの血を抜かれても、ソウルジェムさえ砕かれない限り、魔法少女は無敵だよ。弱点だらけの人体よりもよほど戦いでは有利じゃないか」

「む~ん。どうせまた、『聞かれなかったから教えなかった』とでも言うんでしょう、キュゥべえ。そういうことはちゃんと教えてあげないと。あなたの悪い癖ですよ」

 咲夜が「ふぅ」と、軽くタメ息をつく。

「知らなければ知らないままで、何の不都合も無いからね。事実、あのマミでさえ最後まで気づかなかった。そもそも君たち人間は、魂の存在なんて、最初から自覚出来てないんだろう? そこは神経細胞の集まりでしかないし、そこは、循環器系の中枢があるだけだ。そのくせ、生命が維持できなくなると、人間は精神まで消滅してしまう。そうならないよう、僕は彼女たちの魂を実体化し、手に取ってきちんと守れる形にしてあげた。少しでも安全に、魔女と戦えるようにね」

「……ふざける、なよ」

 キュゥべえと咲夜が会話を続ける中、さやかがこれまでにないくらい低い声でつぶやいた。

 次の瞬間、さやかはガバッと起き上がり、二人に向かって怒声を浴びせる。

「それじゃ、マミさん、ゾンビにされたようなもんじゃないか!」

「……キミたちはいつもそうだね。事実をありのままに伝えると、決まって同じ反応をする。訳が分からないよ」

 そんなさやかの怒りにも、キュゥべえはまるで動じない。

 反対に、咲夜の方はこれまでとは打って変わって、僅かに不快そうな顔をした。

「失礼なことを、言うものではありません、さやかさん。私たちはしっかりと人間ですよ。では聞きますが、あなたは私がゾンビに見えますか? 巴マミさんが、ゾンビに見えましたか?」

「えっ……? それは……」

 咲夜の言葉を聞いて、さやかがはっとした表情になる。

 見れば、咲夜はこれまでさやかが見たことが無いような真剣な顔をしているではないか。

「人間が人間である所以はただ一つ。己の意志です。私は私の意志がある限り、例え培養液に満ちた水槽に浮かぶ脳みそが私の全てだったとしても。例え巨大コンピューターの記憶回路が私の全てだったとしても。私は人間です。人間は魂の、心の、意志の生き物です」

「…………」

 そこには、いつもの飄々としてお気楽な咲夜の姿は無かった。

 確たる意志を持って紡がれる咲夜の言葉に、さやかは言い返すことが出来ない。

「それに」

 と咲夜が付け加える。

「魔法少女だって傷つけば痛みを感じますし、身体は成長しますし、なんなら子供を産むことだって出来ます。ゾンビにそんなことは出来ないでしょう?」

「…………っ!」

 さやかは踵を返すと、研究室から飛び出していった。

 

 咲夜の家を飛び出したさやかは、がむしゃらに走り続けていた。

 どこをどう走ったのか分からない。

 やがてさやかは、かつてマミが薔薇園の魔女を倒した時とよく似た人気のない廃ビルにたどり着いていた。

 辺りはあの時のように、夕日に照らされている。

 ひとしきり走って息も絶え絶えなさやかはその場にうずくまった。

 ごちゃごちゃとした思いが、彼女の胸中に渦巻いている。

 思い切って吐き出してしまいたいほどの、言い表せない不快感がさやかを支配していた。

 余りにもショッキングな魔法少女の真実。

 それを知ることもなく死んだマミは幸せだったのか?

 そして、咲夜はその真実を受け入れつつ、それでも魔法少女は人間だと言った。

 再びさやかの脳裏に、マミや咲夜の言葉がよみがえってくる。

 

(他人の願いを叶えるのなら、なおのこと自分の望みをはっきりさせておかないと)

(人間が人間である所以はただ一つ。己の意志です。人間は魂の、心の、意志の生き物です)

 

 さやかは顔を上げると、朱に染められた空を見上げた。

 

 それからしばらくして、さやかは咲夜の研究室に戻って来た。

「おっ帰りなさ~い。答えは決まりましたか?」

 先ほどの様子もどこへやら、いつもの軽い調子で、咲夜が出迎える。

 そんな咲夜の前を通り過ぎ、さやかは棚の上に佇んでいるキュゥべえを真っすぐに見据えると言った。

「本当に、どんな願いでも叶うんだね?」

「大丈夫。君の祈りは間違いなく遂げられる」

 フリフリと尻尾を振りながら、キュゥべえが答えた。

「じゃあ、いいんだね?」

「うん、やって」

 さやかの答えを確認すると、キュゥべえの耳が伸び、さやかの胸に向けられる。

 

 パァァァァァァァァァァッ!

 

「ああっ!」

 さやかの胸の中心に、熱が生まれる。

 それはゆっくりと大きくなって、やがて全身に満ち満ちた。

 さらに密度を増し、今にも弾けてしまいそうだ。

 全身がはち切れそうなほど、力が一気に広がり、さやかの胸の前に青い光が現れる。

 その光景を傍らで見つめながら、咲夜がうっとりとした表情でつぶやいた。

「む~ん、美しい……。やっぱり人間は素晴らしい……」

「さあ受け取るといい。それが君の運命だ」

 キュゥべえが言い終わるのと同時に、さやかの手元にマミと同じ形――ただし青い色の、卵型の宝石が現れる。

 さやかのソウルジェムだ。

 さやかが魔法少女になった瞬間だった。

 

 

 さやかがキュゥべえと契約していたのと同じころ、まどかはもはや空き家となったマミのマンションを訪れていた。

 まどかもさやかと同じように、マミの死に大きなショックを受けていたのだ。

 その帰り道に出会ったほむらとしばらく言葉を交わした後、彼女と別れ、駅前の人ごみの中を歩いていた。

「ほむらちゃん……ちゃんと話せば、お友達になれそうなのに……どうしてマミさんとはケンカになっちゃったのかな……」

 そんなことを呟きながら、ふと顔を上げた時。

「……あれ?」

 まどかは前方に、良く見知った人影を見つける。

「仁美ちゃん?」

 緩くウェーブのかかった緑色の髪。

 おっとりとした感じの顔。

 まどか達と同じ見滝原中学の制服。

 間違いなく、彼女のクラスメートである志筑仁美である。

 だが、その目は焦点があっておらず、ふらふらと、まるでロボットのように前方に歩いていく。

「仁美ちゃん! 仁美ちゃんってば!

 追いついたまどかは、その首筋にとんでもないものを見つける。

 青く四角い縁のなかに、向かい合って手を取り合った天使のようなものが描かれた痣――

 それは、かつてマミが間一髪救った女性についていたのと同じもの。

 魔女の口づけ――

「――あら、鹿目さん。ごきげんよう♪」

 突然、まどかの方を向いた仁美が、普段と変わらない様子で挨拶をする。

「ど、どうしちゃったの? どこに行こうとしてたの?」

 恐る恐る、まどかが尋ねると、

「どこって、それは……」

 何かに魅入られたような視線で、どこか遠くを見つめ、仁美がほほ笑む。

「ここよりも、ずっと良い場所、ですわ」

 その声色は、まるで機械が話しているようで。

 そのぎこちない動きは、あの時の女性と全く同じだった。

 

 それから今、まどかは魔女の結界の中にいた。

 あれから廃工場で、仁美を含む魔女に魅入られた十数人が、洗剤を使ったガス自殺を行おうとしていたのを力ずくで止めたまどかは、人々に追い立てられ、とっさに隣の部屋へと逃げ込んだ。

 だが、気が付くとそこは元の部屋ではなかった。

 上も下も無い、逆さまになったメリーゴーランドのような螺旋状の空間。

 無数の片翼の天使の人形が、まどかの身体にまとわりついてくる。

 やがてまどかの身体は、まるで水に落とした焼き菓子のようにふやけ、ぼやけていく。

「いやだ……助けて……誰かあ!」

 まどかが悲鳴をあげる。

 そんなまどかの前に、二体の人形が羽の生えた古めかしいパソコンモニターを抱えてくる。

 その画面には、少女のような黒い影と、これまでの結界にもあった不思議な象形文字が描かれている。

 ハコの魔女と呼ばれる魔女だった。

 まどかの周囲に無数のモニターが現れる。

 そこに映されていたのは、まどかが現在、もっとも見たくない光景だった。

 昨日、まどか達の目の前で命を落とした少女。

 巴マミの姿だった。

 モニターは次々と、マミの姿を映していく。

 温かい笑顔、颯爽とした物腰、少し照れたように話す仕草……。

 そして、まどかが魔法少女になると告げた時の、嬉しそうに涙をぬぐう顔。

 

(本当に、私と一緒に戦ってくれるの? 側にいてくれるの?)

(でも、いてくれなかったのね)

(側にいてくれるって言ったのに)

(私は一人じゃないって思ったのに)

(とても、嬉しかったのに)

 

 まどかの頭の中に、自分を責めるマミの声が聞こえてくる。

 これこそが、この魔女の能力だった。

 相手の心を見透かし、そのトラウマや罪の意識を刺激し、死へと追いやるのだ。

 マミを喪ったばかりで、深く心に傷を負ったまどかには最悪の相手とも言えた。

(……罰なのかな……これって……)

 どこが上なのか下なのかわからない世界を落ちながら、まどかは思う。

(きっと、私が弱虫で、嘘つきだったから……バチが当たっちゃったんだ……)

 そう思った瞬間、まどかの身体から抵抗する力も消えてしまう。

 まどかの身体は、四方八方から無数の使い魔たちに引っ張られ、ギリギリと骨が歪み、肉が裂かれて――

 今やまどかの命も風前の灯火……と思われた。

 その時だ。

 

 シュバッ! シュバババッ!

 

 無数の青い閃光が走り、まどかにまとわりついていた使い魔たちが粉砕される。

 解放された彼女の目の前に降り立ったのは……

「さやか……ちゃん?」

 信じられない、といった表情でまどかが呟く。

 藍色の衣装。

 白いマント。

 手にはサーベルのような刀を携え、さやかはゆっくりとまどかの方を振り返る。

 少し離れたところでは、咲夜がハンドル付きのオペラグラスを手に、さやかの姿を眺めていた。

「む~ん……さて、お手並み拝見といきましょうか♪」

 楽しそうに呟くその眼前で、さやかは行動を起こしていた。

 無言で長剣を閃かせ、使い魔たちを問答無用で切り捨てていく。

 ステップを踏むように、舞い踊るように、流れるような足さばきで、次々とテレビモニターを破壊していく。

 やがてさやかは、勢いよく上段に刀を振りかぶり叫ぶ。

「これで、トドメだあ!」

 

 ズシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!

 

 その刃は、風を巻くように円を描き、結界ごと、周囲に満ちていた悪意ごと、魔女を木っ端みじんに吹き飛ばすのだった。

 

「いやー、ごめんごめん。危機一髪ってとこだったね」

 照れたように頭の後ろで手を組んで、さやかが笑う。

 元の暗い廃工場で、まどかは改めて、魔法少女となったさやかと向き合っていた。

 その目は、目の前にいる幼馴染が魔法少女となったことがまだ信じられない、といった様子だった。

「さやかちゃん、その恰好……」

 ようやく絞り出すように呟いたまどかに、さやかはあくまで明るく返す。

「ん? いやまあ、心境の変化っていうのかな。大丈夫だって。初めてにしちゃ上手くやったでしょ?」

「でも……」

 まどかは何と言ってよいのかわからず、ただ言葉を無くして目の前で笑うさやかを見つめていた。

 その時。

「あなたは……」

 背後から声がかかる。

「ふんっ、遅かったじゃない。転校生」

 さやかが挑発的な言葉を投げかけるその先には、どこか呆然と佇むほむらがいた。

 さやかはほむらに剣先を向けると、続ける。

「この町は、これからあたしが守る。マミさんの代わりはあたし。つまり、あんたは不要ってわけ」

 そのさやかの言葉に、ほむらは悔しそうに唇を噛むが、やがて踵を返すと去って行った。

 ほむらの姿が消えるまで、長剣を構えていたさやかだったが、彼女の姿が見えなくなると、「ふう」とため息を一つつき、剣をおろす。

 そこへ、

「む~ん、ブラァヴォー! 素晴らしい! もし苦戦するようなら加勢しようかと思っていましたが、初陣から一人で魔女を倒してしまうなんて……。あなたはやはり、私が想像した以上の逸材でした!」

 パチパチと拍手をしながら、咲夜が満面の笑みを浮かべて歩いてきたのだ。

「え、誰? 何? 誰……?」

 暗闇から突然現れた咲夜に、まどかはただ戸惑うのみだ。

 そんなまどかをよそに、咲夜はまどかをあちこちから眺めると、ニッコリ笑って言った。

「な~るほど。あなたが例の幼馴染さんですね。いやぁ、想像していたより小っこくって、可愛らしいですねぇ♪」

 ちなみに咲夜もまどかも、身長はともに152cmである。

「ちょっと咲夜! まどかに変なことしないでよね!」

 さやかが咲夜を遮るように、彼女とまどかの間に割って入る。

「む~ん、変なことって何です。何もしやしませんよ~♪」

「あの……あなたは?」

「ああ、失敬失敬。自己紹介がまだでしたね。私の名前は美月咲夜。さやかさんとは協力関係にある者です」

 スッと右手を胸の前に掲げ、咲夜がまどかに向かってペコリと頭を下げた。

 

 まどかと咲夜が初邂逅を遂げていた時、見滝原市を見下ろす、小高い山に建った鉄塔の上で――

「まさか君たちが来るとはねえ」

 そこにはキュゥべえと一緒に、二人の少女がいた。

「マミの奴がくたばったって聞いたからさあ。わざわざ出向いてやったってのに。ちょっと話が違うんじゃない?」

 水色のスポーツパーカーを着て、赤い髪を頭の上で結った少女が、手にしたクレープを食いちぎるように頬張りながら、不機嫌そうに言った。

「巴マミか……手練れだっつーから、一度手合わせしてみたかったんだが……。魔女なんかにやられるなんざ、苛立たしいぜ!」

 もう一人は、グレーの制服に身を包み、ブラウンの髪を襟足で一つ結びにしている。

 傍らには大事そうに、布袋に収めた竹刀を携えていた。

 二人そろって、気の強そうな眼つきをしている。

「悪いけど、この土地にはもう新しい魔法少女がいるんだ。ついさっき契約したばかりだけどね」

「何それ? 超ムカつく……」

 クレープをかじる手を止めずに、赤髪の少女が呟く。

「でもさあ、こんな絶好の縄張り、みすみすルーキーのひよっ子にくれてやるのも癪だよねぇ。でしょ、瀬利?」

「ま、そうだな。巴マミがいないってんなら、そいつの手並みを拝見するってのもいいかも知れねえし、な」

「どうするつもりだい、杏子? 瀬利?」

「決まってんじゃん。ブッ潰しちゃえばいいんでしょ? ……その子」

 シニカルな笑みを浮かべて、赤髪の少女が言う。

 赤い髪の少女は佐倉杏子。

 茶色の髪の少女は筑紫瀬利といった。

 どちらも風見野市からやってきた魔法少女である。

 

 

 

to be continued...


 余談ですが、さやかとハコの魔女の戦いのシーンは、『仮面ライダーガヴ』の『最後の審判』を聞きながら読んで頂けたら雰囲気でるかと(笑)。

 こんばんは、アカサカです。

 本日始まった、『デタリキ』の水泳部ガチャ・後半を引いてみましたが……。

 

 

 無事、ミミーをゲットしました。

 

 

 

 しかも10連。

 やったぜ!

 

 本命はエミット様なので、もうちょっと引きたいところですが、前回のルカちゃんで結構課金しちゃったからなぁ……。

 

 悩むところです。

 

 

 といったところで、今日はこの辺で。

 どうも。ではでは。

 という訳で、『月夜の人魚』第2話を投稿します。

 

 前回はプロローグ的な感じでしたが、今回から本格的に話が動いていきます。

 という訳で、早速スタート!


魔法少女まどか☆マギカ~月夜の人魚~

第2話 あたしに、そんな力が……

 

 

 翌日、さやかは一人で指定された場所を訪れていた。
 まどかやマミには「今日は急用が出来た」と説明している。
 何となく、咲夜のことを話すのに後ろめたさがあったのだ。
 そこは見滝原市の郊外に建っている洋風の一軒家で、あまり手入れされた様子はない。
 一見すると廃墟と間違えても仕方がなかった。
「本当に……ここだよね?」
 さやかは渡されたメモとスマホの地図アプリを何度も見比べながら、目の前の建物を不安げに見つめる。
 やがて決心がついたのか、恐る恐る、玄関のドアノブに手をかけた。

 ガチャ……

 鍵はかかっていなかった。
「おじゃましま~す……」
 そのままゆっくりと中に入っていった。
 ほこりの積もった古ぼけたフローリングの廊下を進み、地下へと続く階段を下りていく。
 やがて、学校の教室位の広さの部屋に出た。
 部屋の中では、咲夜が椅子に座って机に広げた資料を読んでいたが、さやかの気配を感じると、顔を上げて嬉しそうに笑みを浮かべる。
「やあやあ、美樹さんでしたっけ? いらっしゃい。ここが、私の研究室です。ああ、座りたかったら好きなとこ座って下さい。どこ座っても汚いけど」
「うわ……」
 思わずさやかの口から呆気にとられた声が出る。
 出迎えた咲夜の言う通り、部屋の中はすさまじい有様だった。
 床には資料やゴミや、何に使うのか分からない部品などが散乱し、足の踏み場もない。
 壁には一面に何かの資料が貼り付けてある。
 棚の上にはさかやが見たこともないような無数の機械が並び、グリーフシードや魔女の使い魔と思わしき生物が浸かったホルマリン漬けのようなものまでいくつもあった。
 その異様な光景に、一瞬さやかの足がすくむが、咲夜の方を向くと尋ねた。
「あの、家族の人は……?」
「む~ん? 居ませんよ、そんなの」
「えっ?」
 あまりにもあっけらかんと返され、逆にさやかの方が面食らってしまう。
「私は、妾の子ですので」
「妾って……」
「ああ、分かりにくかったですか? いわゆる『愛人の子』という奴ですね」
「そんな……」
 衝撃的な内容をさも普通のことのように話す咲夜に、さやかは言葉が出なかった。
 マミの時もだったが、これまで何不自由なく暮らしてきた十代の少女には重すぎる話だったのだ。
「ま、幸い私にはこのオツムがありましたので……飛び級で博士号を取得してからは、孤児院を出て気ままな一人暮らしという奴です」
 そんなさやかを気にすることもなく、咲夜は自分の頭をコンコンと指で叩き、おどけるように言った。
「えっと……美月さんって……」
「咲夜で結構ですよ?」
「それじゃあ……咲夜って、魔法少女や魔女を研究してるんだよね」
「む~ん、半分当たりで半分外れ。私が研究しているのはさらにその先……私は『超魔科学』と呼んでいます」
「超魔科学……?」
 そのギャップのある名前に、さやかの顔に困惑が浮かぶ。
 魔法と科学、その二つは、全く正反対のものに思えたからだ。
「む~ん、実は魔女や魔法少女は、世間で思われているような超常的なものではありません。科学的に解明が出来るものなのです。そこで私は、科学と魔法を組み合わせて、新しい理論を作りだしました。それこそが超魔科学です」
 まるで「いただきます」の挨拶や、神社でお参りする時のように、咲夜が両手を合わせて言った。
「それなら……咲夜はどんな願い事をしたの?」
 さやかが咲夜に尋ねる。
 自分と同い年ながら、それまで想像もつかない人生を歩んできた咲夜。
 魔法と科学の融合と言う、マミですら考えつかないであろうことを研究している咲夜。
 そんな咲夜が、どんな願いで魔法少女になったのか気になったのだ。
「む~ん……私が願ったのは、歴史上の科学者や発明家の頭脳です」
「えっ?」
「ノーベルのダイナマイト。エジソンの電気科学。パスツールの細菌化学。メンデルの遺伝学。シュトラスマンらの核分裂……それらの知識、ひらめきを、私の頭脳にそっくりそのままコピーしてもらいました。最初はアカシックレコードを望んだのですが、未来まで分かってしまうのはつまらないですからね」
「…………」
 なお、アカシックレコードとは、元始からのすべての事象、想念、感情が記録されているという世界記憶の概念のことである。
 その途方もないスケールの願いに、さやかはただポカンと口を開けることしかできなかった。
「ところで……。あなたも魔法少女として、かなりの才能を秘めているようですね」
「えっ、あたしが……?」
「む~ん。私の見立てでは……」
 咲夜の手に、天辺に三日月の意匠が施された、やたらとファンシーなルーペが現れる。
 魔法で出した物だ。
 咲夜はルーペ越しにさやかを見つめると、続ける。
「あなたが魔法少女になれば、相当に強い力を持つことが出来ると見ています。そもそも、キュゥべえは才能の無い人には声をかけませんしね。あなたの周辺にも、これまでそんな人はいなかったでしょう?」
「そう言えば……」
 咲夜の言う通り、さやかの周囲に、これまで魔法少女と思える人間は皆無だった。
 彼女とまどかの友人である、志筑仁美にしてもそうである。
 それこそ今まさに魔法少女としての活躍を見学しているマミと、最近やって来た転校生――暁美ほむらくらいのものだ。
「あたしに、そんな力が……」
 まだ信じられないといった様子でつぶやくさやか。
 そんな二人のやり取りを、いつの間に現れたか、キュゥべえが静かに見つめていた。

 

 

 さやかが咲夜と知り合って数日が経った。

 その間、さやかは何度か咲夜に会いに行ったが、マミやまどかにはそのことを伏せていた。

 と言うのも、一度マミに咲夜のことを話したことはあったが、

 

「その子……怪しくないかしら? そこまで詳しく色々知ってるのに、まるで隠れるように活動しているみたいだし。……それに、美樹さんに魔法少女になるように勧めているようにしか思えない。……全面的に信用するには、様子を見た方がいいわね」

 

 と言われたからだ。

 それでもさやかが咲夜に会っているのは、マミとはまた違った魔法少女である彼女の話に興味を惹かれたからだった。

 たまに話が嚙み合わないこともあったが、さやかは自分がまだ魔法少女ではないため、話が理解できていないのだろうと思い、深く考えなかった。

 あるいは、魔法と科学の両方を操る咲夜の技術に、心のどこかで上条恭介の腕を治すことが出来るかもしれない、という希望を抱いていたのかも知れなかった。

 

 その日、さやかは再び咲夜の元を訪れていた。

 ただ、その日は一つだけ、いつもと違うことがあった。

 先客がいたのである。

 玄関に入ろうとしたところで、さやかは彼女とすれ違った。

 それはさやか達よりもずっと年下の少女で、ふんわりとした雰囲気を持っていた。

 腰まで届くブラウンの髪。

 左側をワンサイドアップでまとめ、リボンをつけている。

 ミッション系スクールの緑色の制服に身を包み、ベレー帽をかぶっていた。

 その目は柔らかそうな雰囲気を持ちつつ、高い知性の光をたたえている。

 さやかは知らなかったが、神浜市で活動する魔法少女のコミューン、『マギウス』を率いる里見灯花という魔法少女だ。

 灯花はさやかに気が付くと、「くふっ」と笑い、軽く会釈をして去っていく。

 さやかも会釈を返すと、その後ろ姿を見送り、家の中へ入っていった。

「やあ、いらっしゃい。コーヒー飲みます?」

 いつものように人懐っこい笑顔を浮かべて咲夜は言った。

「咲夜……今の子って、友達?」

「ああ、灯花さんに会ったんですか?」

「会ったって言うか、そこですれ違っただけだけど……」

「神浜市に住んでる友達です。そこそこ長い付き合いになります」

「へえ……咲夜、友達なんていたんだ」

 さやかの言葉に、咲夜はこの娘にしては珍しく、むくれた表情で言った。

「む~ん……私にだって友達の一人や二人いますよ……」

 

「……それで、え~っと……何だっけ、上条恭介さんでしたっけ? 具合はどうなんですか?」

「やっぱり、ダメだって。今の医学じゃ、恭介の腕は治らないって……」

 出されたコーヒーに口を付けることもなく、さやかは俯いて絞り出すように言った。

「む~ん……それで、さやかさんは彼の為に契約しようか迷っている、という訳ですね」

 まるで問診をする医者のように、片手に持った資料を読みながら咲夜がコーヒーをすする。

 こくり、とさやかが頭を縦に振った。

「そうだ。咲夜、あんたのその超魔科学とかで、何とかできない?」

「む~ん……生憎と私は回復魔法は得意ではないのですが……。ですが、例えば脳からの生体電気を感知して、生身の腕と同じように動かせる精巧な義手を作るとか、彼の細胞からクローン培養した新しい腕を作って移植する、といった方法でいいなら、出来ないこともないですが……?」

 あっけらかんと咲夜が言った。

 どうにも論理感が欠如している。

「駄目! それは駄目だよ。そんなの『治った』って言えないじゃん……」

 案の定、嫌悪感をあらわにしてさやかが拒絶する。

(む~ん……魔法で治すのも、大して変わらないと思いますけどねぇ……)

 咲夜は呆れたような表情を浮かべつつ、コーヒーをすするのだった。

 

 

 

to be continued...

 

咲夜「む~ん。今日はミミック娘のアスタさんから、ミミックを紹介したいと思います」

 

ナツミ「ミミック……王道のトラップモンスターね」

 

 

咲夜「こちらがアスタさんです」

 

ナツミ「見た目は宝箱の中に座ってる女の子にしか見えないんだけど」

 

 

咲夜「む~ん。後述しますが、ミミックは『空の宝箱に棲んでいる』というパターンもあるので、間違いではないですね。『強靭な宝箱に潜んでいる』という見た目の通り、クラスはガーディアンです」

 

 

咲夜「また、原典のミミックが『大口を開けたビジュアル』のイメージからか、彼女はかなりの健啖家というキャラクターになっています」

 

 

咲夜「それから箱の中ですが、個人エピソードを見る限り、かなり狭くはあるものの、人間二人分のスペースはあるようです」

 

ナツミ「まるでド●えもんの四次●ポケットみたいね……」

 

 

咲夜「さて、それでは原典のミミックの説明に移ります。ミミックは神話などを期限とするモンスターではなく、初出は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』と言われている、比較的新しいモンスターです」

 

ナツミ「これまで紹介した中だと、スライムなんかも比較的新しいモンスターだったわね」

 

咲夜「そうですね。丁度その『D&D』ではアメーバのような不定形の生物で、形状、質感、色味を自在に変化させることができるとされています。『他のものに姿を変える能力を持つ“シェイプシフター(Shapeshifter)”と総称される怪物の一種。宝箱そっくりの姿をしており、ダンジョンや廃墟の中で数々の難関を乗り越えた冒険者が見つけて宝箱の中の財宝を手に入れるべく開けようとすると、箱の口が牙だらけの口と化して襲いかかり、冒険者は手痛いダメージを受けるというものである。宝箱が本物の宝箱かミミックかを見分ける方法として、特に有効なものはない。距離を置いて攻撃することで見分ける方法も考えられるが、本物の宝箱であった場合は肝心の中身が壊れてしまうことがあり得るうえ、宝箱に罠が仕掛けられていた場合はそれが発動する可能性もあるため、有効とは言いがたい』……とのことです。登場作品では上述の『宝箱そのもの』に擬態しているパターンと、ヤドカリのように空の宝箱を住処にしているパターンがあります」

 

ナツミ「そう言えば『ダンジョン飯』のミミックなんかはもろにヤドカリみたいな見た目だったわね」

 

 

ナツミ「ところで咲夜。あなた、最近管理人の新しい作品にも出てるみたいじゃない」

 

咲夜「あー……あれは『店舗日誌』の私とはパラレルな設定ですので」

 

ナツミ「そんなことを言うなら、ここの私たちも厳密には『店舗日誌』とはパラレルじゃない」

 こんばんは、アカサカです。

 今日の0時から開始された『デタリキ』の新水泳部ガチャ、意を決して一万Pチャージして引いたところ……

 

 

 何とかお目当てのルカちゃんをゲットしました。

 ディスコ―ドの情報によると、記事タイトル通り(総選挙コスなどを除けば)実に5年半ぶりだそうです。

 

 

 因みに最初に3000Pのガチャを引いた時は恒常ミオさん、次に1000Pガチャを引いた時には恒常風香さんが出ました。

 なんとか最後の5000Pガチャでゲット出来て良かったです。

 

 

 イベントの内容からして、次回はせきさん、ミミー、エミット様が加わるでしょうが、エミット様はゲットしたいなぁ……。

 

 

 といったところで、今日はこの辺で。

 どうも。ではでは。

 こんばんは、アカサカです。

 はい、という訳で、今日から以前から企画していた『まど☆マギ』の二次小説『月夜の人魚』を週一で投稿していきたいと思います。

 

 実はまだ第5話までしか出来ていないのですが、『ワルプルギスの廻天』の公開が迫ってますし……。一応、当方オリジナルの要素も色々と盛り込んでいるのですが、万一それと被って「パクリ」と言われるとあれなので……(そう言われるほどお客様がいるブログでもないですが)。

 

 ……あ、AIは使ってないですよ、念のため。ChatGPT、Gemini、Copilotそれぞれにプロットや本文を見せて感想をもらったりはしましたが(個人的な体感だとChatGPTが一番“ズレ”が少なかった)。

 

『店舗日誌』で使おうと思っていた要素も、色々と前倒しで出てきます。

『ブロガーリーグ』と並んで力を入れている企画なので、コメントなど頂ければ嬉しいです。m(_ _)m

 

 

 では、スタート!


魔法少女まどか☆マギカ~月夜の人魚~

第1話 私の研究室に来ませんか?

 

 

 これは、複雑に絡み合う並行世界の中で、あったかも知れない物語――

☆  

「ティロ・フィナーレ!」

 ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!

 マミが構えた巨砲から特大の光弾が放たれ、その先にいた怪物――魔女の使い魔を木っ端みじんに粉砕する。
「や……やった!」
「すげえ、マミさん!」
 その様子を少し離れたところから眺めていたまどかとさやかが歓声を上げた。
 同時に、結界が解除され、元の公園へと風景が戻っていく。
「やっぱマミさんはカッコイイねえ!」
「もう、見世物じゃないのよ。危ないことしてる、って意識は忘れないでおいて欲しいわ」
 興奮した様子で飛び跳ねるさやかに、マミは苦笑しながら答えた。
 まどかとさやかがキュゥべえ、そしてマミと知り合って数日。
 いつものように、マミの魔女退治に同行した帰り道のこと。
「二人とも、何か願い事は見つかった?」
 ふと、前を歩いていたマミが、まどかとさやかに尋ねる。
「うーん……まどかは?」
「……う~ん」
 二人の様子に、やがてマミはくすくす笑いながら言った。
「まあ、そういうものよね。いざ考えろって言われたら」
「……マミさんは、どんな願い事をしたんですか?」
 何気なく尋ねたまどかの言葉に、ピタリとマミの足が止まる。
 その顔は、どこか暗く沈んでいるように見えた。
「……いや、あの……どうしても聞きたいってわけじゃなくて……」
「ううん、いいの。別に隠すほどのことでもないし」
 フッと寂しそうに微笑んで、マミが話し出す。
「私の場合は……考えている余裕さえ無かったってだけ」
 家族でのドライブの帰り。
 自動車事故に巻き込まれて両親を失い、自分も死ぬところだったこと。
 その話に、まどかもさやかも言葉を失っていた。
 家族を失った挙句、人々を守る魔法少女になる……そんな彼女の歩んできた道の重さに、まどかもさやかも、かける言葉が見当たらなかった。
「後悔してるわけじゃないのよ。今の生き方も、あそこで死んじゃうよりは余程良かったと思ってる」
 何かを振り切るように、マミは言った。
「でもね、ちゃんと選択の余地のある子には、きちんと考えたうえで決めてほしいの。私に出来なかったことだからこそ、ね」
 すると、突然さやかが口を開いた。
「ねえ、マミさん。願い事って……」
「……うん?」
「願い事って……自分のための事柄でなきゃ……駄目なのかな?」
 その表情は、いつも冗談ばかり言っている普段の彼女からは想像もつかない、まどかですら滅多に見ない真剣なものだった。
「例えば……例えばの話なんだけどさ。あたしなんかより、よほど困ってる人がいて、その人の為に願い事をするのは……」
「それって、上条くんのこと?」
 まどかが訪ねると、さやかは途端に我に帰り、顔の前で慌てて手を振る。
「たとえ話だって言ってるじゃんか!」
「問題はないよ」
 横からキュゥべえが口をはさむ。
「別に契約者自身が願い事の対象になる必然性は無いんだ。前例もないわけじゃないし」
「でも、あまり感心出来た話じゃないわ」
 見れば、マミは厳しい表情をしている。
「他人の願いを叶えるのなら、なおのこと自分の望みをはっきりさせておかないと。美樹さん、あなたは彼に夢を叶えてほしいの? それをも彼の夢を叶えた恩人になりたいの?」
 その言葉に、さやかは黙り込んでしまう。
「同じようでも全然違うことよ、これ」
「……その言い方は、ちょっと酷いと思う」
 ぎゅっと手にしたバットを握りしめ、さやかは悔しそうに俯く。
「ごめんね。でも今の内に言っておかないと。そこを履き違えたまま先に進んだら、あなた、きっと後悔するから」
「…………。そうだね。あたしの考えが甘かった。ごめん」
 やがて呟いたさやかに、マミはにっこりとほほ笑んだ。
「やっぱり、難しい事柄よね。焦って決めるべきではないわ」
「僕としては、早ければ早いほどいいんだけど」
 軽口をたたくキュゥべえに、
「駄目よ。女の子を急かす男は嫌われるぞ」
 マミが茶化した返事をして、一同は笑顔になるが、さやかの瞳にはまだ苦いものが浮かんでいた。

 まどかやマミと別れたさやかは、街頭に照らされた夜道を歩いていた。
 彼女の頭に、先ほど別れ際にマミから受けた忠告がよみがえる。

(他人の願いを叶えるのなら、なおのこと自分の望みをはっきりさせておかないと)
(美樹さん、あなたは彼に夢を叶えてほしいの? それをも彼の夢を叶えた恩人になりたいの?)

 ただ一度の機会。
 一度きりの願い。
 それと引き換えに失われる、これまでの日常。
 予期しない経緯で、考える余裕も無い中、魔法少女になってしまったマミは、あえて厳しいことをさやかに言った。
 それは理解できる。
 改めてさやかは考え込んでいた。 
(あたしはどうしたい……? あたしが願うのは……?)
 が、そんな状態では前方に注意が行くわけもない。
 ふらふらと前に進んでいたさやかは、

 ドンッ!

「うわっ!」
「むんっ!」
 案の定、曲がり角で出会い頭に誰かとぶつかってしまい、派手に荷物がばらまかれた。
 ぶつかった相手は小柄な少女だった。
 年はさやかと変わらないだろう。
 暗く長い金髪をツインテールにまとめ、水色のリボンをしている。
 赤い縁の眼鏡をかけ、ややぶかぶかの白衣をまとっていた。
 見るからに研究者といった風情の格好だ。
「いたたた……ごめん、考え事してて。大丈夫?」
「む~ん、こちらこそ」
 尻餅をついている少女に手を差し出すさやかだったが、ふと、ばら撒かれている荷物の中に混じっていた物を見かけて目を見開く。
「グリーフシード……!?」
 口をついて出た言葉にハッとなるが、相手はしっかりとその言葉を聞いていた。
「む~ん? あなた、グリーフシードを知っているのですか?」
 慌てて口を押えるが、こうなってしまってはもう、誤魔化しようがない。
 よく見ると、相手の少女は左手の中指に指輪をはめており、その爪には三日月型の紋様が描かれている。
 しかもグリーフシードを持っているとなれば答えは明白だ。
「あんた……魔法少女なの?」
「はい、魔法少女の美月咲夜と申します」
 パンパンと白衣をはたきながら立ち上がった少女は、屈託のない笑みを浮かべて自己紹介をしてきた。
「それで……グリーフシードを知っているということは、あなたも魔法少女なのですか?」
「いや、あたしはまだ……」
 言い淀むさやかに、咲夜は小首をかしげる。
「む~ん? もしかして、キュゥべえに声をかけられたはいいものの、魔法少女になるか考え中……といったところですか?」
「あ、うん。そんな感じ……。今、魔法少女の先輩と一緒に魔女退治を見学しててさ。それで……」
 再びさやかの脳裏に、マミの言葉が浮かび、歯切れの悪い返事をする。
 そんなさやかの答えに、咲夜はふむふむと一人で頷いていたが、やがて「ポン」と手を打った。
「そうだ。それなら、一度私の研究室に来ませんか? 参考資料は多い方がいいでしょう?」
「ええっ!?」
 戸惑うさやかに咲夜が畳みかけるように言った。
「む~ん、私も私の研究を人に披露する機会がなくて……何せ魔法少女や魔女なんて、一般に知られている存在ではありませんし」
 今にもさやかを引っ張り出しかねない勢いの咲夜だったが、さやかはそれを押しとどめる。
「ちょっと、待ってよ。いきなりそんなこと言われても困るし……それに、これ以上遅くなったら親が心配するし……」
「あ、そっか。それもそうですね。でしたら……」
 咲夜は懐に手を突っ込むと、紙切れとペンを取り出し、素早く何かを書き込むと、さやかに手渡した。
「気が向いたら、いらして下さい。ほとんど留守にしていることは無いかと思いますので」
 それは咲夜の住所と電話番号が書かれたメモだった。

 

 

 

to be continued...

 こんにちは、アカサカです。

 月が替わったので、『デタリキ』で5,000DMMポイントチャージしてガチャを引いたところ……

 

 

 何とか、制服香織里さんをゲットしました!

 

 

 今回は香織里さんでもレイヴェルでもどちらでも嬉しかったので、無事にゲット出来て良かったです。

 

 

 キャミ新コスのムーリン&セイナさん、ロリ園乃さん、レンファ、つかささんのレビューが終わったら、こちらも紹介したいと思います(どんだけ溜め込んどんのや)。

 

 

 といったところで、今日はこの辺で。

 どうも。ではでは。

 

 

 

あと3日

 

前回の、ブロガーリーグは!

 

 

 ハァイ皆さん!(C.V.笹井浩生)

 アマダムのデータから、web世界を取り戻す使命を与えられた青年ですが……

 

 

カッ!

 

 

ビュゥゥゥンッ!

アナザーアギト「うおっ!」

 

 

 光に包まれたと思ったら……

 

 

 なんと、仮面ライダーの姿に変身してしまいました!

 

 

 その後青年は、無事にカイオーさんと合流することに成功!

 

 

 一方でカイオーさんを探すかもめさんは、ガンダムガギエルに襲撃されていましたが……

 

 

Hunting Wolf! Impact!

ドガァッ!

 

 

ガギエル「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 

 カイオーさんの活躍で、無事にガギエルを倒すことに成功!

 

 

 そして青年には『ルウガ』というHNがつき、次のブロガーを探しに出るのでした!

 

 

 

続きを読む

 こんばんは、アカサカです。

 という訳で今日は……

 

 

 総選挙コスも〆、瑛里ちゃんのコスを紹介したいと思います。

 ……「総選挙終わってどんだけ経ってんだ」なんて言う人は「無罪である」(byクインテッサ星人)

 

 

 では早速、瑛里ちゃんのお部屋へ。

 因みに画像の衣装は、去年の総選挙の決勝コスです。

 

 

 という訳で、お着換え。

 今回の反応は普通です。

 

 

 全身図。

 同型の魔法少女コスは小梅さんなどもありましたが、残念ながらイベントには瑛里ちゃんは未登場でした。

 

 

 背中側。

 記事タイトルにもありますが、今回のこのタイプの衣装は、この瑛里ちゃんの物しかゲットできませんでした。

 

 

 さて、今回のコスにも限定ポーズが付いていまして……

 

 

 これを選ぶと、魔法のステッキを構えたポーズをとってくれます。

 

 

 といったところで、今日はこの辺で。

 どうも。ではでは。

 

スカルザラック「今日は久々に、中津にカレーば食いに行かんね?」

 

ブレイドテイル「中津でカレーっつうと……あそこか」

 

 

~中津市~

 

スカルザラック「着いたばい」

 

ブレイドテイル「福沢諭吉旧居か。懐かしいな」

 

 

スカルザラック「という訳で、当然、今日はここたい」

 

 

スカルザラック「『諭吉コルリ』。中津で老舗のしょうゆメーカー、『むろや醤油』が2021年8月24日、福澤旧居レストハウスで開店したカレー屋たい。月イチで、子供100円大人200円でカレーをおかわり自由で提供する『コルリこども食堂』ってサービスもやっとるとよ」

 

 

ブレイドテイル「……なんか値上がりしてるな」

 

スカルザラック「このご時世やけんね。仕方なか」

 

 

スカルザラック「もともと福沢諭吉旧居のレフトハウスやけん、お土産も売っとるばい」

 

 

ブレイドテイル「このゆったりした空間も魅力だよな」

 

 

スカルザラック「カレーば頼めば、サラダバーもおまけについてくるとよ」

 

 

スカルザラック「開店当初はドリンクバーは別料金だったばってん、今ではカレーと自動的にセットになっとるばい」

 

ブレイドテイル「これは有難いよな」

 

 

スカルザラック「白い皿は単品セット用、黒い皿は萬腹セット用ばい。ちなみに皿自体も、萬腹セット用の方が微妙に大きかとよ」

 

 

スカルザラック「他にも、福神漬けやスパイスなんかも置いてあると。カレー粉を炒めて作ってあるばい」

 

 

スカルザラック「という訳で、単品セットと味噌から揚げば頂くばい。それじゃあ……」

 

スカルザラックブレイドテイル「頂きます!」

 

 

ブレイドテイル「相変わらず、具は肉と玉ねぎだけだが、隠し味の醤油と味噌がいい味出してるな」

 

 

スカルザラック「オレは味噌から揚げも頂くばい」

 

 

スカルザラック「ん-、やっぱり出来立てはアツアツで、味噌の隠し味と鶏肉のジューシーさが美味か~!」

 

 

ブレイドテイル「カレーに入れて、唐揚げカレーにしてもいいな」

 

 

ブレイドテイル「サラダはドレッシングがオーロラとゴマと選べるぜ」

 

 

スカルザラック「因みに、ここがむろや醬油の本店たい。三百年以上の歴史があると」

 

 

スカルザラックブレイドテイル「ご馳走様でした!」

 

諭吉コルリ

大分県中津市留守居町591

TEL:0979-22-0207
営業時間:10:00~17:00(カレーの提供は11:00~14:00)〈定休日〉12月31日 ※営業日は福澤旧居・記念館と同じ

単品セット:700円

味噌から揚げ(3個):280円

 

※各データは2026年6月現在のものです。