
アカサカ「今日は高千穂にバスツアーに行くぞ」
ルルゥ「高千穂……なの?」
めぐみん「早速用意してきますね」
~場面転換~

アカサカ「今日は博多のバスセンターからバスに乗るぞ」

アカサカ「おなじみの基山のPAに寄ってから……」

アカサカ「まずは熊本の幣立神宮だ」

アカサカ「社伝によれば、神武天皇の孫である健磐龍命が、阿蘇に下向した際この地で休憩し、眺めがとても良い場所であると、幣帛を立て天神地祇を祀ったんだとさ」
バジりん「そうなので御座いますね」

コゴエル「お、見えてきたで」

幻「まずはお参りじゃのう」
ルルゥ「なの」

アキバ「わ~、見て見て! 水がすっかり凍ってるよ!」
コゴエル「最近は冷えるからなぁ……」

めぐみん「ん、本殿の左にも道がありますよ」

アカサカ「『東御手洗』……行ってみるか」

サタンダー「いやはや、こちらも霜が降りているであるですぞ」

アキバ「やっと着いた~」

アカサカ「入口の立て札によると、皇孫ニニギ尊がここの神水で全国の主要地を清めたり、中国の始皇帝が不老不死の霊薬をこの神水に求めたり、色々と由緒正しい水らしいな」

幻「ここにもお宮が建っておるのう」
アキバ「行ってみよー!」

めぐみん「お参りをして……」

アカサカ「由緒正しい御神水を、ちょっと頂きますか」

めぐみん「さっそく日本神話に縁が深そうな場所でしたね」
コゴエル「せやなぁ」
サタンダー「いやはや、我輩も神聖な水と聞いて、何やら心が洗われたようであるですぞ」
~場面転換~

アカサカ「さて、今度は高千穂峡でお昼だ」

幻「立派な建物じゃのう」
バジりん「昔の庄屋の住まいを改装したものだそうですよ」

ルルゥ「まるで神社みたいなの」

アカサカ「お昼はこれだ」
バジりん「見るからに豪華で御座いますねぇ……」

アカサカ「牛肉は宮崎牛で……」

アカサカ「宮崎と言えばのチキン南蛮も付いてる」
バジりん「マスター、手前の緑色の器は?」
アカサカ「ああ、これはかっぽ酒を注いでくれる器だよ」

アカサカ「ひょうたん型の皿に入ってる油味噌は、機内食にも採用されてるそうだ。デザートは雑穀のぜんざいだってさ」

アカサカ「それから煮しめは、夜神楽煮しめっていって神楽の時に作られてた物らしい」

幻「この箱は何じゃ?」

アキバ「どろ~ん、キノコの炊き込みご飯らしいよ」

アカサカ「さて、それじゃ早速いただこう! 従業員さんによると、熱いうちにって事で、一気に焼いた方がいいらしいぞ」

アカサカ「薬味は右が柚子胡椒で、左は唐辛子らしい」

めぐみん「ん~~~っ! 柔らかくて最っ高です!」

サタンダー「いやはや、柚子胡椒を乗せて頂いても美味であるですぞ」

バジりん「唐辛子を乗せてもいけますよ」

バジりん「美味しゅう御座いましたねぇ」
アキバ「Tくんにも食べさせてあげたかったなー」
アカサカ「さて、一度バスに集合してから……」

アカサカ「少し歩くぞ」

幻「主様、どこに向かっておるのかえ?」
アカサカ「そりゃもちろん……」

アカサカ「ここだ」
アキバ「うっひゃー! いい眺め!」

めぐみん「これが高千穂峡……実際に見るのは初めてです。奪取er協会の記録では、1934年(昭和9年)に『五箇瀬川峡谷(高千穂峡谷)』として国の名勝、天然記念物に指定されたと聞きますが……」
アカサカ「その通り。鉄道とは縁のない場所なのに、よくそんな記録残ってたな……」

アキバ「すごい滝だねぇ」
サタンダー「真名井の滝というらしいですぞ。『日本の滝百選』にも選ばれているらしいですな」

ルルゥ「広い池に出たの」

バジりん「『おのころ島』というらしいですね」

めぐみん「でっか! なんですか、あの魚は!?」
アカサカ「チョウザメだとよ」
めぐみん「チョウザメと言うと、キャビアの……? 淡水魚だったのですか?」
アカサカ「形がサメに似てるからチョウザメ(蝶鮫)らしいけど、実際は硬骨魚類でサメとは別種らしい」

ルルゥ「谷も滝も大迫力だったの!」
幻「これが自然に作られたものだというから驚くのう」
サタンダー「いやはや、それに比べると我々は実にちっぽけな存在に思えるですぞ」
~場面転換~

アカサカ「さてと、今度は天岩戸神社だ。こっちは西本宮だぞ」

コゴエル「天岩戸っちゅーと、あのアマテラスで有名な?」
アカサカ「そうそう、まさにそれ」

アカサカ「まずは本殿に向かって……」

アカサカ「残念ながら、天岩戸は撮影禁止だ」
バジりん「実際に見て頂きたいものですね」

アカサカ「そこからさらに歩いて……」

アキバ「どろ~ん、さっきの高千穂峡みたいな道だね」
コゴエル「お、何か見えてきたで」

サタンダー「おおっ、これは!」

アカサカ「天安河原だ。日本神話に登場する岩戸隠れの際に八百万の神々が集まって相談した場所であると伝えられてる」
めぐみん「いかにも、この世とあの世がつながっているような雰囲気がありますねぇ……」

アカサカ「神職さんのお話も興味深かったよな。天皇陛下のご先祖様が天岩戸に住んでたから、皇室が神様と呼ばれるようになったり……」
バジりん「食べ物を与えてくれる山や海を神様と見ていた故、お米を広めた神武天皇もまた神様と呼ばれるようになったり……。次第に『人間の生き方』を神様に求めるようになるものの、山や海、自然の神様がそれに答えられるわけもなく、そのために仏教を輸入して……なれど、自然信仰も廃れなかったが故に、日本は神道と仏教が同居する国になったと」
コゴエル「こうして改めて話を聞くと、神話っちゅーもんも奥が深いなぁ……」
~場面転換~

アカサカ「さて、本来なら今日の工程には入ってないんだが、時間に余裕があったらどうぞってことで、東本宮にも行ってみるか」

めぐみん「これはまた、石段が続きますねぇ」

ルルゥ「でも、見えてきたの」

コゴエル「西本宮に比べて、こっちは人が少ないなぁ」

サタンダー「こちらにも御神水があるようであるですぞ」

コゴエル「アカサカ君、これは?」
アカサカ「七本杉だって」
コゴエル「七本? 九本に見えるけどなぁ……ああ、なるほど、下の方で幹が分かれとるんやな」

めぐみん「いやぁ……こんな静かな中でお参りするのもいいですねぇ」
アキバ「本当だねぇ」
~場面転換~

アカサカ「さて、最後は高千穂神社だぞ」

コゴエル「参道に看板が立っとるのがなんとも言えんなぁ……」

アカサカ「まずはお参りをしてと……」

バジりん「大きな杉が何本も立っていますね」
ルルゥ「すごいの……」

アキバ「この二本の杉は?」
バジりん「夫婦杉らしいですよ」

アカサカ「ちょうど神楽舞もやってるな」

アキバ「これは?」
コゴエル「垂仁天皇の勅命で、初めて伊勢神宮と高千穂神宮が創建された時に使われた鎮石らしいで」

幻「こっちの杉はなんじゃ?」
サタンダー「源頼朝が天下泰平祈願のために畠山重忠を代参に派遣した時に植えられた、秩父杉とのことらしいですぞ」

幻「どれもこれも大きな杉で、埋もれてしまいそうじゃの」
ルルゥ「ゲシュペンス島にも、こんな大きな木はそんなに無かったの」
アカサカ「自然の中に神様が見いだされてきたのも分かるな」

めぐみん「マスター、帰路でもしっかりとチェックインしておきました!」
アカサカ「ああ。さんきゅ」

アカサカ「さて、博多に戻ってきたぞ。お疲れ様でした」
一同「お疲れ様でした!」